テツ:「なんかさー」
ゲル:「あー」
テツ:「なんかで読んだんだけどさー」
ゲル:「あー」
テツ:「女の子ってさ、夢を語る男にぽわーんとするタイプと
夢を語る男にひくタイプにわかれるらしいよ」
ゲル:「へー」
テツ:「・・・・・・」
ゲル:「・・・・・・」
テツ:「・・・・・・」
ゲル:「・・・・・・」
テツ:「語ってみたら?」
ゲル:「あ?」
テツ:「だからよ、知り合った女子に夢とか語ってみたら」
ゲル:「なんで」
テツ:「ぽわーんてなっかもしんねぇべ」
ゲル:「なんねーだろ」
テツ:「なっかもしんねぇべ。
ゲルタさんステキーとか言うかもしんねぇべ」
ゲル:「そんなん、恥ずかしいから。
っつーか、女子を口説く為に夢を持つんじゃないからね」
テツ:「まぁ、そーかもしんねーけど」
ゲル:「そういうのは姑息だろ」
テツ:「んんー。
じゃ、今のオマエの夢は何だ?」
ゲル:「ベツにねぇよ」
テツ:「いっこくらいあんだろーよ。
じゃ、やりたいことって何だ」
ゲル:「SMプレイ」
テツ:「他に!!」
ゲル:「女家庭教師と生徒プレイ」
テツ:「プレイ以外で!!」
ゲル:「じゃー、強いていえば・・・」
テツ:「強いて言えば?」
ゲル:「デニーズのメニューを全部制覇してみたい」
テツ:「・・・それ、オマエの夢なの?」
ゲル:「んー、夢っつーかなんつーか・・・」
テツ:「やりたいことなの?」
ゲル:「うん、まぁ」
テツ:「小っちゃ」
ゲル:「オメー!!
人の夢に向かって小っちゃって何だ小っちゃって!!」
テツ:「だって、もっとあるべよ、フツー。
それが何だよ、その黄金伝説みたいな夢は」
ゲル:「ベツにいーべよ、オレがやりたいことなんだから。
ソレにアレよ?
デニーズのメニュー制覇ってすっげぇ大変だかんね?」
テツ:「知らねーよ」
ゲル:「言っとくけどアレだから。
サイドメニューも行くからね?
パンも行くから。
カンパーニュとかクロワッサンとかいろいろあるべ?
アレも含めての制覇だから」
テツ:「へー」
ゲル:「うわ、人の夢を訊いておきながら冷たいね」
テツ:「だってさー、なんかショボイんだもん」
ゲル:「ショボくねーよ。壮大なスケールだろ。
全米が涙するっつーの」
テツ:「しねーよ。
っつーか、それはあくまでデニーズなの?
ガストじゃダメなの?」
ゲル:「あー、ガストはダメだ」
テツ:「何で?」
ゲル:「こないだ、暴れたから」
テツ:「また?」
ゲル:「またじゃねーよ?久しぶりよ?」
テツ:「どうせまた、店員が気にくわねーとかだべ?」
ゲル:「だってよ、おかしいんだもん!!」
テツ:「何が」
ゲル:「いや、こないださ、あそこでメシ食ってさ、
950円とか、そんくらいだったワケよ」
テツ:「あー」
ゲル:「で、1000円出すべ?
んで、細かいのありますーってレジの女に言って
小銭探してたら、レジの女、
1000円おあずかりしますって会計始めちゃったのよ。
オレが小銭探してんのに。
えー、小銭ありますって言ったじゃーん、みてぇな」
テツ:「あー」
ゲル:「で、小銭あるって言いましたよねーって。
でもその女、なんかスッゲェ態度が悪くてさ
スッゲェふてくされた顔して“あ、はーい”とか言ってさ。
あなんかムカムカしたもんだからさー」
テツ:「だから?」
ゲル:「壁にパンチ」
テツ:「パンチすっことねーじゃん!!
オメー、そのうち捕まっかんね?」
ゲル:「だってしょーがねーじゃん」
テツ:「っつーかオメー、ほんと、短気な」
ゲル:「んー」
テツ:「高校ん時から、おしっこが出る回数より
手が出る回数のほうが多いってな、言われてたよな」
ゲル:「つーかソレ、前から納得いってねんだけど、
なんで比較対照がおしっこなの?」
テツ:「知らね」
ゲル:「誰だよ、言い出しっぺ」
テツ:「さぁ?
っつーか、何?ソイツもブッ叩く?」
ゲル:「何言ってるんですか。叩きませんよ。
もう、大人ですから、大人」
テツ:「大人は、
デニーズのメニューを制覇するのが夢ですとか
言わねぇと思うけどな」
ゲル:「いや、ソレは大人だからできることだからね?
子供にはそんな経済力は無いから。
っつーか、子供はそういう夢は持たないから」
テツ:「じゃ、何だった?子供んときの夢」
ゲル:「んー」
テツ:「ほら、卒業文集とかに書いたべ?
大きくなったら何になりたい、とか」
ゲル:「あー、書いたなー」
テツ:「何て書いた?」
ゲル:「幼稚園の時は何にも知らなかったからさ、
銃が撃ちたいってだけで自衛隊になりたいって書いた」
テツ:「撃ちたいってだけでな」
ゲル:「で、小学校1年のときはねー、“孫悟空になる”って書いた」
テツ:「なんで、歳をとったのに夢は現実味がなくなってんの?」
ゲル:「いやー、オレ、
そん時はマチャアキが大好きだったから」
テツ:「あー、西遊記な」
ゲル:「っつーか、スゲーと思わね?
“孫悟空になりたい”じゃねーの。
オレは“孫悟空になる”って断言してんの。カッケーよな」
テツ:「せっかく人間に生まれたのに、猿になりたかったんだ」
ゲル:「猿じゃねーから。孫悟空だから」
テツ:「で、なれましたか?」
ゲル:「いいえ」
テツ:「じゃ、その後は?」
ゲル:「中学校んときは、“先生になる”って書いた」
テツ:「オマエ、図々しいね」
ゲル:「なんで?」
テツ:「だってオメー、テストで0点とったべ」
ゲル:「あー、数学ね。何回かとったね」
テツ:「オレ、0点とった人、のび太以外で初めて見たもん。
っつーか、オメーの0点を見て、
“あ、0点てほんとにあるんだー”って思ったもん」
ゲル:「よかったじゃない、
オレのおかげで本物の0点が見れて」
テツ:「そんなヤツが先生になりたいってか」
ゲル:「“なりたい”じゃなくって“なる”な。なってねーけど」
テツ:「じゃ、高校ん時は?」
ゲル:「そりゃ、アレだろ。AV男優だろ」
テツ:「あー、そうだな!!
みんな言ってたよな、“AV男優になる”って」
ゲル:「みんな言ってたよな」
テツ:「“3Pの現場で会うかもしんねーから、
そんときはよろしく”とか言ってたよな」
ゲル:「言ってた言ってた!!」
テツ:「言ってたよな!!」
ゲル:「んじゃ、オメー、アレ知ってる?」
テツ:「何?」
ゲル:「ユキいるべ、ユキ」
テツ:「おお」
ゲル:「アイツさ、先生にさ」
テツ:「うん」
ゲル:「“AV監督になりたいんだけど、
どこの学校に行けばAV監督になれんの?”って訊いてた」
テツ:「アイツ、バカだな!!」
ゲル:「バカだろ!!
でもアイツ、大学に行ったかんな」
テツ:「オレらの仲間ん中で大学に行った、
たった3人のウチの1人な。スゲーよな」
ゲル:「だけどさ、アイツ、こないだ会った時に、
“未だにAV監督の夢は捨てられない”って言ってた」
テツ:「捨てろよ!!」
ゲル:「いや、オレも未だに
“男優になりたかったなー”とか思うことあっけどな」
テツ:「あー、男は思うでしょ」
ゲル:「だよな」
テツ:「でも、その夢は絶対に女子に語っちゃダメだな」
ゲル:「まぁな」
コメント
私も算数や数学ではだいたいいつも0点でした。ゲルタさんはどういう答案で0点だったんですか?
私はとりあえず全部同じ数字を書き込んでおいて、一つくらい当たってるかと思いきや、全部ハズレでした(^^;
そんな私でもやっぱり「英語の先生になりたい!」と思ったことならあります!
AV監督・・・目指すは山本晋也?
ちなみに私は夜店の露天商になりたかったです。(笑)
「レンタルビデオ屋のAV全制覇」ってのはどーでしょう?
既に達成済みだったらスマン(ぇ