先端恐怖症。

2005年5月30日 日常
 
 
先日、阿部寛が主演の精神科医のドラマがありましたね。
『空中ブランコ』だっけかな?
非常に面白いドラマだったんですが。

その中に、オレが好きな俳優、遠藤憲一扮する
先端恐怖症のやくざが出てきました。

もう、短刀だろうがペンだろうが、
先の尖ったモノに恐怖感を抱いてしまう。
やくざなのに短刀なんかに恐怖していては仕事にならん。
遠藤さんは、そんなやくざを好演していたのですが。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ソレを観てて、
オレは昔の事を思い出しました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
昔、
高校時代にオレは、
先端恐怖症の女子とお付き合いしてた時期がありまして。

もうね、スゲェんですよ。
何がスゲェって、
先の尖ったモノに対するそのビビリっぷりがスゲェ。

オレが鉛筆を持った姿を見ると「キャァァァァァッ!!」

お箸を持てば「先っぽをこっちに向けないでぇぇぇぇっ!!」

「お昼ご飯作ってあげるから、キッチンを貸してね」なんて、
ウチのキッチンに行ったかと思うと、「キャァァァァッ!!」。
何事かと思ってキッチンに行ってみると、
包丁を握り締めて真っ青な顔して立ってんの。

しまいにゃ、
オレが、「あそこ見てみ」なんつってある場所を指でさせば、
その指を見て「指を立てないでぇぇぇぇっ!!」

アホかっちうの。
オレの指を見てどうすんだっちうの。
オレが指さした場所を見ろっちうの。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
しかも。

その彼女には、すごく仲のいい双子の兄弟がいましてね。
双子なんだけど、お兄ちゃんなの。
二卵性ってヤツなのかな?
顔なんか全っ然似てないんですけど。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
似ちゃってるんですよね。
 
先の尖ったモノに対する恐怖感は。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
だからね、もうね、
彼女のウチなんかに遊びに行った時なんかは大変でした。
そりゃぁ大変でしたよ、ええ。

先の尖ったモノを見る度に、二人して
「キャァァァッ!!」とか
「ぬおおおおっ!!」とか言ってるんだから。
 
そんな二人にオレ、訊いた事があるんですよ。
「じゃ、どこまでなら恐怖しないで済むのか?」って。

そしたら、「90°」ね。

二人の意見を合わせると、
「90°までは恐くない」と。
「90°よりも鋭角になってる先端を見ると恐くなる」と。
「90°よりも鋭角なモノが近くにある時が一番怖い」と。

だからオレ、すっごい努力しました。
すっごい努力をしたんですよ。
彼女達に恐怖感を与えないように、って。
彼女達のマワリから、鋭角なモノを排除しよう、って。

ホントはね、気を使う相手は彼女だけでいいんだけど、
ほら、なんちうか、
将来的なことを考えるとお兄ちゃんにも気を使っとこう、みたいな。
大阪冬の陣で家康は、
「外堀埋めちゃうよ」つって内堀まで埋めちゃった、みたいな。
とにかく気を使ってたんですよ。
将来の家族ですからね。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
もうね、ソレはソレはすごい努力でしたよ。
涙ぐましいモノでしたよ。

例えば、さっきも言ったとおり、
何かを指さす時人差し指で指すと、
彼女もお兄ちゃんも恐怖感を抱いてしまうのですね。

だからね、オレ、
モノを指す時は、手のひらで。

「右手をごらんくださ〜い」みたいな感じで。

なんじゃい。
オレはアレか?
バスガイドさんか?

しかもアレですぜ?
ジャンケンなんて、“足”ですぜ?

彼女にチョキをやるとね、
彼女は「キャァァァッ!!」って言うから、
ジャンケンは足でやんの。
“ケンケンパー”みたいな要領で。

どうです?
涙ぐましいでしょ?
涙ぐましい努力ですよね!?

ソレもこれも、愛していたからです!!

彼女を心底愛していたからなんです!!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  
しかし。

別れは突然やってくるもの。

そして、とても理不尽なもの。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「ゲルタくんと一緒にいるとね、疲れちゃうんだよね」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
お、お前が言うなぁぁぁぁっ!!

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
アホかっ!!

疲れとるわっ!!

オレの方が気を使いすぎて疲れとるわっ!!

高校生ながらにしてすでに養命酒だわっ!!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
オレは、先端恐怖症の彼女の口から出た
あまりにも鋭い言葉によって、傷ついたのでした。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
その時からです。
 
 
 
 
 
オレが、
『ナイフみたいに尖っては触るものみな傷つける人間になろう』と、
まるでチェッカーズばりにギザギザハートにったのは。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
**********
 
 
●カーネル様。

登録、アリガトウゴザイマス!!
只今、こちらのリンクが制限いっぱいになってるものですから、
相互リンクできずに申し訳ありません!!
下品で、くだらん日記ですが、
なにとぞよろしくお願いします!!
オレも楽しく拝見させていただきます!!
 
 
 
 
 
 
 

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