病院のあまりの混雑に、
待合室の椅子に座れない患者が壁にもたれて立っている。
そんな中、
「ダンナの付き添い」というオバサンたちが待合室の椅子に腰かけて、
「ウチのダンナなんて」「ウチのなんて」と
元気にダンナの病気自慢に盛り上がっている。
何かがオカシイ。
思えば、大きな病院の外来に訪れた人間をよく見てみると
「患者」という人間はそこにいる人間全体の半分くらいしか
いないように思える。
あとは全部、その「患者」の「付き添い」。
オジサン、オバサンが多い。
その「付き添い」が待合室の椅子を占拠してるが為に、病院なのに
「具合が悪くて病院を訪れてる患者が待合室の椅子に座れない」
という、そんな状態が生まれてるのだから、
何かが狂ってるとしか思えない。
立っている側には、おばあちゃんもいた。
腰はまだ曲がっていないけど足が悪いらしく、杖を持っている。
そんなばあちゃんが、壁にもたれて立っている。
その隣でオレは、おばあちゃんが立ってるのに
元気なオバサンたちが椅子に座ってるという状況を
苦々しく思いながら立っていた。
オレはまだ若いから、病気だっていくらでも立ってられる。
でも、おばあちゃんには無理だろう。
そんな状況を目の前にして、元気な「付き添い」の人が
堂々と笑い声をあげておしゃべりしてるのだから、オレは、
世の中、何かがオカシイのではないかと、そう思ってしまうのだ。
もちろん、「付き添い」というのは大事な存在である。
オレのようなそこそこ元気な患者にとっては必要ないが、
ある種の患者にとっては、大事な存在である。
だから、「付き添い」の人が患者に付き添って
病院に来る事を悪いとは言わない。
むしろ、「御苦労様」と言いたいくらいで、
待合室の椅子に座るのも全然構わない。
ただソレは、病院が混雑してない状況のみで、であって、
病院が混雑してる状況で患者が、杖をつく老人が立ち、
元気な「付き添い人」が座ってるという状況、
そしてソレを、
看護士も、その横を通った医学生も、
そして、待合室にいた全ての人間までもが、
「我関せず」と見逃している状況を、
オレは、どうしても納得することができない。
もし、医学生がそんな状況を見て何も感じなかったというのならば、
その医学生は、医学の道を志すのは辞めるべきだと、オレは思う。
「ウチのダンナなんて」
待合室の椅子に座ってる元気な「付き添い」のオバサンたちの
不幸トークはいよいよ最高潮に盛り上がり、
オレのムカツキもいよいよ最高潮に達しようとしていた。
するとその時、
待合室の長椅子の端っこに座っていた20歳くらいの女の子が、
(髪の毛は金髪に近く、鼻にピアスをし、
冬なのにえらい薄着で左腕に点滴をしている)
おばあちゃんに近づくと、
「ここに座っていいよ」
そう言って、杖をついたおばあちゃんに席を譲って、
自らは点滴をしながら壁にもたれかかった。
ソレを見てオレは完璧に頭にくる。
オカシイだろうと。
どうして点滴をしてる子が立たねばいけないのかと。
オレはもう、イライラッときて
「付き添い」オバサンたちに
「(なるべく丁寧な感じで)おぅおぅおぅ!!」と
言ってやったのだけれど、
オバサンたちは
「自分たちの何が悪いの?」
そんな顔をしてオレを見返しただけであった。
世の中、何かがオカシイ。
オレは少しだけ、世の中がイヤになった。
ただ、1つだけ救いがあるな、と思ったのは
20歳くらいのどう見てもバカっぽい、
いかにも悪そうな女の子が、自分は点滴をしているというのに
自らすすんでおばあちゃんに席を譲ったこと。
「人間、見た目じゃないな」とつくづく思う。
そして、ソレと同時に思ったのは、
よく「今時の若者が〜」なんて言葉を吐く大人を見るけれど、
実際は、今時もクソもないってこと。
いつの時代にあったって、
どの世代にあったって、
いいヤツはイイし、ダメなヤツはダメなもんなのだ。きっと。
コメント
だけど、病人を立たせて元気な付き添いの人間が座っておしゃべりなんて、まるで子供の授業参観に来て平気で後ろでぺちゃくちゃしゃべってる母親たちみたいですね〜
病人の介護もストレスたまるのはわかるけど、やっぱり回りへの気配りは忘れたくないです。
ところで、ゲルさん、また調子悪いの?それとも定期健診とか、恋のライバル出現に体調が?(^^;)
人間、見た目よりハートとフィーリング!がんばってください。
科が科なもので、患者よりむしろ付添い人の方が多いのですが、
そういう人たちが居るために、病院から車椅子を借りてる人が
居るほどです。
しかもそういう人たちに限って話し声がうるさいんですよね…
受付窓口とかに訴えると、少し改善されるかも知れないですよ。
しかし、その女の子も自分が具合悪いでしょうに…いい子ですねぇ。
きっと親御さんの躾が良かったんでしょうね。
病院通いは身体的にも精神的にも負担が大きいものですから、
ゲルタさんも頑張り過ぎないようにしてくださいね!
病院の職員の方も、もうちょっと気付いてあげてもいいのに…。
確かに医学は忙しく気を遣う職業かもしれません。
でも、もっと人間らしさとかあってもいいのでは?と思います。
病院の待合室のみならず、バスでも電車でも、
同じような風景ってみかけますよね…。
「今時の若者は〜」という中年のほうこそ、
礼儀や常識を知らないのでは?と、
時々そう思える振る舞いをしてる方っていますよね^^;
日本は何かがおかしいですよ、ホント。
ゲルタさんも、お体お大事に!!
リンドウ様のおっしゃるとおり、
通院は体力的にも精神的にも負担が大きいので、
あまり頑張り過ぎないようにしてください^^
これはモラルの問題でしょうね。
今は注意されるだけで、逆切れされる時代。
酷いのにいたっては、殺人事件まで起きるほど。
病院でも、特に大きな総合病院とか大学病院ってそれだけ人が多いから、色々ありますよね(-_-;)
若いコでも礼儀正しいコも居れば、年上に平気でタメ口聞くコもいるし。年配の人でも、図々しいのはいっぱい居ますよ。
たまに思うのが、病院をコミュニケーションの場としてるご年配の方が多いってことですね。
ゲルタさんの記事に書いてるその二十歳のコを見てると、世の中捨てたもんじゃないって思うよ・・・ホント。
遅ればせながら明けましておめでとうございます^−^
あたしも一月に一度通院しているのですが、田舎なゆえか医師の数が圧倒的に足りずすごい混雑ぶりです
しかも精神病院ゆえ、自分も含めあの待ち時間にキレて一触即発のような患者もちらほら・・・
ゲルさんの日記を読んで、改めて譲り合いや思いやりの心が大切だと感じました
とくに最後の3行は同感です。
そうですよねー、気配りは忘れたくないですよねー。
単に付き添いと言っても大変な事だと思いますし、
ソレは病人でも同じことで、体調が悪い方やご高齢の方には
すすんで席を譲りたいですよね。
ありがとうございます!!体調、あんまり良くないです・・・
てか、仕事が忙しくてダウン気味なんですー。
●リンドウ様。
そそ、そうなんですよねー。
そういう人にかぎって話し声がうるさいんですよね。
ああいう場所では、話すとしても小さな声で話すのが
マナーですよね。
お言葉ありがとうございます!!
頑張りすぎないようにきをつけます!!
●みーこ様。
あああ、バスや電車でもやっぱ、
ああいうことがおきがちですよね。
ホントなら座るべき人が座れずに立ってて、
ホントなら席を譲るべき人がのうのうと座ってるという。
オカシイですよね。
ありがとうございます!!
ホント、病院通いは疲れるんですよねー。
無理しないようにします。ありがとうございます!!
●Urara Akikaze様。
明けましておめでとうございます!!
今年もよろしくお願いします!!
そそ、病院をコミュニケーションの場にしてる方って、
いますよねー。
どう見ても元気だったりして。
公民館にでも行け!!って思っちゃいます。
●りぃ様。
明けましておめでとうございます!!
おおお、PCが壊れてしまったのですか!!
しかし、ご自分で直されたって、スゴイ!!
混雑する病院は疲れちゃいますよね。
1時間2時間、平気で待たされちゃったりして、
病院に行ったが為に、逆に具合が悪くなったりするから
困ったもんなのですよねー。