今、ブームなのか何なのか知りませんが、
雑学を取り上げたTV番組が多く放送されていますね。
どこのTV局でもちょっとした雑学やどーでもいい雑学、
そんなのをクイズ番組にして放送してて、オレも、
「へぇ〜、そうなんだー」なんつって
そういう番組を見てたりするワケですが、これが、なかなか面白い。
人間ってのは多分、
無意識のうちにも「知りたい」と欲求する動物でありますから、
そういう雑学を知ればそこに喜びや優越感を抱くワケで、
そういう点でこの手の雑学番組ってのは、
ウマイことやってんなー、と思うのであります。
「明日、友達にこの雑学を自慢しよう」とか、
「あのコに頭がいいと見せるチャンス」とか、
視聴者の中にはきっと、
番組で知った雑学を使いたいと思う人もいるでしょうし。
まぁ、そういう場合はたいてい、
相手側もその番組を観ててその雑学を知ってたりすんですけど。
しかし、そういうことはあるにせよ、
この手の雑学番組ってのはなかなか面白いのであります。
だが、しかし!!
その雑学、はたしてホントなの?
TVで放送してる内容は、はたして真実ばかりなの?
ご存知の方も多いかと思われますが、
今、TBSと福島県の会津若松市がモメています。
理由は先日、TBSで放送された歴史の雑学クイズ番組で、
「戊辰戦争において、
旧幕府軍(会津藩)が城をあけ渡した理由とは?」
そういう問題に対して、
「城に糞尿が溜まり、不衛生になったから」
そんなんを、正解の解答としたから。
戊辰戦争の際、会津藩や新撰組を含む旧幕府軍は
会津若松城に長いこと篭城して最後には降伏するワケですが、
その番組では、その降伏理由を、
「城の中が糞尿でいっぱいになったから」
そう言ったワケです。
そして会津は「逃げ出した」と。
これに対し、会津若松市民は怒った。
そして、ソレを放送したTBSとモメてるというワケなんですが。
では、はたして、
戊辰戦争の際、城をあけわたした理由は
ホントに「城の中が糞尿でいっぱいになったから」だったのか。
答えは、否。
もちろん、城に長いこと篭城するワケですから
厠(トイレ)はいっぱいになったこともあるでしょう。
でも、だからといって、ソレが降伏の原因とされちゃぁ、
こりゃぁ、大きな間違いってもんです。
会津が城をあけ渡した理由は、
っつってもまぁ、オレも専門家ではないし、
様々な歴史本を読んで知ってる限りなんですが、
城をあけ渡した理由は奥州列藩が次々と降伏してしまい、
他藩に援軍も求められず、
砲弾もなくなり、
兵も大半が負傷して、
ソレ以上、戦いを続けることは不可能になったからなのです。
言わば、会津は最後まで戦った。
兵隊がいなくなれば女性や子供たちまで戦いに参加して、
そして、みんな死んでいったのです。
いや、会津の人間だけでなく、
官軍であった薩摩や長州の人たちも、
自分達の信念に基づいて真剣に命のやりとりをしていたワケです。
ソレを、「糞尿のせいで降伏」なんつって、
そして、TVの収録スタジオで大笑いされちゃ、
死んでいった人たちに対してあまりにも失礼ではないでしょうか。
確かに当時、城の中で「糞尿」の問題は大きなことだったと思います。
でも、「糞尿で降伏したことが全て」のように放送されてしまっては、
ましてや、「逃げ出した」なんて言われてしまっては
視聴者の多くの人に謝った認識を持たせてしまうでしょうし、
そして何より、当時の息吹を脈々と伝えている会津に対して、
会津の土地と人々に対して、あまりにも失礼ではないでしょうか。
会津といえば、白虎隊が有名です。
会津若松城が燃えていると勘違いして集団で自刃した白虎隊。
みんな、16、17歳の若者でした。
何回かドラマになっているからご存知の方も多いはず。
でも、白虎隊のカゲに隠れてあんまり有名ではないのですが、
戊辰戦争当時、会津には娘子隊という女性だけの部隊があり、
隣の二本松藩には、二本松少年隊という部隊がありました。
娘子隊は会津の女性の部隊で、
女性自ら薙刀を携えて戦場に赴き、多くが死にました。
二本松少年隊は、
白虎隊よりもさらに年齢が若くて、みんな12、13歳くらい。
その子供達が、官軍を北上させまいとして突撃、
全員討ち死にしました。
戊辰戦争における会津戦争ってのはそういった戦いだったのです。
かの地は、そういった土地なのです。
ソレを、
「糞尿」で片付けられてはあまりにも失礼なのではないでしょうか。
新聞で読んだ話なのですが、
詩人の草野心平は、会津の民謡「会津磐梯山」を歌われると
「どうして会津磐梯山が宝の山なのか」と泣きながら怒ったそうです。
また、酒宴の席で白虎隊の踊りで心平を歓迎しようとしたところ、
心平は怒って言ったそうです。
「白虎隊の15、16歳の少年たちは腹を切って死んだ。
(そういう踊りを)酒席で見るものではないし、見せるものではない。
本当に見るのなら酒を飲むのをやめて正座して見るものだ」
現代社会においてTVは大きな役割を果たしていますから、
そこから発信される情報が世の中に浸透するのはあっという間ですし、
雑学が今、ブームでもあります。
だとすれば今、TVがすべきことは何なのでしょうか。
してはいけないことは何なのでしょうか。
娯楽番組は必要です。
雑学を娯楽番組にするのもいいことだと思います。
でも、だからといって、歴史を捻じ曲げて正解とし、
そして、ソレを笑う行為は許されるものなのでしょうか。
歴史に落とされた影といのはいつまで経っても深く根付きます。
TV局は、面白さ、笑いを追求するあまり、
その時代に命をかけた人々や残された人々の心情を受け止める事を
忘れてはいないのでしょうか。
コメント
TBSに良識を求めるなんて、犬に連立方程式解かせるより難しい事なんですから・・・
つーか、日本のマスコミって
自国の歴史を侮辱する事で、金を得ているみたいなトコが在りますからな
あの糞どもは一辺芯だ方が日本のためかもな
気が付いているのでしょう貴兄も♪
ならば、それで善いじゃないですか。
だって、
知る能わざるモノは、知るべきじゃない!
受け止める事の出来ない事を気合いだけでどうにかしようとしても結果的に一人だけでは数には勝てない...一騎当千は可能でも、それを越える事は出来ない。
いや、しちゃいけないんです。
それはヒトの思うヒトデナシと同じなんです。
貴兄は優しすぎる(^_^;)
茶化して笑いにして消費してしまう、
それって現代のトレンドなのかもしれませんね
お笑いの世界でも正確な秒は忘れましたが
15秒とか30秒に一度笑わせないと
使ってもらえない時代で
つまりリズムや出オチてきなネタで
芸人がひたすら使い捨てされてると
ラジオで憤ってる大物がいました
熟成させる暇もなく
ひたすら消費されてしまうので
育つ暇を与えられない現代の芸人の将来を危ぶんでいました
歴史を心で受け止めて感動させるのって
時間も体力も要りますが
世間はそれを求めてなくてそういうのにはしらけてしまう
それって私たちのせいでもあるのかもしれません
あああー、なんか、解る気がします。
芸人さん、どんどん使い捨てされてる感はありますよね。
はたしてそこから、どれだけの人が生き残れるのかと思うと、
かなり厳しいのではと感じます。
確かに、刹那的な笑いやなんかがもてはやされる時代で、
TVにとって歴史などはその笑いを生み出すだけの
道具になりつつあるようにも思えます。
ほんと、そういう風潮ができたのは
私たちによるところが大きいのかもしれませんよね。