「俺がいい名前だと思ってもさ、まず、嫁さんの反対があるワケだ。
で、嫁さんの意見を取り入れて名前考えてさ、オレもソレでいいと思ってさ、
で、それにしよーかーなんつって調べてみるとさ、
今度は字画が良くないってことになるのよ。
で、また考えるとさ、今度は旧字体での字画が良くないって言われてさ、
あのさ、ウチは男の子なんだけどさ、
子供の名前なんてね、全っ然決まんないよ」
友人ジェット夫妻に子供ができたワケなのだが、
友人は、名前を決めるのにかなり苦労してる様子であった。
はじめは生まれてくる子供の名前を
あーだこーだ考えるのが楽しかったのだけれど、
今ではワリと苦痛なのだという。
「みんな、名前ってどうやって決めてんだろうなぁ。
俺自身はさ、親から一字とっただけの名前なんだけど」
「あー、俺も」
友人ヒロも、その「ヒロ」という字は親から受け継いだ一字らしい。
オレはといえば、親ではなく、オレより先に生まれた従兄弟たちから
一字ずつ貰って、その2つを組み合わせただけの、
ワリとアリモノでチャッチャと決められてしまった感のある名前である。
ソコに名前に込めた想いとかはあったのだろうか。
両親に問いたい。
オレの名前に込めた想いとかはあったのか。
や、「ベツにそんなの無いよ」とか言われたら、きっと泣きそうになるけど。
3人目だったからワリといい加減につけたか?面倒で。
まぁ、それはソレとしても、
ホント、名前ってどういうふうに決めるのだろう。
オレに子供はいないから、ちうか、奥さんもいないのだけど、
みんな、字画とかそんなんで悩んでいるのだろうか。
かと思うと、毎年「子供の名前ランキング」みたいのが発表になって、
そのランキングには、活躍した有名人の名前と同じ名前が
ランクインしたりするのだから、みんなきっと、
それぞれに名前のつけ方があるのだろうな。
「悪魔くん」ってつけようとした人もいたしね。
「俺自身はホントは、ベツにねー、字画とかはそんなに気にしてないんだよ」
今度パパになる友人が言う。
じゃぁ、どういった基準で名前を考えるのか。
「やっぱり、“あの人みたいにこうなってほしい”とか、
そういう想いみたいなのは込めたいとは思うけど。
ぶっちゃけ、有名人と同じのもアリだと思う」
じゃ、実際、子供にはどういう人間になってほしい?
「そうねー、なんかこう、器のデカイ人間になってほしいよね。
スケールのデカイ、強い男になってほしいよね」
なるほど、器のデカイ人間か・・・
「信長?」
「あ、器デカイねー」
「いや、デカイし強いけどさ!!
本能寺じゃん!!
最後は本能寺じゃん!!」
「人生五十年~っつって、50歳前に死んじゃったよね」
「ねー」
「余計につけられないでしょ!!」
じゃ、他にどういった人間になってほしい?
「まぁ、元気であってほしいよね」
なるほど、元気か・・・
「勝俣、だな」
「あ、勝俣は元気だわ。元気すぎだべ。
基本、冬でも半スボンだからな」
「でもソレ、苗字!!名前じゃない!!」
他に、子供の名前に考えることは?
「あ、なんかこう、外国を意識した名前ってあるじゃん。
ああいうのもどうかなーって、ちょっと考えたんだけどね」
「ゴルバチョフとか?」
「エリツィンとかな」
「なんでロシア?
ふつうはアメリカ的な名前なんじゃねぇの?そういうのは」
「じゃ、ライス長官だ」
「長官ってなんなの!?
生まれたばっかりで長官ってなんなの!?」
「あ、米長官って書いて、ライス長官って読ませるのもアリだよね」
「あ、アリだわ、それ」
「無ぇよ。
だから長官ってなんだよ!!」
「だから、米が苗字で名前が長官」
「苗字変わっちゃってる!!」
「じゃ、米がミドルネーム」
「米というミドルネームが必要な意味が解らねぇ!!」
まぁ、だいぶフザケてしまって友人には申し訳なかったのだが、
今までに友人が漠然と挙げた「デカイ」「強い」「元気」「海外を意識」、
ソレを含めて、また名前を考えてみた。
「朝青龍・・・しか無ぇな」
「あー、いいねー。
デカイし強いし、元気だしね」
「一応、海外も意識してるよ?モンゴルだけど」
「いや、デカイし元気だけどさ!!
それ、オカシイべ。四股名だべ。
学校で“朝青龍くーん”とか言われたらヘンだべ」
「そうかな?人気者でしょ?」
「アレだよな。
サッカーも巧そうだしな」
「サッカーやってたけど。
モンゴル帰ってサッカーやってたけど。
めちゃくちゃ怒られてたじゃん」
そんな話でまたしてもだいぶフザケていたワケだが、
そんな中、ふと気になることがあって、友人に訊いてみた。
「そういやさ、いつ頃生まれんの?」
すると、今度パパになる友人は、
「そうそう!!」と言った感じで興奮気味に答える。
「それがさ、予定日なんだけどさ、4月27日なんだよ!!」
あくまでも予定日の話なのだが、4月27日。
4月27日といえば、ジツはオレの誕生日だったりするのだ。
「マジで?」
「そうそう、オレもちょっとビックリしてさ」
「じゃ、特別にオレの名前あげるよ。
特別だよ?
フツーはあげないからね?」
「いや、オレもそれ聞いた時、フザケて嫁さんに言ってみたのよ。
ゲルタと同じ名前にする?って」
「そしたら?」
「死んでもイヤだって」
「・・・死んでもか。そんなにか?」
「うん、そうみたい」
コメント
家康くんでした。
スケールでかすぎっっっ。笑。
うははは、家康くん!!
天下人じゃないですか!!
歴史の授業の時、絶対にまわりからチラ見されちゃいますね(笑