タカは高校時代からの親友。
一緒に街をふらついて、
一緒にバカをやって、
一緒に大きくなった仲間。
トモちゃんは高校時代からの友達。
オレやタカが通ったバカ高校とは違い、
有数の進学校に通っていた秀才。
しかも、明るくてカワイイ女の子。
その2人が出会ったのは、
オレらの年代が高校を卒業してから。
タカが、トモちゃんに一目ぼれをした。
フラれること数回。
それでも諦めきれないタカはアタックを続け、
トモちゃんは、いい加減根負けしたのか、
2人は付き合うことになり、そして、結婚した。
幸せそうだった。
毎年正月には、年々大きくなる子供達2人と一緒に、
タカとトモちゃんが写った年賀状が届いた。
今から約1ヶ月前には、
タカは、自分の夢だった自動車整備工場を立ち上げた。
小さな工場。
タカとトモちゃんの2人で創った工場。
2週間くらい前に、みんなでお祝いした。
それから1週間後。
タカが事故った。
信号が青の交差点、直進するタカの車に、
横から飛び出してきたババアの乗るベンツがぶつかってきた。
車は大破。
タカと、同乗していた子供達は軽症で済んだが、
トモちゃんが意識不明の重体になった。
頭蓋骨骨折。
内臓も痛めた。
タカは、ショックで塞ぎこんでしまい、
憔悴しきってしまったと聞いた。
すぐにでも会いにいけばよかったが、
仕事とか、そんなクダラナイものを理由に、
オレは、なかなかお見舞いに行けなかった。
そして今日。
オレは、仕事を休んで、
タケシとお見舞いに行くことにした。
待ち合わせの駐車場に積もった雪を見ると、
オレは、昔のことを思い出した。
20歳を過ぎたころに、
いい歳して、みんなで雪合戦したこと。
そこには、オレや、タケシがいて、
そして、タカとトモちゃんもいた。
オレとタケシは、
コンビニの袋に雪を詰め込んだ。
駐車場に積もったばかりの真新しい雪を選んで、
コンビニの袋に詰め込んだ。
「雪をよ、
ほっぺたとかに当てたらヒヤッとすっからさ、
トモちゃん、ビックリして起きるかもな」
溶けないように。
溶けて消えてしまわないように。
トモちゃんを起こす為に。
コンビニの袋4つに、雪をかき集めた。
そして、タカとトモちゃんがいる病院に向かおうとして
車に乗り込んだ時。
オレとタケシのケイタイに、
ほぼ同時にメールが届いた。
「トモ、死んじゃった」
タカからの短いメール。
ほんの、1時間ほど前の話だ。
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●迅様。
登録ありがとうございます。
只今、こちらのリンクが制限いっぱいになってるものですから、
相互リンクできずに申し訳ありません。
くだらん日記ですが、なにとぞよろしくお願いします。
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