昨日の夕方。
 
  
家に帰ると、
父が、庭の不安定な場所に
高い脚立を立ててソレに座り、
松の木の剪定をしてんだか、
松の木をボロクソにしてんだか、
とにかく、松の木をイジクッテいた。
 
 
で、
父親想いのオレは、
「脚立から落ちんなよ〜」と。
 
 
ソレを聞いて父親は振り向き、
「おう、大丈夫だ、落ちねぇよ。」
と言いながら落下。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ギャハハハハハハハハハハハハハハハ!!
 
  
言ったソバから落下!!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
い、いや、笑い事じゃない。
 
 
慌てて駆け寄り、
「ダイジョブ?」と問うオレ。
 
 
 
 
 
「おう、受け身をとったからダイジョブだ。」
 
 
 
 
 
うおおおおおおおっ!!
 
 
受け身!!
 
 
さすが父上!!
 
 
さすが元・柔道選手!!
 
 
あの高さから落ちても怪我1つないとは!!
 
 
『世界柔道』見てて、
あ〜でもないこ〜でもないと
エラソーな事ばっか言ってたけど、
「自分もできる」とイウ事を
脚立から落ちて証明してみせたワケだ!!
 
 
ただの受け身だけど。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「暗くなってきたから、
 もう、終わったほうがイイよ。」
 
 
そう言って、父に、
作業を終わるように促すと、
父も、「そうだな」と言って後片付けを始める。
 
 
そして、
「いやぁ、柔道やっててヨカッタ」などと
言いながら、家に入ろうと歩き出す父。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
と、突然。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「ぁ痛っ!!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
何事かと思って振り返ってみると、
玄関前で、うずくまっている父。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
どうした!?
 
 
落下の痛みが、
後になって出てきたのか!?
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「足、くじいちゃった。」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
弱っ!!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
父上!!
 
 
今、アナタがうずくまっているトコロ付近に、
足をつまずかせそうなモノなんて
ナニもナイですよ!!
 
 
ナ  ニ  モ  ナ  イ  デ  ス  ヨ  !!
 
 
 
 
 
ナニもナイ場所で
ひとりで勝手に足をくじいたのですか、父上!!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ヨワッ!!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
そして、
歩くのがママナラナクなった父は病院へ。
 
 
 
 
 
診断結果は捻挫。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
元・柔道選手の父、
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
地面に一本負け。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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