昨日の夜。
先日、途中でオレがブッ倒れてしまったせいで中途半端になっていた、
オレの退院祝いを改めて行った時のことだ。

一次会はそこらの飲み屋で飲み、
二次会ではオレらが集まるといつも行く、
オネイサンがいるいつもの店に行く。

そこでのこと。
 
 
 
 
 
前にも言ったかもしれないが、
オレは、そういうオネイサンがいる店のオネイサンが、苦手だ。
ベツにキライなワケじゃなく、むしろ好きなのだけれど、
ただ、オレには、オネイサンに対してどうにも苦手感がある。

そういう店にいるオネイサンは
プロとして客とトーキングしてるワケで、
きっと、オレがどれだけくだらない話をしても
プロとしてのスマイルを投げ返してくれるだろう。
きっと、オレがガンダムの話をしてもスマイルだし、
唐突に「チンコッ!!」と叫んでもスマイルを返してくれるだろう。

そんなことを考えると、オレは思ってしまうのだ。
 
 
 
「オネイサン、心から笑ってないよね?」
 
 
 
そう思うと、オネイサンを心から笑わせてみたい、
ホントのスマイルが見たいと思うのだけれど、
オレに、トーキングのプロを笑わせるだけの
イカシタ話術はきっとない。
そうなると、オレは自然、無口になってしまう。

試合放棄、である。
敵前逃亡。
 
 
 
 
 
そうなるとオレ、オネイサン方と盛り上がっている友人らを尻目に
1人、友人らのタバコの箱を集めて積み重ね、
無駄にストーンヘンジ的なモノを組み立てたりして
一人遊びしてることになるのだけれど、
昨日は、そんなサミシイ熱帯魚なオレを見かねてか、
友人たちがオレに声をかけてきた。
 
 
 
 
 
「ゲルタ、なんか歌えよー」
 
 
 
 
 
その声はとってもありがたいモノだった。
なんせこっちはストーンヘンジ組み立て中。
要するに時間と暇を持て余し気味。
オネイサンと喋れないオレにとっては、歌ってる方がまだマシだ。

「何を歌う?」と投げかけたところ、
リクエストで故hideさんの『ピンクスパイダー』に。

楽勝だ。
「♪キッミッは嘘の〜ぅ」
楽勝だ。

で、オレ、熱唱。
オレ、熱唱したのだが。
 
 
 
 
 
気付いた。
オレは歌いながら、気付いた。
 
 
 
 
 
「アレ?誰も聴いてないのか・・・な?」
 
 
 
 
 
みんな、オネイサンとトーキング。
何を話してるか知らないが、楽しそうにトーキング。
手拍子のひとつも無い。

「歌ってるのに誰も聴いてない。
 聴いてないどころかみんな、オレを捨て置きトーキングに夢中」

こんなにサミシイことはない。
サミシイ熱帯魚なオレは、ますますサミシイ熱帯魚。
サミシイどころか「自ら命を絶つ5秒前」といった孤独感。majiで。

しかもアレだ。
カラオケで順番で歌うならば、
次の曲を決めるのに本と格闘してて曲を聴けないのも理解できるが、
みんな、オレに「歌え」と言っておきながら聴いてないのだ。
歌い終わって拍手のひとつも無いのだ。

アレか!?
オレはアレか!?
BGM扱いか!?
オレはボウリング場のジュークボックス扱いなのかよぅ!!
 
 
 
 
 
でも、まぁまぁまぁ、と。
もしかすると、
ただなんとな〜く聴いてるかもしれないじゃないか、と。
 
 
 
 
 
そこでオレは、
みんながなんとなくでも聴いてるかどうか確める為に、
誰のリクエストもないが次の曲を入れた。

『ホンキー・トンキー・クレイジー』

氷室恭介と布袋寅泰のかけあいが楽しささえ感じさせた、
ボウイの代表曲のひとつ。

なんせオレら、ビーバップ世代のボウイ世代だから、
オレが「♪I FORGOT ANOTHER MY LOVE!!」
そう言ったらみんな、「HEY BOY!! HEY BOY!!」
そうくるハズだ。
「ONRY JUST YOU BABY!!フゥ〜!!」ときたら
「YEAH!!YEAH!!」
そうコーラスを入れるハズだ。
 
オレが氷室でオマエらが布袋。
となると、他の関係ない客は皆、
ライヴハウス武道館のオーディエンスってことになる。

理屈じゃない。
ボウイ世代は、この曲を聴けば身体が勝手に反応するものだ。

で、歌ってみた。
 
 
 
 
 
「♪STAY!月の明かり さけりゃいいぜ
  アスピリンを 軽く噛めば
  いつもよりも ワイセツだね
  その唇 濡らすBOOGIEWOOGIE
  カーラジオから
  リクライニング 狭いけど 二人だけ」
 
出だし順調。
みんなはまだ、トーキング中。
 
 
 
 
 
「♪STAY!曇るガラス オレの名前
  指で書いて すぐに消した
  こんな気持ち はじめてだぜ
  もうちょっとこのままで窓の曇りとれるまで」

みんなはまだ、トーキング。
 
 
 
 
 
「♪GENTRY 今はまだ 抱きしめるのがやっと
  GENTRY オマエだけは オレが守ってやるぜ」
 
次はサビ。
みんなはまだまだ、トーキング。
 
 
 
 
 
「♪HONKY TONKY CRAZY I LOVE YOU
  HONKY TONKY CRAZY I LOVE YOU」
  
 
 
 
 
おい、みんな!!
いよいよだぞ!!
構えろっ!!
構えておけっ!!
 
 
 
 
 
「とりあえず ONCE MORE KISS ME!!」
 
 
 
 
 
よし、来たぞっ!!
さぁ、みんなコイ!!
みんな、オレに乗ってコイ!! 
「♪I FORGOT ANOTHER MY LOVE!!」つったら
「HEY BOY!!HEY BOY!!」だ!!
「ONRY JUST YOU BABY!!フゥ〜!!」つったら
「YEAH!!YEAH!!」だ!!
いや、そんなこと言わなくとも、
オマエらの身体には染み付いてるはずだ!!
オレが氷室でオマエらが布袋!!
身体が勝手に反応するハズだ!!
オネイサンとの会話などほっぽって、さぁ、オレにノッてコーイ!!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「♪I FORGOT ANOTHER MY LOVE!!」
  
「ねぇねぇ、今度デートしてー」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「ONRY JUST YOU BABY!!フゥ〜!!」
 
「何時に終んの〜?」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
みんな、オネイサンとのトーキングに夢中。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
へ、返事がない・・・。
ただのしかばねのようだ・・・。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
って、ゥオイッ!!
オマエら、ゥオイッ!!

しかばねはいいよ!?
だって、全然喋んないもの!!
ただ死んでるだけだもの!!
邪魔しないもの!!

ソレなのにオマエらときたら、
レスポンスが無いどころか
デートしてだとか何時に終わんのとか
おっぱい触らせてとかヘンなとこにヘンなの入れさせてとか!!

絶妙のタイミングでマヌケなことばっか喋りやがって!!

っつーか、聴いてねぇし!!
オレの歌、誰も聴いてねぇしー!!

サミシイぞ!!
オレ、泣くぞ?いいのか?
 
  
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
・・・・・・
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
っちうか、言っとくけど、
オレは、オマエらがちゃんとオレの歌を聴くまで止めないぜ?
オレは、オマエらがオレにノッてくるまで歌うのを止めないぜ?
 
 
 
 
 
はい、「♪I FORGOT ANOTHER MY LOVE!!」
はい、「♪I FORGOT ANOTHER MY LOVE!!」

ほら!!
オネイサンといつまでも喋ってないで!!
オレにノッてきて!!

はい、「♪I FORGOT ANOTHER MY LOVE!!」
はい、「♪I FORGOT ANOTHER MY LOVE!!」
 
 
 
 
 
曲が終ってもマイクを離さないオレ。
 
 
 
 
 
「ゲルタ、どうしたの?」
 
 
 
 
 
どうしたのじゃねーよ!!
オレは、オマエらがノッてくるまで歌うのを止めねぇんだよ!!
 
はい、「♪I FORGOT ANOTHER MY LOVE!!」
はい、「♪I FORGOT ANOTHER MY LOVE!!」

オラ、オマエら歌えっつってんだよ!!
「HEY BOY!!HEY BOY!!」言えっつってんだよ!!
 
 
 
 
 
「どうして?」
 
 
 
 
 
「どうして?」じゃねーよ!!
決まってんだろ!!
オレがサミシイからだよ!!
オマエらが「歌え」っつったのに言ったオマエらが誰も聴いてなくて、
オレはサミシかったからだよ!!

オラ、言えよ!!

はい、「♪I FORGOT ANOTHER MY LOVE!!」
はい、「♪I FORGOT ANOTHER MY LOVE!!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
その時すでに、時刻は午前2時を回っていたという。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
オレは再び、
タバコの箱を積み上げてストーンヘンジ的なモノを作り始めた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

コメント

kaj
kaj
2007年9月16日22:04

「私は大勢の中に居る時が一番孤独だった」かなぁ?

...それでも「ゲルタ改」さんは、ヒトが好きなんだと思う。
それが、判るから皆(勿論、私も含めて)ファンで在り続けたいと感じちゃうんだろうなぁ(^_^;)

う〜ん、
でもねぇソリテアは...多分だけども自傷行為の一種でしかないから、此処からも貴方が居なくなってしまうんじゃないかと不安にもなってしまう。

だから「大丈夫か」とは絶対に私は問う事をしたくないし、答えても欲しくは無い...かな♪

リンドウ
リンドウ
2007年9月17日10:06

くれいじーあいらぶゆーーー!!

ああ、私もゲルタさまと同じ世代でホッとしました。

ゲルタ
ゲルタ改
2007年9月17日10:07

●kaj様。

ああ〜、「大勢の中に居る時が一番孤独」、
なんだか解る気がします。
なんか漠然とですが、ふと、
そんな気持ちになることがオレもあります。

やややや、そんなファンだなんて!!
もう、オレなんてショボクレたヤツなんで!!
でも、そう仰ってくださってありがとうございます!!

ゲルタ
ゲルタ改
2007年9月17日10:09

●リンドウ様。

おおお、リンドウ様もホンキートンキー世代!!
もう、勝手に身体が反応してしまうという。
HEYBOY!!HEYBOY!!って(笑

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