オレ ノ 旅。

2005年7月25日 日常
 
 
その日オレは、1人で宮城県に来ていた。
目的は、道の駅。
道の駅に設置してある記念スタンプを集めること。
オレは、一泊二日で宮城県内にある道の駅、
全11箇所を制覇しようと、ただひたすら車を走らせていた。
 
時刻が夜10時をまわったのは、
オレが、宮城県と岩手県の県境辺りを走っている時だった。
一日中走り回ってさすがに疲れたオレは、
行きがかりに見つけたモーテルに、一晩の宿をとる事にした。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
オレは、旅先で宿をとる時は、大抵の場合モーテルに宿泊する。
ホテルより、ラヴホテルより、比較的値段が安いモーテル。
各部屋ごとに独立した建物になっていて、
それぞれの部屋ごとにガレージもついている。
1人で宿泊する場合、そんなモーテルのほうが何かと都合が良いのだ。
なんせ、ラヴホテル内で他のカップルとすれ違うというような危険が
モーテルには無い。安心して部屋に入れる。
そして何より、値段である。
モーテルは、まぁ、場所にもよるのだろうが、
ホテルなんかと比べると値段が安いところが多い。
ラヴホテルにある「ご休憩」の値段で
宿泊できてしまうしまうモーテルなんかが結構あるのだ。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
モーテルの敷地に入ったオレは、
とりあえず、敷地内にある空き部屋を探すことから始めた。
敷地内にある各部屋のガレージは、
夜10時を過ぎてもシャッターが下りている部屋が多かった。
みんな、「ご休憩」ではなくて「ご宿泊」なのだろう。
きっと、カップルで「ご宿泊」なのだ。
1人で「ご宿泊」のオレとはだいぶ違う。

敷地内を一周して、オレは、
誰も「ご休憩」も「ご宿泊」もしてない空き部屋を2部屋見つけた。

1つ目の部屋は、4000円の部屋。
そして、もう1つは4500円のソフトSMの部屋。
 
 
 
「ソ、ソフトSM!?」
 
 
 
4500円の部屋は、ソフトSMのプレイが可能な部屋であった。

悩むオレ。

見てぇ。
ソフトSMの部屋、チョー見てぇ。

しかしオレは、1人で「ご宿泊」である。
はたしてソフトSMの部屋に1人で泊まる意味はあるのか。

車を停めて考えていると、
後ろから、敷地内に新しく車が入ってきた。
おそらく、車の中にはカップルが乗っているのだろう。

迷ってる暇はねぇ。

オレは、ソフトSMの部屋のガレージに、車を突っ込んだ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
その部屋は照明がキツかった。
紫がかったピンクの照明は、妖しさを感じさせる。
オレの頭の中にはなんとなく、夏木マリの妖艶な微笑みが浮かぶ。

照明を普通の色に直して部屋の中を見回すと、
いくつかのソフトSMに使用されるとおぼしき道具が目に入った。

革バンド。
なんか知らんがフワフワした鳥のはね。
運動会のハチマキみたいな、薄くて長い布切れ。

そして、だだっ広いベッドの横には、
X字の形状をした張り付け台があるのが目に入った。
X字の4つ角には、それぞれ、チェーンがぶら下がっている。
そして、そのチェーンの先には、革のベルトが付いている。
この張り付け台に自分の相手を張りつけて、
ソフトなSMプレイをするのだろう。
いや、時にはハードなSMだったかもしれない。

多くの女が、そして男が、
この張りつけ台に張りつけられたんだな。

そんな事を考えながら、
オレは、自らの手足に革のバンドを巻き、自分で張り付いてみた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ひとしきりソフトSMの道具で遊んだオレは、
改めて、部屋の中を見回した。

と、そこで、一枚の張り紙に気付く。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
『コスチューム無料レンタル中』
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
コ、コスチューム無料レンタル!?
 
 
 
よく見てみると、そこには
様々なコスチュームの名前が書かれていた。
 
 
 
 
 
1.女子高生
2.ナース
3.OL
4.バニーガール
5.メイドさん
6.レースクイーン
7.ミニスカポリス
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
うおおおおおっ!!

着てぇ!!

コスチューム、チョー着てぇ!!

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
オレは、考える間もなく電話をとると、
フロント9番を押し、
受話器の向こうのオバチャンに向かって告げた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「すみません!!

 7番のミニスカポリスでっ!!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
それから何分経ったのだろう。
鏡の前には、1人のミニスカポリスが満面の笑みで立っていた。

もちろん、オレである。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
深夜1時。

オレが1人で「ミニスカポリスな自分撮影会」をしていたのは、
他の部屋では、カップルが
アハンとかウフンとかやっているであろう時間だった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
(↓フォト日記)
 http://www.asp.to/diary/apapapp/
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  

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