ROCK AND ROLL IS “NOT” DEAD.
2008年5月8日 日常 コメント (6)連休中に物置の片付けをしていたら、
誰かに貸したまんま無くしてしまったものと
ずーっと思いこんでたギターを見つけた。
高校を卒業したころに「やっぱ男はギターだべ」、
そう思って買うには買ったのものだ。
しかし結局、そのギターでオレが弾いたのは
ガンズの『Welcome To The Jungle』を、
「え?なに?『Welcome To The Jungle』ってバラードだっけ?」
そんくらいにゆっくりと、あと、
ボブ・ディランの名曲『Knockin’ On Heaven’s Door』、
これもスゲーゆっくり。
しかも歌いながら弾こうもんなら
「ナ・・・ナ・・・ナキノン・・・ヘブンズ・・・ドオオ・・・」
びよんびよんに伸びきったカセットテープみたいになってしまう。
あ、あと、アレ。
ギターを手にした者、全てが一度は弾くと言っても過言ではない、
ディープ・パープルの『Smoke On The Water』。
「♪デッデッデー、デッデッデデー」って、あの曲。
結局オレがそのギターで弾いたのは、これだけ。
要するにオレは、ギターを弾くのがヘタだった。
その事実に気付くとなんだかギター熱はあっという間に冷めて、
すぐにオレは、ギターをやめてしまった。
そもそもオレがナゼにギターを始めようと思ったかといえば、
友人ジェット君の存在によるところが大きい。
ジェット君は天才といっても過言でないほどに、
めちゃくちゃギターが巧かった。
オレとジェット君はもともと高校の同級生だったのだけれど、
はっきり言って、当時は全然仲良しではなかった。
オレらの仲間はいつでもギャーギャー暴れていたけれど、
ジェット君はワリと真面目で大人しかった。
そんな彼がナゼにオレらの仲間になったのかといえば、
ある日、オレらが当時組んでいたヘタクソなバンドの練習に、
ジェット君が「練習、見せて」と言ってついて来たのだ。
オレらはベツに彼とは仲間でもないから
「あ?メンドクセェぞコラ」とかそんなん言っていたワケだが、
スタジオで、「ギターをちょっと弾ける」と言うジェット君に
ギターを持たせてみたところ、
テロレロレロレロのギュインギュインに弾き始めて、
オレらは圧倒されてしまったのだ。
「オメー、スゲェな!!ギター教えろ!!」
それからオレらの仲間に、ジェット君が加わった。
ジェット君はギターだけではなかった。
ベース、ピアノ、ドラム、音の出るモノならなんでも弾きこなした。
高校を卒業した頃は週に1度、
日曜日にジェット君の家に遊びにいくのが楽しみで、
彼の家に行くと、部屋は楽器という楽器で埋め尽くされていた。
高校時代に彼がレストランのバイトで稼いだ金はすべて楽器になった。
スタンドに立てかけられた、
それぞれ5、6本はあるギターとベース。
ペダルが2つあって、バスをドドドドと叩きぬけるドラムセット。
キーボードもあればT.Kみたいなショルキーもあって、
さらには、なんて言うかわかんないけど
ソレらを録音して曲が録音できてしまうような機材もある。
部屋の隅にはアンプが積み重ねてあって、
部屋中が楽器で埋め尽くされていた。
そんな部屋に行っても居場所がないから、
オレとジェット君は、唯一楽器に占領されてない
彼のベッドの上に座って遊んだ。
まぁ、遊んだっつっても彼がギターやベースを
ギュインギュインだのブゥンブゥンと鳴らして、
ソレにあわせてオレが歌を歌って、
ソレを、録音して遊んでいたワケなんだけれど。
一度、オレが持っていったCDを彼に聴かせたことがある。
チャック・ベリーの『Johnny B. Goode』。
かなり昔のロックンロール。
ジェット君はその時、ソレを生まれて初めて聴いたのだけれど、
ソレを一度聴くと、
「ああ、こんな感じかな・・・」
そう言ってテロレロとイントロから最後まで完璧に弾いてしまった。
完璧に耳コピーした。
ソレを見てオレは、彼は天才だとより一層思った。
オレは当然、ジェット君はプロになるもんだと思っていた。
いや、オレだけじゃなくてまわりもみんな、
彼はプロとして活躍するもんだと思っていた。
自分のバンドでなければ、
誰かのバックバンドかなんかでギターを弾いてるところをいつか、
テレビで観れるもんだと思っていた。
もちろんジェット君本人も、
「オレは音楽の道に進むのだ」、そう言っていた。
でも、現実は違った。
「オレは長男だから、家を継がなくちゃいけないのだね・・・」
彼の家は、小さな工場を営んでいた。
大企業の下請けの下請けの下請け。
彼のお父さんとお母さんで、
大きな機械のどこに使われるかも解らないような、
そんな小さな部品を作っていた。
上の会社の無茶な注文を安い金で押し付けられて、
朝から晩まで油まみれになって働く。
その工場を、彼は継がなくてはいけない。
「いや、オレも迷ったんだけどね。
親父もお袋も音楽でもなんでも好きにやれって言ったんだけど」
でも、彼は音楽を諦めて、実家の工場を選んだ。
「ここまで好きにやれたのは親父とお袋のおかげですからね・・・」
いつものベッドの上に座って、彼は、抱えたギターを
いつものようにギュインギュインに唸らせてみせたのだけれど、
なんだかその日のギュインギュインは、オレには辛く思えた。
あれから15年以上も経っても未だにオレとジェット君は仲良しで、
彼の工場は日曜日も仕事なんてのはざらで忙しいから
たまに彼の工場の昼休みに差し入れなんかに行くと、
ジェット君は、油まみれの作業着で
ギターをギュインギュインさせたりしている。
工場にもギターが置いてあるのだ。
「ふぉっふぉっふぉ。
ギターさえあれば、オレはどこでもロックできるのだよ!!
ウェルカムトゥザジャンゴー!!ウィゴットファニンゲィム!!」
ソレを聞いてオレは、
「ロックってそういうもんだよな」、そう思った。
コメント
彼はギターとかベースではなく「サックス」と「ピアノ」と「オカリナ」でした・・・。
「サックス」と「ピアノ」だけなら「ジャズプレーヤー」じゃん、カッケー!!と思うところでしたが、最後の「オカリナ」って・・・彼曰く「宗次朗に影響された」とか・・・
そんな彼も、2年前に結婚して、今や某市の市議会議員の2期目を務めております・・・。
昔は友人とバカやったり、秋葉原で買い物した仲だったのに時間の流れを感じます。
以前、DNで日記を書いていた“あい”です。
戻って参りました★
よければいらして下さい♪
私もまがりなりにもバンドマンですので、
今回の話はかなりしんみりしました…
夢も捨てずに現実見てて、これが大人ってやつなんですねぇ
私ができる楽器なんてせいぜいリコーダーくらいなもんです
・・・今はもうできないかもww
なるは楽譜が読めないので、楽器を演奏するのは無理です。
ジェットさん…そんなに上手だったのなら、本当音楽の道に進んだら有名になってたかもしれませんね。
でも、優しい人なんですね。
工場の跡継ぎしなきゃ…という反面、音楽の事も忘れていない。
ゲルタさんのお友達は楽しい人、素敵な人、優しい人ばかりですね。
この春から音楽の専門学校に通ってるそうです。
ジェットさんも結婚して子どもが生まれたら、音楽の才能が受け継がれると思いますよ^^
それと部屋が、うちの和室が近いって思いました!
和室にデジタルドラムがあって、エレクトーンがあってベースとアンプもあるんです。うちの子はエレクトーンとドラムを遊び程度にやってます^^
ベースとドラムは主人がやってます。私は・・・歌と口笛だけです(^^;
多分、私の楽器嫌いは一生治らないことでしょう。
オカリナ!!
オカリナはオレも持ってますよ!!
100円ショップのヤツですけど!!
風の谷のーナウーシカーってひけます!!
ってか、市議会議員って・・・スゲェ・・・
カッケーですよね!!
そういう音楽やってた方が議員になるって、
すっごいカッケーっす!!
●†様。
お久しぶりです!!
&、お帰りなさい!!
パス、紛失されてしまいましたか!!
祝、御復活!!
バンドっていいですよねー。
あの、個々の出す音が
1つにまとまった時の爽快感といったらもう、たまらんです!!
や、オレはすっかりやめてしまいましたが・・・
バンド、頑張ってください!!
日記、お邪魔させていただきます!!
●マルクル様。
あはははは、ダイジョブ!!
できます!!
リコーダー、マルクル様ならできるはず!!
ジェット君はカッケーんですよ。
もう、楽器という楽器なら全部できんじゃねーのーくらいに
上手なんです。
ただ、残念ながら、若干音痴なんですけど(笑
●なる様。
そうなんですよー。
ギターをちょっとだけやって、すぐに諦めてしまいました(笑
ベースとキーボードもあったのですけど、
誰かに貸してそのまま無くなってしまいましたー。
一時期、モテたくてバンドやってたんです(←不純な動機
ジェット君はとってもいいやつで、しかも楽器が上手で、
オレ、すごい尊敬してるんですよ。
昔はオレ、自分が勝てないと思ったヤツ以外は
あんまし友達にならなかったのですが、
オレらの仲間みたいではない、
ごくフツーの学生のジェット君のギターを見たら、
こっちから友達になって欲しいと思いました。
今でも仲良しです。
●はちみつ様。
オーケストラでホルン!!
カッケー!!
しかもギターもドラムもできるって、スゴイ!!
できる人ってのあ何でもできるんですよねー。
オレは何にもできませんでした!!
おおお、はちみつ様のお子様、
もう音楽的環境がすばらしいじゃないですか!!
こりゃぁ、将来、紅白に出場なんてことも
あるかもしれませんよー!!