(↑上からの続き) 
 
 
 
 
 
カサカサカサ
 
 
 
「こういうモーテルなんかには
 ネズミがいてもおかしくないなぁ」

そんな事を考えていた男は、
その音を無視してまた眠りにつこうとした。
と、その時であった。
 
 
 
ヴヴヴォォォ〜ン
 
 
 
耳元でヘンな音がしてきたのだ。
 
 
 
ヴォォ〜ンヴォォ〜ンヴォォ〜ン
 
 
 
何か、重苦しさを感じさせる音だ。
いや、「音」というより、
「直接、脳に響いてくる振動」といた感じか。
なにしろ圧迫感を感じる。

目が覚めてしまった事にイライラ感を感じた男は、
体勢を変えようと、寝返りをうとうとした。

が。

身体が動かない。
力を入れて身体を動かそうとするのだが、身体が動かない。
 
 
 
“金縛り”
 
 
 
男の頭にそんな言葉が浮かぶ。
懸命に身体を動かそうとするのだが、全く動かない。
しまいには、
身体の動かし方さえ解らなくなってくる感じに囚われる。
声を出そうとしたが、それさえもままならない。
男は、
「金縛りというのは霊的なものではなく
 単に、覚めている脳と眠っている身体のズレから生じるものだ」
と、必死に自分に冷静になるように言い聞かせたが、
やはり、恐ろしいものは恐ろしく、
ひたすら、うろ覚えの般若心経などを心の中で唱える。
が、身体は一向に動かない。

知らない土地の鏡張りの部屋に1人。
そんな状況が男の恐怖心を煽る。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
そして、男はそのまま、意識を失うかのように
再び眠りについた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
次の朝、男は不快な思いで目を覚ました。
うっすら汗さえかいている。

恐かった。
久しぶりに経験した金縛りに恐怖する男。

男は、そんな嫌な気分をさっぱりさせようと、
とりあえず、洗面所に向かった。
そして、顔を洗い、
そこに写っている自分の姿を見てみる。
 
 
 
 
 
と。
 
 
 
 
 
おかしい。
鏡の中の自分の姿がおかしい。
首筋に、痣のようなモノが出来ている。
 
 
 
「なにこれ・・・」
 
 
 
まぁるく、
そして、赤黒というか紫色というか、
そんな色で痣が出来ている。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「キ・・・キスマーク?」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
“ぞっ”とした。
深夜のこともあってか、
男は、ただひたすら“ぞっ”とした。
 
 
 
な、なんだよ、コレ!?
誰が付けたんだよ、こんなの!?
こんなのが付くような事はしてないぞ!!
 
 
 
やっぱ・・・オバケ?
 
 
 
いやいやいや、
キスマークとは限らないじゃん!!
寝てる間に、なんか掻いたりした痕かもしれないじゃん!!
 
 
 
でも、こんなにまぁるく掻いた痕が残るかな・・・
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ぬおおおおおっ!!
おっかねぇ!!
メチャメチャおっかねぇっ!!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
男は、急いで仕度をすると、すぐさまその部屋を出る。
そして、ガレージに停めてある車に乗り込もうとする。
が、その時、男の頭にある考えが浮かんだ。
 
 
 
「このまま車に乗り込んだら、
 霊を連れて帰ることにならないかな?」
 
 
 
清めをっ!!
お清めをしなければっ!!

塩ないか、塩!!塩!!塩!!塩!!
 
 
 
「おおお、そうだ!!
 オレには、前日に買ったゆで卵に付いてた塩があるじゃないか!!」
 
 
 
男は、次の日の朝食用にと、
コンビニで買ったゆで卵に付いてた塩を取り出す。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
『アジシオ』
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ア、アジシオかぁ・・・・・・
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ゆで卵についていた付いていた塩は、アジシオであった。
だが、それでも無いよりはマシであろうと、
男は、そのアジシオを全身に振り掛ける。

そして男は逃げるように、そのモーテルを後にした。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
・・・・・・
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
恐ろしい出来事だった。
ソレは、男にとって恐ろしい出来事だった。
が、しかし同時に、
誰かに話たい出来事でもあった。
男は、その晩から朝にかけて起こったの出来事を、
友人にメールしてみた。

 
 
 
 
『昨日、金縛りになってさ、
 で、起きてみたら、首筋にキスマークみたいのが出来てんだよ。
 メチャメチャ恐くない?』
 
 
 
 
 
すると、すぐに友人からの返信。
 
 
 
 
 
『人間にはモテないのに、オバケにはモテるんだね』
 
 
 
 
 
憮然とする男。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
そして今、男はその話を日記に書いている。

PCの横に、
鏡張りの部屋から慌てて出てきたワリには
抜け目無く持ってきた、枕元に添えてあったコンドームを置いて。
 
 
 
 
 
 
************
 
●胃弱の野武士様。

そうそうそうそう!!
そうっすよね!!
あの歯科助手さんのマスクの下、
あそこにカワイイ顔が隠れてた時なんか、
もう、大当たりな気分ですよね!!
それだけで、ハッピーな気分になれます。

セルジオ氏、穏やかな時は「川添さん」って言うけど、
日本が相手にリードされて不機嫌になると
「川添!!」って呼び捨てになりますよね(笑
 
 
 
●魔美様。

ダイジョブですか?
東京でも高熱を出されたばかりだし、
無理しないでくださいね!!
今週の上沼恵美子の『おしゃべりクッキング』は
山本“土方”がゲストですよ!!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

コメント

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

この日記について

日記内を検索