カマイタチノヨル。
2003年7月25日昨日まで入院してたんですが。
入院ちうのは
何度味わっても暇なもんで。
もう、
どうにもこうにも暇なもんで。
オレは、ウチの人に頼んで
病室にプレステ2を持ち込むという
暴挙に出ました。
ゲームソフトは、『かまいたちの夜』。
ウチの人に頼んで、
中古の『かまいたちの夜』を買ってくるよう
頼みました。あくまでも中古で。
『かまいたちの夜』ってのは
連続殺人をテーマにした恐ろしげなゲーム。
このゲームを
深夜の病院でやってしまおうと考えたのです。
深夜の病院という恐ろしい舞台を
楽しんでしまおうと考えたのです。
しかし、
ウチの人が買ってきたのは『かまいたちの夜2』。
『1』をやってないオレが
『2』をやっていいものか考えましたが
そこは我慢してプレイする事にしました。
ゲームは、
看護婦さんが21時に巡回にきた後に始めます。
静まり返った病棟。
2人部屋なのに
隣が空きベッドなせいで
1人には広すぎて不気味な病室。
そんな整った環境の中、
オレの分身である
ゲーム中の主人公の名前を入力し、
早速スタートです。
ゲームの脚本は、オレが好きな
『殺戮にいたる病』などを書いた
ミステリ作家の我孫子武丸。
ゲームは、
画面に出る物語を読みながら進め、
時折あらわれる選択肢によって変化、
そして、その選択肢を上手に選ぶことによって
連続殺人の謎を解くというものでした。
なんの事件も起きてない、物語序盤、
主人公（オレ）は恋人真理と、
真理の叔父さんである小林さんと共に
これから、連続殺人事件の舞台となる
無人島の中にある古い建物を目指していました。
そして、無人島の中にある湖に出ます。
そこで選択肢。
【小林さんに「釣りはやるのか？」と訊かれ】
A・やりません。
B・これから始めたいと思ってます。
当り障り無く、Bを選択。
「なら教えてあげよう」と小林さん。
それから丸二日間、
釣りをして過ごす主人公（オレ）。
そして画面に浮かび上がる文字。
『終』
終わっちゃったよ！！
殺人事件のゲームなのに、
釣りして終わっちゃったよ！！
気を取り直して
最初からやりなおしました。
今度は釣りもせず、
主人公（オレ）と恋人、真理は
古い建物の中で起きる殺人事件に
巻き込まれていきます。
画面の中で、
次々と死んでいくゲームの登場人物。
そのたびに震えるコントローラーと
大袈裟な音楽が恐怖を煽り立てます。
深まる謎。
午前0時を過ぎ、
しんと静まり返った中、
廊下の遠くの方では
看護婦さんの小さな足音がします。
1人でいるにはだだっ広い病室に
時計の針の音がやたら大きく聞こえ、
部屋の壁はやたらと白く感じます。
雰囲気的には
絶好の恐ろしいシチュエーションです。
が。
ですが。
確かに恐ろしいのですが、
どうも、イマイチ乗り切れないのです。
恐怖に怯えるゲームの主人公（オレ）に
感情移入できないのです。
なぜか。
主人公（オレ）の恋人、
真理が、主人公（オレ）の名前を叫んだ時、
オレは、その原因を悟りました。
その答えは、オレが名付けた、
オレの分身である主人公の名前にあったのです。
主人公（オレ）がピンチに陥った時、
恋人、真理が叫びました。
「ゲルタぴょん！！」
「ぴょん」て。
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