キスマーク。

アナタはキスマークを付けられた経験がおありか?
それはどの場所に付けられたのだろうか?
首筋か?
背中か?
ケツか?

ソレは、どんな相手によるものだったろうか?
恋人か?
行きずりの人か?
それとも意外と、親族だったりするのか?

そしてソレを付けられた時、
アナタはどう思ったのだろうか?
「困ったなぁ」などと、相手に言ったのだろうか。
そして、そう言うワリにはなんだか嬉しくて
「うれしはずかし朝帰り」なんかを
歌っちゃったりなんかしちゃったりしたのだろうか。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
だがどうだろう。
 
ソレが、招かざる者だった時、
アナタはなんとするのだろうか。
そしてソレが、人間ではない者だった時、
アナタはなんとするのだろうか。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
これは、
実際にある男の身に起きた出来事である。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
その日、その男1人で夜の田舎道を車で走っていた。
街からは遠く離れた田舎道。
建物などは殆ど無く、
街頭もポツリポツリとあるくらいで非常に暗い。

32歳になるその男は『道の駅』を巡り歩くのが好きで、
その日も山形県内の『道の駅』を全部制覇しようと、
夜遅くまで車で走り回っていたのだった。

時刻は22時を過ぎる。

さすがに疲れてしまった男は、
その夜の宿を求めて走りつづける。

男の希望する宿はモーテル。
ホテルのように1つの建物の中に部屋があるのではなく、
一部屋一部屋が別の建物になっている、
本来ならば、カップルが「ご休憩」「ご宿泊」に使うアレだ。
こういった田舎では、一泊4000円未満で
宿泊できるモーテルがあるのだ。

本来ならカップルで使うベッドを1人で使うのだから、
広いベッドで伸び伸びと眠れる。
24時間、エロビデオを流し続けるチャンネルもある。
冷蔵庫には『赤まむし』が入っている。
枕元には、コンドームも添えてある。

モーテルに1人で泊まる事の良さを知っている男は、
ソレを求めて、山形県と秋田県の県境辺りにある田舎道を、
ひたすら走っていた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
男がその海沿いのモーテルに入ったのは、
すでに時刻は23時を過ぎた頃だった。

一泊4000円。

ガレージに車を停めた男は、
そのガレージの横にあるドアから、その夜に宿泊する部屋へと入る。
と、その部屋は鏡張りの部屋だった。

部屋に入るドアがある壁面以外の壁、そして天井、
すべて鏡がある。
鏡の中に鏡に写ってる自分がいて、
その反対側にはまた、ソレを映し出す鏡がある。
丁度、『燃えよドラゴン』でブルース・リーが迷い込む鏡張りの迷路、
あんな感じであった。
少し、薄気味悪ささえ感じる。
 
 
 
「ヘンな部屋に入っちまったなぁ」
 
 
 
男はそう思ったが、
入ってしまったものは仕方ないので、
とりあえず、ブルース・リーの真似をしてみたりした後、
風呂に入り、
そして、エロビデオチャンネルを観ることも無く
眠りについたのだった。










そして、事件は起こる。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
カサカサカサ
 
 
 
男がその妙な音に気付いて目が覚めたのは深夜であった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
(↓下に続きます) 
 
 
 

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