祭。
2003年6月23日土曜日のこと。
その日、ボウリングから帰った後、
この日記に、
『ピッピとプー子』の話を書いた後オレは、
ある『祭』の準備にとりかかり、
お気に入りしていただいてる
べー様にいただいた
ドラえもんTシャツに袖を通した。
そう、ある『祭』とは、
オレのフォト日記上で開催される、
『夏だ1番!ドラえもん祭』である。
この『ドラえもん祭』、
実際には何をするのかと言えば、
オレの計画では、
自分の顔に、ドラえもんの絵描き歌で
絵を描き、その行程を
フォトに収め、公開するというものだった。
「マヌケな顔をしながら、
カメラを思い切り睨みつける」
そんなドラえもんが、
オレの頭の中で描かれていた。
ナゼに、そんな行為をするのか?
解らない。
おそらく、本能なのだろう。
蜘蛛が巣を張るように、
ビーバーがダムを作るように、
オレは、本能で『ドラえもん祭』をする。
それでいい。
全ては、DNAに仕組まれた
太古の記憶がさせる事なのだ。
ドラTを着て、右手には筆ペン、
左手には携帯を持ち鏡台の前に座る。
さぁ、祭の始まりだ!!
今宵、オレはドラえもんになるのだ!!
絵描き歌にあわせて、
自分の顔に筆ペンでドラえもんを描く。
♪まぁ〜るかいて
チョン
ギャァッ!!
目をっ!!
目をヤラレたっ!!
チョンの時、筆ペンの墨が目頭に入った!!
【目に入った時は、
すぐに水で洗い流してください】
気を取り直して再開。
♪まぁ〜るかいて チョン
まぁ〜るかいて チョン
(パシャ←写メ)
お〜まめ〜にめ〜が出て・・・・・・
おまめ。
すなわち、ドラえもんの鼻は赤い。
ならば、オレの鼻も赤くしなければいけない。
だが、マジックで染めたのでは、
しばらく赤鼻で過ごさなくては
いけなくなってしまう。
そこで、オレが選んだのは、
母親の口紅だった。
母親の口紅を、鏡台の中から見つける。
うわぁ、なんだって派手な色だな、オイ!!
こんな口紅、いったい、いつ使うのか。
なんとなく、息子としてショックだ。
ショックを振り払い、
鼻に口紅を塗ろうとして、オレは思いとどまる。
鼻に母親の口紅・・・・・・
『自分の鼻に、母親が口をつけた口紅をつける』
『母親の口に、自分の鼻につけた口紅が使われる』
危険だ。危険すぎる。
母親とオレ、お互いにとって、
あまりにもリスキーだと判断したオレは
口紅を指先に塗り、ソレを鼻に移す事にした。
♪お〜まめ〜にめ〜が出て
う〜えき〜ばち〜ぃぃ
(パシャ)
う〜えき〜ばち〜
意外と重要な事なのだが、
一回目の「う〜えき〜ばち〜」は
目の横から始まり、目の横で終わる。
これを完全な“まる”にしてしまうと、
デコッパチなドラえもんになってしまうので
注意が必要なのだ。
と。
ピンポ〜ン
うわっ!!
誰か来た!!
誰かが家のチャイムを鳴らしてる!!
今のオレの顔は、
言わば、『半ドラえもん』
まさかこの、『半ドラえもん化』した顔で
来客に応対する事もできない。
しかも、ドラTの下はパンツいっちょだし。
客に、在宅を気付かれてはいけないのだ。
音をたてないように、動きを止める。
緊張した空気が流れる。
緊張した空気だが、
顔は『半ドラえもん』である。
真剣なのかフザケてるのかわからない。
しばらくすると、車が発進する音。
客は帰ったようだ。
早速、オレは『祭』を続ける。
続けるといっても、
「♪6月6日に」〜「お池がふたつできました」は
全てTシャツ部分なのでハショる。
♪お池にお舟をう〜かべ〜たら
お〜そらに三〜日月のぼ〜ってた〜
口を描き、
またも、母親の口紅で色を塗る。
ヨシッ!!
ドラえもん完成っ!!
早速写メに収め、顔を洗った。
その後、フォトに送る写真を見ていると、
なんだか、顔がモロで恥ずかしくなる。
ドラえもん完成までを、
段階を踏んでフォトに載せようと思っていたのだが
結局、完成形だけ載せる事にした。
そして、いよいよ送ろうかという時、
オレは気付く。
・・・・・・
ん?
アレ?
あっ!!
ヒゲッ!!
ヒゲ描くの忘れたっ!!
・・・・・・
♪まぁ〜るかいて チョン・・・
『ドラえもん祭』再開。
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