今でこそ持病の為に何度もの手術を経験しているオレなのだけれど、
まだ手術の経験が無かった頃はただ漠然と、
「手術」というモノにちょっと、憧れていた。
理由はわからん。
ただ、当時のオレにはなんとなく、
ドラマの中の手術シーンなんかで手術を“施している”医者よりも、
手術を“施されている”患者のほうがカッコヨク見えて、
あの、酸素マスクやら点滴やら血圧計やら、ああいう管や
計器類を身体中につけて、いかにも生死の境を彷徨ってるというような患者の方がカッコヨク見えて、オレは、手術に憧れていた。
「手術されてみたい」
不謹慎だったかもしれないが、昔のオレにはそんな願望があった。
そして、その願望は、思いもよらぬカタチで現実のモノとなった。
ぢ。
痔。
オレは、痔の手術をしている。
原因は、痔ろう。
「いやいやいやいや、オレが手術されたいのはケツじゃなくて!!」
そう思ったところで、医者の
「こりゃぁ手術しなきゃダメだなぁ」という一言には勝てず。
オレは過去に痔ろうの手術をしている。
痔ろうというのは細かく言えば痔とは違うらしく、
肛門近くに膿が溜まったりする病気なのだけれど、
ソレが、ものすごい激痛なのだ。
一番最初にソレに気づいた時は、
まさか、あんなことになるとは思っていなかった。
最初にソレに気付いた時、ソレはまだ、ちょっとした膨らみだった。
その膨らみを指で押してやると、ちょっと痛い。
オレは、その肛門の横あたりに出来た膨らみを
「なんだコレ?」と思いつつ、しばらく放置していた。
しばらく放置していると、
座った時に肛門の近くに時々痛みが走るようになる。
触ってみると肛門横の膨らみは少し大きくなっていて、
オレは、少し不安になったのだけれども、
「そのうち治るだろう」と、また放置していた。
放置していたのだが、ソレが、後から酷い思いをする原因になる。
またしばらくすると、肛門横の膨らみは明らかに、
どう見てもどう触っても明らかに、膨らんでいた。
しかも、ソレを触るととても痛く、オレは、
「放置しておくんじゃなかった」と後悔したのだけれど、
その痛みの発生源は肛門の横である。
「こんな恥ずかしいこと、人には言えない!!」
若かりしオレにはそういう思いが先に立って、
オレは、肛門横の膨らみのことを誰にも言えず、
その痛みをひたすら我慢する日々を送った。
「どうしよう、ヒサヤ大黒堂の不思議膏を買おうか」
そんなことを考えながら、痛みに耐える日々を送った。
痛みに耐える日々を送ったのだが、やがてソレは、
とんでもないことになった。
ある朝目覚めた瞬間、オレは、肛門横の激痛に身体をよじらせる。
痛みの原因をすぐさま理解したオレが肛門横に手を当ててみると、
そこには、ピンポン球よりは大きく、
テニスボールには少し足りないほどに膨らんだ、
もはやただの「膨らみ」とは言えない、「コブ」が出来上がっていた。
気が狂わんばかりだった。
あまりの痛さに、本気で死ぬかと思った。
『オレ、肛門が痛くて悶絶死!!』
そんな記事が新聞に載るワケないのだが、
ナゼか、オレの頭にはそんな言葉が踊る新聞のイメージが
瞬間的に浮かんだ。
もはや歩く事さえかなわず、オレは、
その時初めて両親に「ジツは肛門が・・・」と
オレの肛門事情を打ち明けたのだが、
すると両親はビックリして、
肛門横のコブを見てさらにビックリして、
オレを、病院に運んでくれた。
「こんなに酷いの初めて見たなー。
こりゃぁ、手術しなきゃダメだなぁ」
医者のその言葉でオレは、手術となった。
小さい頃から憧れていた手術が思いも寄らぬカタチで現実となった。
場所が肛門だった為、自分が思い描いていた「手術像」とは
まるっきり様相が異なっていたのだが。
なんせ、手術台が分娩台みたいな、あんな感じなのだ。
身体をベッドに横たえて、両足を台に乗せられてパッカーンと大開脚。
もちろんズボンなど履けないから、
チンコの上にはガーゼが乗せられる。
そのガーゼがまた、屈辱的に小さなピラッピラのガーゼで、
見栄っ張りのオレは、看護婦さんに、
「あの、もうちょっとガーゼをでかくしてくんねっすか?」
などと、そんなことを言ってしまった。
かくして肛門の手術が始まったのだが、
ソレは、オレにとってジツに辛いものであった。
なにしろ場所は肛門である。
執刀をしてくれている先生と数人の看護婦さん、
みんなの視線がオレの肛門に集中しているのだ。
特に看護婦さん。
マスクをしてるのでハッキリとは言えないけれど、
見た感じでおそらく若いと思われるであろう、
お年頃であろう看護婦さんの視線が、オレの肛門に集中しているのだ。
熱視線である。
安全地帯の玉置さんばりに熱視線である。
看護婦さんの熱視線がオレの肛門を貫いているのだ。
まぁ、看護婦さんも見たくて見てるワケじゃないけど。
「そ、そんなに見ないでくださいぃぃっ!!ヒィィ!!」
心の中でそう思った。
アダルトビデオの演出並にそう思った。
と、同時に
「見たんだから見せろよー!!1回は1回だからなー!!」
などとそんな事も思ったのだけれど、まさかそんな事も言えず。
オレは、手術台の上でお股をパッカーン開きながら、
手術などはもう、こりごりだと感じた。
コメント
実はわたしも(略)
だけどそんなにおっきなコブになってしまって、下着やズボンは穿けたんですか?
女の人の下着ならおしりに食い込まないし、スカートを穿けば済みますけど
男性の下着はおしりにピッタリフィットしてるし、ズボンを穿こうものなら拷問ではないですか。
病院に行く時どうされたのですか??ノーパンにジャージとか?
何だか妙にそこが気になって仕方ありません。
痔・・・・
実は・・彼も昔、痔の手術をしたそうで・・
この世のものとは思えない激痛を経験したと申しておりました。
しかも・・術後は全裸で放置プレイされたそうです。
この話は何度も聞かされてます・・(汗)
僕はイボ痔・脱肛で今でも時々苦しんでますが、一病息災というか、こいつのおかげで無茶せずに少しは健康らしく生活できるようになりました。
そう考えると、最初は嫌でしたが今では愛すべき病と感謝もしてたりします(苦笑)。
ゴルフボール大ってよっぽど我慢なさったんですね^^;
基本的に塊を一部切って膿を出したら治るものなのかな?
お大事になさって下さいね〜!
おおお、ユマ様も!!
キッツイですよねー、アレは。
下着もズボンも履けましたよー。
ただ、ズボンはピッチピチは恐くて履けませんでした。
パンツもトランクスで。
病院に行く時は、バギーパンツみたいの履いて、
車の後部座席にうつ伏せに寝ていきました(笑
●みみ様。
はじめまして!!
コメントくださってありがとうございます!!
おお、彼氏様も痔の手術を経験されたのですかー。
そうなんですよ、もう、めちゃくちゃ激痛なんです。
オレは放置はされませんでしたけど、
パンツが履けなくてお股スースーでした。
痔ってかなりツライんですよー。
ってか、一番ツライのは、その話を何度も聞かされちゃう
みみ様ですよね・・・(笑
●あんにばる様。
あははははは!!
そそ、ジローらも!!
ちょい悪です。ケツが。
イボ痔と脱肛ですかー。
オレ、脱肛は経験あるんですけど、「出たのを中に入れろ」なんて
そんなこと言われて、そんなの出来ねぇよって思いました。
イボ痔もかなり痛いらしいですよね〜。
トイレの時なんか、かなりヤバそうですよね・・・
でも、ソレのおかげで健康的になれるなんて、
なんか素晴らしいですよねー。
●りぃ様。
そういや、痔って女性のほうがなりやすいって言いますよね。
痔はならないほうがいいですよー。
アレ、めっちゃくちゃキツイです。
そそ、膨らみがまだ小さい時は切って膿を出すだけでも
いいらしいのですが、オレ、あまりに酷いらしく、
そのまわりの肉部分もとってしまいました。
冷静に考えると恐いんですけど、
それがケツだけに、なんだかマヌケな感じもします(笑