まったく、「反省」である。
もう、めちゃくちゃ「反省」である。
や、何が反省ってオレ、
今日、携帯電話のキーをロックしないまま
ズボンのポケットに入れて仕事をしてたのだ。
オレの携帯はパカパカ式のヤツだったりスライド式のヤツじゃないから
キーをロックしとかないとうっかりボタンが押されてしまったりするのだけれど、
その「うっかり」である。
なんの拍子でそうなったのかは知らんのだけれど、
いつの間にか、電話がかかってしまっていたのだ。
相手は、親父。
オレの電話はオレの知らぬところで親父を呼び出してしまったのだ。
で、親父は突然オレから電話がかかってきて、
「もしもし」っつって電話に出たけれど、
その電話をかけてきたオレはいっこうに喋らない。
オレは電話をかけたつもりはないのだからそれもそのはずなのだけれど、
でも、親父としてはいくらオレに呼びかけても全然返事がないもんだから、
親父の頭の中では
『病弱なオレ、倒れる』
↓
『苦しみながらSOS』
↓
『でも苦しいから喋れない』
↓
『だから無言なのかっ!!』
↓
『もしや瀕死!?』
オレが過去に何度か倒れた経験があることからも
そういうチャートが出来上がってしまって、
で、折り返しかけてもオレは仕事中は携帯電話には出れないので無視してたら、
親父の中でオレはとうとう緊急事態になってしまったみたいで、
親父、仕事を抜け出してオレの仕事場にブッとんできてしまったのだ。
で、オレはオレで職場の警備さんから「お客さん来てますよ」って言われて
「通してください」なんて言ってみたら、職場にいきなり親父が現れて開口一番、
「ゲルタ、ダイジョブかぁっ!!」
でも、オレはそんな事情は知らないから(オレに原因があるのだけれど)、
職場に突然、現場の作業着姿の親父が現れてビックリで、
しかも親父はめちゃくちゃパニクッてて
「ダイジョブか?ダイジョブか?」しか言わないから、
オレも「え?何が?え?何が?」ってなってしまって、
もう、何がなんだかワケがわからなくなってしまった。
で、とりあえず親父に落ち着いてもらって、
オレと親父の間に生まれていたかなりの温度差を埋めてから
親父に事情を訊いてみて、今回の件がようやくわかったのである。
まったく、反省である。
なんせ、親父はともかく、
親父が勤める会社にまで迷惑をかけてしまったのだから、
オレ、めちゃくちゃ反省である。
で、親父。
ちょっと前までパニクッてた親父なのだけれど、
オレが無事なことがわかってとりあえず落ち着くと
それまで見えてなかったオレの職場の全景がだんだんと目に入ってきたのか、
急にかしこまって、オレの職場の同僚たちにいきなり挨拶を始めた。
「ゲルタの父でございます。
いつもゲルタがお世話になっております」
そう言って親父は深く頭を下げ出した。
そして、今回の件で詫びるオレに向って
「無事ならそれで良し!!」
そう言うと、「じゃ!!」と言って、帰ってしまった。
コメント
ひらべったい携帯はよくありますよねそういうこと。
私だったらホッとした瞬間怒っちゃいます。
ひらべったい携帯、ありますよねー。
ロックしとかなきゃと思うのだけど、
ついつい忘れてて、いつの間にか誰かに電話してたりしちゃうの。
気をつけねば。
●はちみつ様。
オレも、これは怒られると思いましたわー。
ものすごい迷惑かけましたから。
でも親父、とくに怒りもせず、家でも
「ビックリしたぞー」っつって笑ってました。
●あや様。
ありがとうございます!!
や、残念ながら見た目は全然かっこよくないんですけどねー。
すっごいなまってるし(笑