幼いころ、 初めて親に買ってもらった絵本が、
「かいじゅうたちのいるところ」である。
なにしろソレは30年以上も前の話だから漠然としか覚えていないのだけれど、
当時は物語も何も関係なく、ただ、
あの独特なかいじゅうたちを「かっこいい」と思って
その絵本を眺めていただけのような気がする。
成長するにつれ、その物語の持つ意味、
いや、絵本ってのは読み手によっていくつもの解釈が成り立つものだけど、
その物語の意味を自分なりに感じとり、
「スバラシイ絵本」と自分の中で位置づけするに到り、
そしてさらに、ソレが「親に初めて買ってもらった絵本」ということで、
その物語には特別な思い入れがあったりして、
ジツは今も、その30年以上前の本を大事に保管してあったりする。
ラップでぐるぐる巻きにして。
ナゼにラップなのかと言えば、だいぶ前の話、母親が家を掃除している最中に、
オレの中では忘れかけてたその本が、押し入れの奥から出てきたのだ。
すでに色も変色して、ページも剥がれたりなんだりでボロボロの状態で。
母親はソレを「もう、こんなボロボロの本、捨てるよ?」とオレに言う。
しかしその絵本のかいじゅうを再び見た瞬間、
オレの中でいろんな感情が溢れだしてきて、オレは、
その絵本を捨ててしまうことをためらった。
そしたら、なんか知んないけど、
なんか知んないけど、母親が突然キレ出して、「じゃ、大事にとっとけっ!!」
そして、ラップでぐるぐる、
必要以上にぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる巻いて、
オレによこしてきたのだ。
ソレ以来、親に初めて買ってもらった「かいじゅうたちのいるところ」は、
ラップにくるまれナイスコンディションでオレの本棚に収まっているのだが。
で、映画版の『かいじゅうたちのいるところ』である。
あの思い入れのある物語が映画になるということで、
ソレが吉とでるか凶とでるか、恐いところが多少なりともあったのだが、
本日、ソレを観に行く予定でいた。
予定でいたのだが。
なんか、観に行く前に、上映時間とか調べようと思ってネットで調べたら、
オレが通う映画館では、日本語吹き替え版しか上映しないらしい。
しかも、主人公マックスの声を吹き替えたのは、
今をときめく子供店長さんでらっしゃる。
とたんに観る気がしなってしまった。
いや、子供店長さんがキライなワケじゃないけれど、
いや、むしろカワイイ子だなぁと思うけれど、
なんか、もし、ソレが、
「人気の子役に吹き替えさせて、話題作りにも一役かってもらおう」的な、
そういう人選であるのであれば、
そういう大人の安易で、ギラギラしてる部分が、
自分の中にある思い入れとか、うまく表現できないけどそういう何かを、
傷つけてしまうような気がしたのだ。
もちろん、ソレが彼の演技力が評価されての起用であることは
疑いもない事実であると思うのだけれど、
でも、オレの目には、ソレ以外にも大人のギラギラしてるところが
その背景にちらほらと見え隠れしているのだ。
ソレが自分のエゴであることは重々承知しているけれど、
一般人の勝手な言い分であることは重々承知しているけれど、
あくまでも自分の中で、自分にとって大事に思う存在であることだからこそ、
そういう「話題作り」とかギラギラしているうところから
離れた存在であってほしかった。
や、映画になった時点で、
オレの中では離れてしまっていたのかもしれないけれど。
ちうか、どうして吹き替え版しかやんねぇんだ、あの映画館は!!
ソレにアレだぜ?
子供店長さん、働かせすぎだぜ?
オレだったら絶っっっ対にグレる!!(←子供店長は大丈夫)
・・・・・・
映画館に行く予定が無くなって、
「今日一日どうしようかなぁ」という気持ちで
こんな日記をだらだら書いていたワケなのだが、
そしたら今、友人ジェット君よりメールがきた。
件名は、『重大発表』。
「お、なんかあったのか!?」といった感じで本文を読んでみると。
「本日、私事ですが、重大な発表がございますので、
13:00頃、ヒロ氏宅にお集まりください。
ジツは私たち夫婦に、子供ができました」
・・・・・・
重大発表、すでに言っちゃってると思うのだが、どうか。
もう、ベツに集まる必要無くなっちゃったと思うのだが、どうか。
しかしまぁ、メデタイことなのでとりあえず行くことにする。
っちうか、毎週なんかの名目で会っている気がするな。
そうだ、彼に子供が産まれたら、
『かいじゅうたちのいるところ』の絵本でも買ってあげようか。
友人はきっと、「もっとイイものをくれ」と言うと思うけど。
コメント
ぜひ買ってあげてください。
「かいじゅうたちのいるところ」
通りすがりに失礼いたしました。
原作を読まないままの参戦だったのですが、良かったですよ。
大人目線で見てると、怖いというか悲しいというか、深い深い涙が出てくるような作品でした。
MAX役の男の子、ほんとにマックスなんとかって名前の俳優なんだそうですが、良かったですよ。
ありがとうございます!!
やや、そんな、失礼しましただなんて、そんな!!
「かいじゅうたちのいるところ」、是非買ってあげようと思います!!
●神藤恭平様。
おお、ご覧になられたのですか!!
なるほどー、なかなかイイ映画だったのですねー。
やっぱオレも観てこようかなぁ。
悲しげで深い映画って、好きなんですよー。
MAXの子って、ホントにマックスなんですね!!
すげぇ!!