マサ、タケ、そしてオレの3人で、
「たまには映画でも観よう」ということになった。
ヒマな時間をだらだら過ごすよりも、
「ここは映画でも観て有意義な時間をすごそう」
ということになったのだ。
しかし、観る映画が決まらない。
オレら3人、観たい作品が異なるのだ。
マサ:「ゲルタは何が観たいの?」
ゲル:「オレは、『相棒』」
マサ:「えー!!
『相棒』なんてテレビでいっつもやってんじゃん!!」
タケ:「わざわざ映画館で観なくても、
来年の正月あたりにテレビでやるだろ」
やる。
多分、やる。
しかし、2時間ドラマ枠から『相棒』を観つづけてるオレは、
映画館でも『相棒』を観たいのだ。
映画館で観なければ、
「相棒ファン」を名乗れないような気がするのだ。
タケ:「だったら来年まで待つべよ」
ゲル:「待てねぇから今行くんだべよ」
マサ:「だってよー、『相棒』ってアレだろ?
僕の先生はフィーバーだろ?」
タケ:「そうだよ、フィーバーだよ」
ゲル:「フィーバーじゃねぇよ。水谷豊だよ」
マサ:「お金出して観たいか?フィーバーを」
タケ:「そのうちドラマだってまた始まるべ。
はぐれ刑事みたいに何回もやるべ」
マサ:「だいたいあそこのテレビ局は刑事ドラマ好きだよな」
タケ:「いっつもやってるよな」
マサ:「『はぐれ刑事』だべ、『相棒』だべ、
『おみやさん』だべ、あと、『富豪刑事』だべ」
タケ:「あと、『宇宙刑事ギャバン』もあそこのテレビ局だぞ」
マサ:「そーだよな!!
っつーことは『宇宙刑事シャリバン』もだかんな!!
どれだけ好きなんだよ、刑事が」
タケ:「まったく、日本にはまともな刑事はいねーのかって話だよ」
ゲル:「『ギャバン』と『シャリバン』は関係ねーだろ。
っつーか、アレだからね?
今度の『相棒』はテレ朝50周年記念だから。
ここはやっぱ、映画で観ておかないと」
マサ:「そーなの?
50周年記念って『スシ王子』じゃねーの?」
ゲル:「わかんねーけど!!
『スシ王子』もそうかもしんねーけど!!
どっちか言うとやっぱ、『相棒』なんじゃね?」
タケ:「え〜、『相棒』が50周年記念かよ〜。
あんましグッとくるものがねぇよなー」
マサ:「フィーバーがギャバンに変身したら観てやるよ」
むむむ・・・
オレが推薦する『相棒』、人気薄である。
水谷豊がギャバンに変身することはまず有り得ないことだから、
コイツらの口から進んで「観たい!!」と言わせるのは
まず不可能なことなのかもしれない。
ゲル:「じゃ、マサは何が観てーんだよ?」
マサ:「そうだなぁ、オレはアレだな」
ゲル:「やっぱ『相棒』か」
マサ:「違うっつーの。
やっぱここは、『ランボー』じゃね?」
タケ:「え〜、オレ、戦争モノとか苦手なんだよ」
マサ:「アレは戦争モノじゃねーよ?ゲリラモノだよ?」
ゲル:「同じだろ」
マサ:「同じじゃねーよ。
っつーか、『ランボー』がキライな人っているの?」
タケ:「はい、俺」
ゲル:「あー、ここにいたね」
マサ:「だからオメーはなよっちいんだよ!!
オメーも『ランボー』を観て男を磨け!!
『ランボー』のように強くなれ!!」
タケ:「でもオレら、山ん中でゲリラ戦する機会ないからね」
ゲル:「軍隊と戦う機会も無いしね」
マサ:「そーいうこと言ってんじゃねーから!!
逞しくなれって話だから!!
っつーか、
『ランボー』がキライな人がいるのが信じられねーわ。
オレなんか『ランボー』好きすぎて
ウチの猫にランボーって名前つけたからね」
ゲル:「そういえば、オメーんちの猫、ランボーだったな」
タケ:「な、あのバカ猫な」
ゲル:「っつーかよ、
猫にランボーって名前つけるヤツの顔が見てぇよな」
タケ:「ホントに」
マサ:「ごめん、こんな顔だよ」
ゲル:「ってか、オメーんちのランボー、相変わらずバカ猫なの?」
マサ:「いや・・・
何年か前に帰ってこなくなったまま・・・」
ゲル:「あ、ああ、そう・・・」
タケ:「・・・」
マサ:「・・・」
ゲル:「ってかさ!!ランボーってさ!!
一作目はすっげぇ面白かったんだけどさ!!
その後がすっげぇつまんなかったじゃねー」
マサ:「そう?オレは好きだったけど?」
ゲル:「マジで?アレ、面白かったか?
だって、なんだアレ。
『ランボー 怒りの脱出』ってなんだアレ。
“怒ってんなら脱出すんなよ!!”って話だろ」
マサ:「あれは邦題をつけたヤツのセンスが無ぇんだよ」
ゲル:「一作目は面白かったんだけどなー。
最後なー、“ヤツの腸が止まらないんだー”とか言ってなー」
マサ:「いや、今回のも面白いらしいよ?
最初のくらいに面白いらしいよ?」
ゲル:「ホントにー?」
タケ:「えー、オレはイヤなんだけどー」
最後に、タケである。
タケは何が観たいのか訊いてみた。
タケ:「ん〜、『少林少女』」
ゲル:「却下!!」
マサ:「誰が観るんだ、『少林少女』を!!」
タケ:「えー、だって、柴咲コウだよ?」
ゲル:「知ってるよ!!
だったらオレだって水谷豊だよ!!」
マサ:「オレなんか世界のスタローンだ!!」
タケ:「柴咲コウがカンフーだよ?」
ゲル:「だからどーした!!
柴咲コウがカンフーでだからどーした!!」
マサ:「オレらは
ああいう映画を面白いと言えるほど若くはねーんだよ!!」
話し合いはまとまらない。
オレらはいつも、こうだ。
いつも「ワレがワレがワレがワレが」ってなって、
なかなか話がまとまらない。
だからいつも最後は、
“最も簡単で公平”な勝負で決めることになる。
ゲル:「じゃ、ジャンケンだな」
ジャンケンで勝負。
観たい映画をかけて、ジャンケン勝負。
オレが勝ったら『相棒』。
マサが勝ったら『ランボー』。
タケが勝ったら『少林少女』。
マサ:「いいか?負けても文句ナシだかんな?
それでも自分推薦の映画が観たいってんなら、
違う日に飲屋のオネイサンでも誘って観に行け」
タケ:「オレが勝ったら観るんだろ?」
ゲル:「観てやるよ。『少林少女』観てやるよ。
そのかわり、オレが勝ったら『相棒』だかんな?」
タケ:「わかってるっつーの」
マサ:「じゃ、いくぞ?」
そして始まる、『観たい映画』を賭けた勝負。
はい、じゃーんけーん、ポン!!
パー!!
パー!!
グー!!
ゲル:「よっしゃぁ!!」
タケ:「よしっ!!」
マサ:「マージーでー!!」
ゲル:「ふははは、残念だったなマサくんよ!!
『ランボー』がベツの日に観にいきたまえ!!」
マサ:「うわー、ショック!!すげぇショック!!」
タケ:「はい、『ランボー』消えたー」
マサ:「いーよ。ランボーは今度観るよ。
つーかよ、俺、『少林少女』だけは観たくねーんだけど!!
だったら『相棒』のほうがいいわ!!」
ゲル:「だろ?
だったらオレを応援しろ」
マサ:「おう、応援するわ!!」
タケ:「バーカ、応援したってどうしようもねーべ?」
ゲル:「じゃ、マサが審判で」
マサ:「オッケー、俺が審判!!」
タケ:「オメー、ズルすんなよ」
マサ:「しねーよ。
ゲルを応援はすっけど、ズルはしねぇ。
じゃ、決勝戦いくぞ?」
ゲル:「よっしゃこい!!」
ハイ、じゃーんけーん、ポン!!
グー!!
チョキ!!
タケ:「うぉっしゃーっ!!勝った!!
はい、『少林少女』ねー!!」
マサ:「オメー、何やってんだよ!!
どー考えても今はパーだろ!!パーを出すところだろ!!」
ゲル:「そんなの知らねーよ!!
あ、つーか、ちょっと待って!!」
タケ:「なんだよ?俺はズルしてねーぞ?」
ゲル:「あー、そーだけどさ。
っつーかさ、決勝戦はアレだよな?」
タケ:「なんだよ」
ゲル:「決勝戦って、あっち向いてホイじゃなかった?」
タケ:「なんだそれ!!」
ゲル:「いや、そーじゃね?おい審判、そーだよな?」
マサ:「え!?」
ゲル:「そーだろ?あっち向いてホイだろ、決勝戦は!!」
マサ:「あ、ああ、そうだ!!決勝戦はあっち向いてホイで!!」
タケ:「なんだそれ、キタネーな!!」
ゲル:「しょーがねーじゃん、ルールだから」
マサ:「そーだな。
決勝戦はあっち向いてホイってのが国際ルールだ」
タケ:「国際ルールったって日本人しかいねぇじゃん!!」
マサ:「でも、ソレがルールですから」
タケ:「っつーか、外国にあんのか?
あっち向いてホイが外国にもあんのかよ?」
ゲル:「あるよ?当たり前じゃんなー」
マサ:「おお、あるある」
タケ:「じゃ、やってみろ。
外国のあっち向いてホイやってみろ」
ゲル:「おお、いいよ?
やってやれ、マサ、やってやれ」
マサ:「え?オレ?」
ゲル:「おお、やってやれ」
マサ:「おお・・・」
ゲル:「・・・」
マサ:「フンフンフン、フフフフフン!!」
タケ:「言えてねーじゃん!!
言葉になってねーじゃん!!」
ゲル:「いーんだよ!!言葉じゃねーんだよ!!」
マサ:「気持ちだ気持ち!!気持ちで伝わるの!!
つーか、今度こそ行くぞ!!本当の決勝戦行くぞ!!」
タケ:「オメーらキタネーかんね!!
つーか、あっち向いてホイだな?
今度は絶対に変えんなよ!!」
ゲル:「っつーか、ソレがルールだから。
ベツにズルして変えたワケじゃねーから。なぁ?」
マサ:「おお、そーだよ。
じゃ、いくぞ?決勝戦!!」
ハイ、じゃーんけーん、ポイ!!あっち向いてホイ!!
じゃんけんポイ!!あっち向いてホイ!!
じゃんけんポイ!!あっち向いてホイ!!
ゲル:「ラァーッ!!」
マサ:「よし、よくやった!!ナイス!!」
タケ:「キタネー!!オメーらキタネー!!」
そしてオレらは、『相棒』を観に行ったのである。
タケ:「キタネー。オメーら絶対にキタネー」
ゲル:「しょーがねーよなー」
マサ:「国際ルールだかんなー」
ゲル:「なー」
コメント
それにしても見事に3人共観たい映画違ったんですね〜。
でも、相棒観れて良かったですね。
どうでした?
観た人の感想聞くと「面白かった」というのが多いんですが。
ちなみに…なるもランボー嫌いです。
(確か、あの作品では、以降の作品での妙なイントネーションのセリフ回しでは無かったような気がします)
私は原作を読んでから見たので
ちょっと消化不良でしたが・・・。
豊さんは、どうしても最初に見た「刑事貴族2・3」の
本城慎太郎のイメージで見てしまうんですよね。
シーズンを重ねることによって、ようやっと
豊さん=右京さんで見られるようになりましたが。
プレシーズンは駄目でした・・・。^^
「カリ・コネ」のPV見たさにタイムカプセルを
購入してしまいました・・・。(汗)
楽しくてなにより!!
でも、映画館の前で、後でなぁ〜って別れて
見た後に合流した方がよいのでは???
それか、まったく選択肢のない映画にするとか?
せっかくならナルニア国物語を見てほしかった〜(爆笑)
●さかち様。
相棒 〜失われたアーク〜
●なる様。
相棒、面白かったですよー。
昔から好きだったので、映画になって感無量です。
あ、でも、CMで女の人が
「相棒サイコー!!」とか言ってましたが、
観た後に「サイコー!!」と言えるような爽快感は無かったです。
そんなことは言えない結構重い内容でした。
なる様もランボー、苦手ですか!!
残酷なシーンとかもありますしねー。
●kaj様。
トッペイですか???
わー、知らないですー。
オレはもう、フィーバーと2時間ドラマの左文字進と
相棒のイメージしかなかったです、水谷さん。
●おおたかさとか様。
おお、相棒映画版の原作あるんですか!!
わー、読みたい!!
オレはけっこう面白いと思いましたよー。
っつっても、なんか、重〜い内容でしたよねー。
そういや水谷さん、刑事貴族もありましたね!!
思い返すといろいろ出てますねー、さすが。
てか、カリフォルニア・コネクション!!
タイムカプセル買ったんですね!!
スバラシイっす!!
●やあちゃん様。
あ、なんかそこまで頭がまわりませんでしたー。
3人で観るということだけにとらわれていて
バラバラになることはちっとも考えてなかったです(笑
ナルニアはTVでやったのを観ましたが、
あれ、面白いですよねー。
小さい女の子、めちゃくちゃカワイイっすわー。