ゲルタ・ボム。
2003年5月22日手に入れたものの、
まだ指穴のあいてなかったマイボウルに
ついに指穴があいた!!
マイボウル、『ゲルタ・ボム』完成!!
そして『ゲルタ・ボム』を手にしたオレは
『ゲルタ・ザ・ボマー』となり、
ピンとイウ名の標的を爆殺しまくるのさ!!
穴をあけてくれた
ボウリング場の副支配人のハカライで、
無料で投げさせてもらえる事に。
3番レーンに案内される。
買ったばかりのマイシューズを履き、
オレは1人で3番レーンに向かった。
ちなみに、
『手につけるヘンなアレ』はまだ買ってない。
3番レーン。
ソコはジツに恐ろしい場所だった。
2番レーンに、
男2人女2人のツーカップルズ。
4番レーンに
男2人女2人のツーカップルズ。
併せてフォーカップルズ。
オレが投げてイイ場所は
そいつらに挟まれたトコロにあった。
1人で来ているオレにとっては、
言わば、アウェイ!!
アウェイ戦であった。
皆さんは、
『1人でボウリング』をやった事があるだろうか?
オレはある。
仲良しグループで、
あるいは、愛し合うカップル達で込み合う
ボウリング場で、
1人で淡々とボウルを転がすのだ。
ハッキリ言って滅入る。
なぜなら、
ストライクを出してもスペアを出しても、
女の子に「キャー!!」とも言われなければ、
ハイタッチも出来ない。
ストライクを出したトコロで、
「ああ、当たり前」みたいな顔して
「イェェェェェェェェェェァッ!!」とか
叫びたくなるのを我慢して、
1人淋しく投げ続けなければならんのだ。
隣のレーンでは
男女がイチャついてたりするのに!!
とっても負けた気分になるのだ。
しかも、
1人で転がしてるヤツは、
結構、『こいつ、デキるな』的な感を
マワリに与えてしまう。
マイボウルなんて持ってたら尚更だ。
3番レーンに着いた時点で、
オレは、2番4番レーンから漂う
なんとも楽しげな雰囲気に飲まれそうだった。
だって、
「キャー!!」とか言いながら
やってるんだもん、アイツら!!
いいなぁ。
イキオイに飲まれそうだったオレは、
店の隅に置いてあるジュークボックスで
曲をかけ、自分を奮い立たせる事にした。
フォーカップルズに負けない為に!!
アウェイ戦に勝利する為に!!
曲はYMOの『ライディーン』。
一昔前の、この電気的な音楽は
オレを勇気付けてくれるハズだ。
『ライディーン』よ、
オレにフォーカップルズに負けない勇気を
与えてくれっ!!
♪テッテッテ〜
テッテッテテッテテテッテッテ〜
おおおぅ。
キタキタキタキタァ!!
体中には力がミナギリ、
心にはフォーカップルに
立ち向かう勇気がワイテきた!!
イカスぜ、若い時の坂本龍一!!
♪テッテッテ〜
テッテッテテッテテテッテッテ〜
マイボウル、『ゲルタ・ボム』を持ち
アドレスに立つ。
履いたばかりのマイシューズが
アドレスの床を踏みつける。
背中には、
2番、4番レーンからの視線を感じる。
多分、ヤツらもオレを
『デキる』ヤツと思っているのだろう。
ああ、そうさ!!
オレは『デキる』ヤツなのさ!!
フォーカップルズよ。
このオレ、
『ゲルタ・ザ・ボマー』のボウリングを
そのチンケな目ん玉に焼き付けるがイイぜ!!
『ゲルタ・ボム』が爆裂して
ピンをハジキ飛ばすサマを
よぉく見ておくがイイぜ!!
♪テ〜テ〜テテッテ〜テ
テッテテテッテッテッテ〜テ
テ〜テ〜テテッテ〜テ
テッテテテッテッテ〜
胸に構えたボウルをプッシュアウェイ。
腕をゆっくりと伸ばしてダウンスイング。
足を踏み出しリズムをとる。
そしてボウルをリリース。
さぁ、
『ゲルタ・ボム』第一弾投下!!
オラァ!!
爆裂しろ『ゲルタ・ボム』!!
その瞬間。
左足がアドレスを越え
ワックスでテロテロに滑るレーンの中に。
!!!!!!
滑ってケツから転ぶオレ。
投げた瞬間、
ガーターの溝をゴロゴロ転がる『ゲルタ・ボム』
『ゲルタ・ボム』第一弾、記録0本!!
ハズカシイ。
なんともハズカシイ。
『1人でボウリング』の恐ろしさは
ここにもある。
誰も笑っちゃくれねぇ。
マヌケな投球に対して、
誰もツッコんじゃくれねぇ。
いや、2番4番レーンのフォーカップルズが
心の中で笑っているのだろうが。
副支:「ゲルタさん、
どうですか?ボウルの具合は。」
ゲル:「いやぁ、最高っすね!!
あ、オレ急用できたんで帰ります!!」
『ゲルタ・ザ・ボマー』、逃げるように帰る!!
『ゲルタ・ボム』、不発!!
オレのマイボウルはまだ、
1本のピンも倒していない。
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