KEEP ON ROCK。1900円。
2006年10月23日 日常 コメント (4)また、会津に行ってきた。
会津には1年のうちに3回も、
いや、ここ1ヶ月のうちに3回も行っているので正直、
見て回る観光施設などもなくなってきて、オレは、
お線香を片手に戦国大名蒲生氏郷の墓や会津藩主松平家の墓、
白虎隊の墓や新撰組隊士の墓などを巡る。
途中、「あれ?これは観光ではなくて、ただの墓参りでは?」などと
衝撃の事実に気づいてしまったのだが、
「まぁ、せっかく会津まで来たのだし」と、オレは、
観光という名の墓参りを続けた。
観光という名の墓参りが済むと、オレは、
家族にお土産でも買っていこうと土産物屋に寄った。
会津には、ここ1ヶ月の間に3回も着ているので正直、
また土産物を買っていく必要などは無いようにも思われるのだけれど、
ナゼか、買っていかなきゃ悪いような気もなんとなく、する。
いや、「買っていかなきゃ悪い」と言いつつも、
自己顕示したいというかなんというか。
「あなたたち家族がつまらない休日を過ごしている頃、
僕は会津で充実した一日を過ごしていました。
はいこれ、幸せのおすそ分け。ワハハハハ」
そんな感じ。
そんな感じでオレは、土産物屋に入った。
オレは、土産物屋が好きだ。
土産物屋に漂うあの混沌とした空気が好きだ。
薄暗く、清潔感があるとも言えず、なにか物悲しさを感じさせる。
客があまりいなければ尚更良い。
「この店は本当に商売をしたいのだろうか?」
そう思わせられてしまうような店であればあるほど、好きだ。
引力に引かれるがごとく、吸い寄せられてしまう。
そういう土産物屋は大抵、商品の陳列がなってないことが多い。
オレもオモチャ屋を経験した人間であるからして
商品の陳列にはワリとうるさく、
「そこにその商品が並んでいる意味」などを考えてしまうのだけれど、
そういう薄暗い土産物屋は、大抵「その意味」もなく、
ただ雑然と商品が並んでいる店が多い。
例えば、こけしの隣に着信すると光る、携帯ストラップがあったり。
例えば、茶碗の隣にハローキティのぬいぐるみがあったり。
例えば、漬物の隣にヘビのオモチャがあったり。
まさに混沌。
まさにカオス。
そのカオスな雰囲気が充満してればしてるほど、
オレは惹き付けられる。
昨日入った土産物屋もそうだった。
店の入り口には木刀があり、その隣には
浅葱色の背中に白抜きの文字で「誠」と書かれた新撰組の羽織があり、
そしてその隣にはナゼか、加藤茶のキーホルダーあった。
「ナゼここに加ト茶が?」
加藤茶は、福島出身の有名人としてはかなりビッグな方なので
その地元では「加藤茶グッズ」が沢山売ってたりする。
「でも、新撰組の隣に加ト茶を置くことはないだろう」
オレが加ト茶の前でそこにある加ト茶の存在意義を考えていると、
「いらっしゃい。お兄ちゃん、木刀どうだい?」と
店のおばちゃんが話し掛けてきた。
おばちゃんは、オレが木刀に興味を持っていると思っているようだ。
「いい木を使ってるんだよ」
おばちゃんは、オレに木刀を猛アピールする。
「樫の木なんだよ」
木刀の材質なんかどーでもいいよ。
「オレの顔はそんなに木刀を欲している顔に見えるのだろうか」と、
オレはそんな事を考えつつ、
「木刀はもう、2本も持ってるから」と、店の奥に入った。
店の奥に入ると、そこはまさしくカオスであった。
こけし、赤ベコ、茶碗、電車のオモチャ、
カブトムシのオモチャ、吸盤でくっつくトカゲのオモチャ、
会津出身の野口英世を可愛らしくデザインしたキーホルダー。
まさしくカオス。
トカゲのオモチャなど、ベツに
会津の観光地で売る必要もないはずなのだが、ソレは、そこにある。
そのトカゲのすぐ横に、世界的細菌学者、野口英世の
キーホルダーが置いてあるのだから、
黄熱病に取り組んだ世界的細菌学者もいたたまれないというものだ。
だいたい、ヒゲが生えてる野口英世を可愛らしくする意味が解らない。
そしてソレを、キーホルダーにする意味が解らない。
「野口英世をカバンからぶら下げた人がいたら、ちょっとイヤだな」
オレはそんなことを考えつつ更に店の奥に進むと、
とあるモノが、オレの目に飛び込んできた。
そのモノとは、Tシャツ。
「白虎隊」や「誠」と書かれたTシャツと一緒にソレはそこにあった。
黒い生地の真中、丁度胸のには真っ赤な、
そしてイヤらしいほどに分厚い唇が描かれ、
その唇の間からは下品な舌がベロリと垂れ下がっている。
「ス、ストーンズ!?」
そう、そのTシャツの胸に描かれていたのは、
ロック界の大御所、ローリングストーンズのあのマークだった。
「ナゼここにストーンズが!?」
会津にストーンズが来たという歴史は無い。
しかし、ストーンズTシャツは会津の、
客もまばらな観光地の土産物屋に売っていたのだ。
ストーンズと言えば、
「KEEP ON ROCK」だが、
ソレが、「ならぬものはならぬものです」という、
もしかすると相反するのではないかとさえ思える思想教育が
脈々と受け継がれる会津に売っていたのだ。
しかもストーンズ、1900円(税込み)。
「安ッ!!ストーンズ、安ッ!!」
オレは、その胡散臭いストーンズTシャツに脱力し、そして、
「店のおばちゃんは果たしてストーンズを知っているのだろうか」
そんな事を考え、再び脱力した。
そういえば、中学の修学旅行の時だ。
オレが通った学校は、修学旅行で東京や横浜に行ったのだけれど、
その中で、浅草の浅草寺にも寄った。
浅草寺といえば仲見世で、オレら生徒は、
わらわらと仲見世をお土産を物色しながら練り歩いたモノだが、
その中に、ヘンなTシャツを見つけたことがある。
BOΦWY。
当時大人気だった、
バンドブームの火付け役と言ってもいい、ボウイのTシャツ。
氷室恭介や布袋寅泰、ボウイのメンバーのシルエットの上に、
黒に白抜きで、「GIGS」と、
ボウイのアルバムのタイトルが書かれている。
当時の事を知ってる人ならば一度は見たことがあるであろう、
あの、有名なデザインがプリントされたTシャツだ。
「ナゼ浅草にボウイが!?」
その時もオレは、かなり脱力した。
しかもその店には、黒字に白で、
「BOΦWY」と書かれた暖簾も売っていて、
『ボウイ×暖簾』という、
天地がひっくり返っても実現するはずもないであろう
無茶苦茶なコラボレーションに、
「ボウイは暖簾を作らねーよ!!」と、
全身全霊を持って突っ込んだ覚えがある。
「こんなの、浅草に来てまで買うヤツはいるのか?」
オレがそう思っていたら、帰りのバスの中で、
ボウイの大ファンだった同級生のサトコが「これ、買っちゃった〜」と
ボウイのTシャツと暖簾を自慢していて、
「ここに買ってるヤツがいた」とオレは、再び脱力したのだが。
会津の客もいない土産物屋の中、
ストーンズのTシャツの前でそんな事を思い出していると、
店のおばちゃんが、「Tシャツかい?」と話し掛けてきた。
よっぽど暇なのだろうか。
それとも、よっぽどオレに何かを売りつけたいのだろうか。
オレは、おばちゃんに「これってストーンズだよね」と訊いた。
するとおばちゃんは、「あ、そうかもねー」と笑顔で応えた。
多分おばちゃんにしてみりゃ、イチかバチかの返事だったのだろう。
オレは、
「そうかもねってなんだよ。やっぱストーンズ知らねぇじゃん」
そう思いながら、「じゃ、これください」と、
1900円(税込み)の激安ストーンズTシャツを、
父親への土産として、買った。
家に帰り、もちろんストーンズのことなど知らない63歳の父親に
激安ストーンズTシャツを渡すと、父親は、
「これ、オレにはちょっと、派手すぎるんじゃないか〜?」と
言いながら笑っていたのだが、
実際に袖を通してみると父親、ソッコーでこう言った。
「あ、オレ結構似合うな!!」
父親、ライカローリンストーン。
コメント
でも、観光という名のお墓参り、気がつくと私もしちゃってるのでわかります!!!!
お墓がない観光名所なんて鶴ケ城くらいしか行かないですもん。。。
お土産屋さん、、会津は多いですよねー。私はいつも無難な赤べこクッキーを買って帰ります。
観光という名のお墓参り、ついついしちゃいますよね(笑
お墓参りなんだけど、ナゼか自分も落ち着いたり。
そそ、土産屋、会津は多いですよね。
飯森山の下のとことか、いっぱいありますもんねー。
でも、売ってるモノはあんまりかわらないという(笑
最近では、伊藤美咲とか 古くは,秋吉 久美子とか。。
職場でも、福島出身で、すごくかわいい女の子
がいます・・
福島って、美人が多いのでしょうかね。。
私も、生まれは福島なんですが・・例外も。。(泣)
これでも。。小学校のころはもてたんです。
はるか・・・遠い昔ですが・・
加藤茶さん、福島なんですよー。
ウチの叔父さんが小学校の時に同級生で、
仲良しだったらしいです。
福島、ステキなコが沢山いますよね。
や、小学校の時にモテたのなら、それは相当に美人ですよー。