写真ニハ写ラナイ美シサガアルカラ。
2003年4月27日4月26日が終わるまであと数分。
オレは、
友人ジェット、ロビン、ヒメの三人と、
ヨークベニマルの駐車場にいた。
あと、ほんの数分で
楽しかったオレの20代が終わる。
そして迎える大人への道。
大人の階段上る、
オレはまだ、シンデレラっさ。
オレは、誕生日を迎えるその瞬間に
ジャンプして、空中にいる事を考えていた。
『20代が終わる瞬間、
オレは大地からこの体を切り離し、
空中に舞うのだ。』
そんな事を考えていた。
ただジャンプするのではカッコワルイ。
空中でのポーズを考え、練習する。
ジェットにはソレを写真に収めてもらう事にする。
ジャンプの練習をするオレ。
ソレを写メールに収めるジェット氏。
ジャンプの練習をしていたオレは
駐車場の隅っこにあるブロック塀に気付く。
あの塀から飛べばイイのではないか。
あの、高さ1メートル20〜30の塀から
ジャンプすれば、滞空時間の長い、
カッコイイジャンプで
新しい歳を迎えられるのではないか。
そしたらオレはペコの如く叫んでやるんだ。
「I Can Fly!!」
月にタッチする事だってワケねぇさ。
塀に向かって歩き出すオレ。
ヒメ:「あとちょっとで12時だよ!!」
そんな声にオレは足を速めた。
塀まであと2メートル。
そこまで迫った時、ハプニング。
大地を踏みしめる為に突き出した足の下に
大地が無い。
そして、タイミングをずらして
オレが踏みしめたのは、土手の斜面だった。
「アレ?」
タイミングを外されたオレは、
イキオイ余って斜面を速足で駆け下りる事に。
「うわっ!!うわっ!!うわっ!!うわっ!!」
駆け下りるとイウか、落ちる。
そして、オレは右足には
冷たく、ドロッとした感触。
ヌプゥッ
うわわわわわわわわわわわわっ!!
ドブッ!!
ドブ川っ!!
臭ぇ。
臭ぇぇぇぇぇぇぇっ!!
オレの足はドブ川に飲み込まれる。
慌てて足を引き抜くも、靴は飲み込まれたまま。
人間とイウのは、
慌てると意外な行動をする。
オレは靴を飲み込んでるのが
ドブ川だとイウ事も忘れ、
右手を臭いドロドロに突っ込み、靴を探した。
やっとの思いで真っ黒になった靴を引き上げると、
オレの腕からは
なんともイエヌ腐臭が漂っていた。
臭ぇ。
一同:「ゲルタ〜、何やってんの〜?」
ゲル:「・・・・・・ドブに落ちてんの。」
一同:「ギャハハハハハハハハハハハッ!!
ああっ、12時過ぎてる!!
オメデトウ〜!!」
ゲル:「オレ、20代最後を
ドブで過ごしちゃったよ。」
一同:「ギャハハハハハハハハハハハハハッ!!」
ロビ:「ドラマのような男だな、オマエは。
ギャハハハハハハハハハハハハハッ!!」
ジェ:「写真撮るべ、写真。
ギャハハハハハハハハハハハハハッ!!」
おぅおぅ、撮ってくれ!!
もう、バシバシ撮ってくれっ!!
オレは、ドブねずみのように美しいんだ!!
写真には写らない美しさがあるんだぁっ!!
そして今日、
オレの記念すべき日は、
靴を洗う事から始まった。
ハッピーヴァースディ、オレ。
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