甲子園。
2003年7月28日ウチの職場に、元高校球児がいる。
彼の学校は県内の有力校で、
彼は入学当初からチームのエース格だったが
高校2年生の時の足の怪我で
3年の時にはエースナンバーを
他の投手に譲っていた。
彼が3年の時、
チームは県大会の決勝まで進んだ。
その決勝で、
彼は9回のチームの危機にリリーフで登板、
しかし、打ち込まれてしまって逆転負け、
彼のチームは、甲子園を目前にしておきながら
敗退してしまった。
それ以来、
彼は一度も高校野球を見ていない。
高校野球が嫌いだと言う。
今年、苦しい闘いだった
県大会の決勝戦に勝利を収め、
彼の後輩が甲子園出場を決めた。
「甲子園で勝つってのは簡単じゃないよ。」
「良かったね」と言ったオレに
彼はぶっきらぼうに言ったが、
彼の顔は、どこか嬉しそうだった。
12年という時間が、
彼を少しずつ変えたのかもしれない。
今年、
彼は12年ぶりに高校野球を見る事を決めた。
後輩の活躍を応援する為に。
自分を苦しめる過去に打ち勝つ為に。
かつて自分が目指した甲子園のスタンドに立つ。
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(資料提供 サマルトリアの王子様
アリガトウゴザイマシタ)
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