昔から若く見られがちである。
実際の年齢は34歳だから、
いい加減もー、とっつぁんと言っても過言ではないのだけれど、
幸か不幸か若く見られてしまう。
オレが家にいる時、何かの集金なんかがくると、
オレが何歳に見えるんだか知らんが、決まって
「お父さんかお母さんいる?」なんて、
まるで子供を相手にしているように話し掛けられるもんだから
たまったもんではない。
考えてみりゃぁ、オレはその、
「お父さんかお母さんいる?」の「お父さん」の年齢に
すでに到達していると言ってもいい年齢なワケで、
そういう風に言われた後は、だいたい軽く落ち込むもんだ。
今日も、そうだった。
今日、ウチに来たのはダスキンの集金の若奥さんだった。
ピンポ〜ン
チャイムを鳴らして「ダスキンでーす」。
オレが玄関に出ると、初めて見る若奥さんがいて、
オレに向かって、
34歳のこのオレに向かってしょっぱなからブッ放すのだ。
「お父さんかお母さんいる?」
軽く落ち込む。
でも、まぁ、ソレにいちいち反応しててもキリが無いし、
なんだか面倒なので、いつもはもう、
相手に見られたように自分を合わせて
「お父さんもお母さんもいません」とか言ってその場から
とっとと抜け出すのだけれど、今日は違った。
今日、ウチに来たダスキンの若奥さんは、
いつものそういう類の人とは一味も二味も違った。
「暑いね〜」
「でも、昨日よりはいいかな〜」
「日にやけちゃうから困るんですよ〜」
お喋りなのだ。
話好きなのだ。
ただ、集金する側と集金される側、というだけの関係なのに、
やたらとオレに話かけてくるのだ。
しかも、しまいにゃ、
「水分を多めに摂ったほうがいいよ」
見知らぬオレの健康面にまでアドバイスをくれる始末。
めんどくせぇ。
アドバイスをくれるのは有り難いが、すこぶるめんどくせぇ。
しかし、若奥さんのお喋りは止まらない。
すでにお金は払い終わったというのに、
すっかり玄関に足を止め、オレに話し掛けてくる。
しかも若奥さん、すっかりオレを学生さんだと思い込んでるようで、
「まだ休みなんだよね?」なんて訊いてくる。
「いつまで休みなの?」
オレも、まぁ、そこらで話を打ち切ってしまえばいいのだろうけど
なかなかタイミングを見出すことができなくて
「あ、今月いっぱいです」だなんて、
ついついテキトーなことを言って合わせてしまうものだから、
余計に若奥さんは止まらない。
マシンガン若奥さん。
「勉強たいへんでしょー」
「暑いと勉強なんてできないよねー」
「海に行った?」
ベラベラベラベラベラベラベラベラ。
「あ、いや・・」
「勉強っていうか・・・」
「オレはもう・・・」
若奥さんの誤解を解くタイミングを完全に逸してしまったオレ。
っちっくしょう、オレの話を聞けっ!!
行ってねーよコノヤロウ。
海なんか行ってねぇよコノヤロウ。
アホか!!
連れてけ!!
オレを海に連れてけ!!
ハイレグ水着を着ろ!!
そして食い込んでしまえっ!!
オレが苛立ってくると、
ふと、そこで、若奥さんはオレに質問してきた。
「どこ高なの?」
え?「どこ高」って?
オレ、とうとう高校生に見られてしまったのか・・・
っつーか、間違いすぎだろ!!
オレが高校生って、ソレは間違いすぎだろっ!!
キミの目はアレか!?
ケツ穴かっ!!
っちうか、これ、見て見て!!
若奥さん、これ見て見て!!
はい、ここ!!
ここ、アゴのところ!!
はい、これ、しーらーがー!!
アゴひげにしーらーがー!!
アゴひげに白髪生えてきてっから!!
アゴひげ、まだらになってきてっから!!
アゴひげがまだらの高校生なんかいねーから!!
オレ、もうとっつぁんだーかーらーっ!!
・・・・・・
ふと思えば、あの若奥さん、
オレより確実に年下だったように思う。
なんか、落ち込む。
ウチから車で10分。
無人の小さな駅があって、
ウチの祖母の家はその駅前の商店街の並びにあるのだけれど、
その駅前の商店街では毎年夏に1日だけ、ちょっとした祭というか、
ちょっとしたイベントが催される。
わたあめ。
金魚すくい。
チョコバナナ。
車の往来をその時だけ禁止した駅前の通りには
いくつもの露店が建ちならぶ。
電灯と電灯の間にはいくつもの提灯がぶらさげられる。
露店で買ったモノなのか、
はしゃいでいる小さな子供は浴衣を着せられ、
頭には特撮ヒーローのお面が乗せて、若い母親の手を引っ張る。
毎年、そこを通ればそんな風景が見れて、
オレは、どこか昭和の香りを漂わせているその風景に
懐かしさを覚える。
思えば、その祭はオレが小さな頃から行われていたのだから、
もう、30年以上は続いているのだろう。
小さい頃、よく母親に連れていってもらった記憶がある。
いや、厳密に言えば、母親が連れていってくれたのは
商店街に並ぶ祖母の家までで、オレはその後、
毎年決まって、「お祭り見てきな」と
小遣いも持たされずに1人で祭の中に放り出された。
きっと母親は、祖母の家でお茶でも飲んでいたのだろう。
1人放り出されたオレは、浴衣など着ていない。
自分の家が裕福ではないということを、
子供ながらになんとなく感じていたオレは、
少しの淋しさを感じながら、露店を見てまわった記憶がある。
小遣いが無いから金魚もわたあめも手にすることはできずに、
ただただ、大きな水槽の中でゆらゆら泳ぐ金魚を眺めたり、
ただただ、ぐるぐる回って割り箸にどんどん吸い付いていく
わたあめを、じーっと眺めていただけなのだけど、
それでもオレは、その祭が好きだった。
ただ、浴衣の親子とすれ違う時に
少し引け目を感じたことは、今でも覚えている。
ある年のこと。
多分、幼稚園が小学校低学年の頃だったと思うのだけれど、
その年も、母親に祭に連れていってもらい、
オレは、いつものように祭に1人、放り出された。
きっと母親は、祖母の家でお茶でも飲んでいる。
今思えば酷い母親かもしれないが、ベツにその頃は、
そんな母親の行動を「そんなものか」と
妙に冷めた目で見ていたような気がする。
オレは、駅前の道路の両側に並んだ露店を
いつものように見てまわった。
金魚すくい。
わたあめ。
特撮ヒーローのお面。
ソレは今も昔も変らない。
ただ、その頃にはチョコバナナというのは
あまり見かけなかった気がする。
その中でオレがもっとも興味を引かれたのはりんご飴。
小さな姫りんごを飴で包んだモノではなくて、
フツーの大きさのりんごをまるごと飴で包んだモノ。
オレはその時まだ、りんご飴というモノを知らなくて、
その露店に並んだりんご飴にすっかり心を鷲掴みにされてしまった。
ベツにただ、りんごを飴で包んだだけなのだけど、
ゲルタ少年の心は、すっかりりんご飴の虜になってしまった。
(あれ、たべたい)
しかしオレは、小遣いを持たされていない。
オレの中には、祖母の家に戻って母親に小遣いをせがんでも、
どうせ無理に決まっているという諦めがあり、
オレは、また、露店を見てまわりだした。
駅前の道路は、駅と反対側の端はT字路になっている。
祭は、その、駅からT字路までの間で行われている。
ひととおり露店を見終わったオレは、
ふと、T字路の先が気になった。
(あの先はどこに行くんだろう)
そんなことを考えたオレは、
「あんまり遠くに行かんなよ」という
母親の言葉などすっかり忘れてT字路までふらふらと歩いて行く。
祭にいても、どうせ何も買えやしない。
右と左、そのT字路をどちらに曲がってみようかと少し悩んだ後、
オレは、その駅前通りの先のT字路を、右に曲がって進んでみた。
そこは旧国道だったのだけれど、
子供の頃のオレはそんなモノの存在は知る由もない。
オレは、坂道になっているその旧国道をただ、
1人でほてほてと歩いた。
途中、これから祭に向かうのであろう親子と
何回もすれ違いになる。
いくつもの親子とすれ違うたびにオレは、なんだか引け目を感じて、
早くその場所から離れたいような衝動にかられた。
坂道を走った。
坂道をだいぶ登り、
祭が催されている駅前通りから離れると、
祭に向かう親子とすれ違う数も少なくなった。
少しホッとする反面、少し淋しい気持ちにもなる。
オレは、ただ1人、歩道の横に並んだ
灰色の水が溜まった側溝を見下ろしながら
ほてほてと坂道を上った。
(T字路の先には何があるんだろう)
そんな思いで来てみたけれど、ベツに何もない。
少しがっかりしたような、それでいて少し安心したような、
そんな思いでオレは、側溝を見下ろしながら坂道を登った。
と、そこでオレは、思いがけないモノを側溝の中に発見した。
お札である。
灰色の水の中に沈んではいたが、
子供オレにもすぐ、ソレがお札であることはわかった。
オレは、悩んだ。
汚い、灰色の水が溜まった側溝である。
その中に落ちているお札。
手を入れて拾うには勇気が要る。
しかしオレは、勇気を出して灰色の水に手を突っ込むと、
その、汚い水に濡れたお札を拾い上げた。
5000円札。
その頃の5000円札は聖徳太子の肖像が描かれていて、
小さなオレはまだ、その人が誰だかは知らないけれど、
「5」という数字と「0」の多さで、
その紙切れが価値のある紙切れだということはすぐに理解できた。
(どうしよう)
オレは困った。
なんせ、そんな価値のあるお札を
実際に自分の手にしたのは初めてといってもよい。
お年玉だって1000円とか500円とかしか貰ったことがない。
なにか、とんでもないモノを拾ってしまった気がした。
だんだん恐くなってきた。
捨ててしまおうか。
でも、ソレはとても勿体無いことのような気がする。
その時のオレには「警察に届ける」という選択肢などはまるで無く、
オレは、その汚く濡れた5000円札をくしゃくしゃに握り締めた。
そして走った。
祖母の家に向かって坂道を下った。
早く走る自信はあった。
途中、何人もの人を追い越す。
その度に背中に視線を感じた。
(今、オレに追い越された人は、
オレが5000円持ってることに気付いてるのではないだろうか)
急に不安になった。
襲われやしないか。
オレが持っている5000円を奪われないだろうか。
不安が大きくなった。
恐くて恐くて堪らなくなった。
届けなくては。
母親に届けなくては。
早く祖母の家に!!
早く母親のもとに!!
走って走って、
祭を楽しむ人の間をすり抜けて、やっと、祖母の家についた。
祖母の家にどかどかと上がりこむと、
母親は案の定、お茶を飲んでいて、その姿を見た途端、
オレの中の何かが緩んで、オレは泣き出してしまった。
母親は、何か言いながら、オレのところに寄ってきた。
オレは泣きながら、母親にくしゃくしゃになった5000円を渡した。
その時母親が、何て言ったかは覚えてない。
でも、びっくりしていた事は覚えている。
そして母親は、その5000円札を、
窓に貼り付けてシワを伸ばしていたことも覚えている。
そしてもう一つ、覚えている。
ソレは、オレが母親に5000円札を渡した後、
母親は、オレに1000円札をくれたこと。
母親は、窓にオレが拾った5000円札を貼り付けると、
財布から伊藤博文が描かれた1000円札を抜き出して、
「お姉ちゃんには内緒だよ」と、オレにくれたのだ。
・・・・・・
・・・・・・
・・・・・・
あれ?
今気付いたんだけど、母親、4000円儲けてないか?
・・・・・・
その後、母親に1000円札を貰ったオレは、
その1000円を握り締めて、りんご飴を買いにまた祭に出かけた。
別レ、ソシテ出会イ。
2007年8月20日 日常 コメント (5)毬藻。
何年も前に北海道のみやげ屋から連れ帰った、
瓶に入った2つの毬藻。
オレのペット。
いちおう、右が「ゴマ」で左が「シオ」って名前。
でも本当は、どっちがどっちだかわかんない。
水を入れ替える時にどっちがどっちだかわかんなくなるから。
だから常に、向かって右が「ゴマ」で左が「シオ」ってなってます。
でも、そんなのはどうでもいいんです。
だって、2つで「ゴマシオ」なんだから。
まぁ、2人並んだ時のマナカナちゃんみたいなもんです。
で、その「ゴマシオ」。
オレのペット、毬藻の「ゴマシオ」。
先日、お亡くなりになられました。
いや、わからん!!
「ゴマシオ」、お亡くなりになったのかどうかわからん!!
だって毬藻だし!!
全然動かないし!!
正直なところ、お亡くなりなのかどうかわからんのです。
ですが!!
あんなにまぁるくて可愛かったのに、
なんかものすげー毛羽立ってるんです。
あんなに深い緑色をしていたのに、
なんかものすげー色になってるんです!!
やっぱりこれはお亡くなりに!?
・・・・・・
「ゴマシオ」・・・
オレが不甲斐ない飼主だったばっかりに、
大きく育ててあげられなくてごめんよ。
キミらはきっと、天国に召されることでしょう。
でも僕は、今までの所業を考えれば、
頭の上に輪が浮かぶことも、
背中に羽が生えることだってきっとないんだ。
だから僕は、あの世で会おうなんてことは言えないのさ。
今はただ、キミらが心安らかであることを祈るばかりなのさ。
だから、「ゴマシオ」。
キミらのことは忘れない。
グッバイ、そしてありがとう、「ゴマシオ」・・・
・・・・・・
「ゴマシオ」を失って悲しみに沈むオレ。
そんなオレですが、
いつまでも悲しみに沈んでても仕方ないということで、
また、新しいペットを飼うことにしました。
今度はちゃんと育ててやる!!と。
「ゴマシオ」のぶんまで、しっかり育ててやる!!と。
そして今回、オレの部屋にやってきた生物、ソレは。
シーモンキー。
わかるか?わかるか?わかるか?わかるか?
キミはシーモンキーを知っているか!?
きっとオレと同世代の方や、
オレよりも先輩の方々にはご存知の方も多いはず。
俗称シーモンキー。
またの名をブラインシュリンプ。
そしてまたの名をアルテミア・サリーナ。
早い話が、
プランクトン。
暗いか?暗いか?暗いか?
オレは根暗か!?
なんかこう、海水を模した塩水に粉を入れるワケですよ。
ただの塩水に、乾燥した卵が混じった粉を入れんの。
するとあら不思議。
そこから、プランクトンが生まれるという。
そのプランクトンを、だ。
オレは育て始めたのです。
すでに名前も決定。
なんせ、数が多くて一匹一匹に名前をつけることはできないから、
まとめて。
まとめて、こう呼んでます。
「特攻野郎Aチーム」と。
フハハハハハハ!!
Aチームの諸君よ!!
これからはオレが、キミらの面倒を見てやるっ!!
オレが鬼教官となって、キミらを鍛えてやるっ!!
まずはアレだ!!
諸君らにエサを与えーるっ!!(←飴とムチを使い分ける鬼教官)
ちうことでオレ、
この太陽の日差し溢れる季節に毎日部屋にひとりこもって、
プランクトンを顕微鏡で覗いてます。
暗いか?
暗いなっ!!
ハンカチも使えばハニカミもする。
しかし、
決して「王子」とは呼ばれることはないゲルタです。こんにちは。
つーか、なんなんでしょう、この「王子」というヤツは。
どこで線引きすんの?
どの条件を満たせば「王子」と呼ばれて
どの条件を満たさなければ「王子」と呼ばれないの?
顔か?
やっぱ顔か?
てか、だいたい日本には、「王子」が多すぎるよね。
本人にその気がなくても、本人はイヤだと思ってても、
マワリがやたらと「王子」と呼びたがる風潮が出来上がっている。
現在日本にいる「王子」を数え出したら、
まったくキリが無いもんな。
まったくもってキリが無い。
えーと、ハンカチ王子でしょ?
それから、ハニカミ王子でしょ?
で、あとは、ハニカミの友達のポッチャリ王子でしょ?
えーと、それから、女形の流し目王子でしょ?
で、あとは、あとは・・・・・・
・・・・・・
(キリがあった)
あ、あとアレな、寿司王子!!(←堂本光一さん)
あ、それからアレだ、監禁王子!!(←犯罪者)
まったく、何が「王子」だっつーの!!
「王子」が居すぎだっつーの!!
なんでもかんでも「王子」にすんじゃねっつーの!!
と、言いつつ、
オレも一度は「王子」と呼ばれてみたいワケですが(←無理だろ)
こりゃぁ、アレだな。
オレが「王子」と呼ばれる為にはもう、
名前を「王子」に変えるしかねぇよな。
オレは「サイトウ」さんだから、
名前を「サイトウ王子」にするしかねぇよな。
戸籍をいじるしかねぇよ、実際。
友人らと集まった時、どういう流れか
「グッとくる女性のしぐさは何?」という話になった。
グッと。
ググッと。
もう、ハートにズッキンドッキンと。
そう思う「女性のしぐさは何?」という話になった。
ソレについて、1人は「うつむき加減で泣いてる時」と言い、
1人は「飲み屋で料理などを分けてくれる時」と言う。
「ゲルタは?」
そう訊かれてオレは考える。
泣いてる女性も料理を分けてくれる女性もキライではないが
オレにとってソレは、ズッキンドッキンというほどではない。
では、何か。
オレは、女性のどんなところにズッキンドッキンするのか。
考えてみた。
そして出た、オレの結論。
「女性が化粧をしている時」
わかるか?わかるか?わかるか?
世の男性諸君よ、おわかりになられるか?
なんつーの?
こう、例えば、2人で家にいたとしてですね。
これから出かけるか、って時に、
女の子の化粧がまだ終ってなかったりしてですね。
で、女の子は鏡に向かって化粧をしたりしてるワケですが。
そん時さ、女の子、ミョーッてなるでしょ。
なんか、ミョーッて顔になるでしょ。
こう、口なんか半開きになっちゃったりして、
鼻の下とか伸ばしちゃったりなんかしちゃったりしちゃって。
なんつーのかな。
ソレの顕著な例として、あの、まつ毛をクリンッてさせるヤツ。
名前がよくわかんないんですけど、
あの、目にガーッてやる例のアレ。
その、まつ毛をクリンッてさせる例のアレをやる時に、
そうなる女の子いるでしょ。
なんか知んないけど、ミョーッて。
片目瞑って、口を中途半端に開いて、
鼻の下がミョーッて伸びてんの。
なんつーか、まつ毛をクリンッてさせる例のアレを使っての
まつ毛加工に集中しすぎてるあまり、
気を張りすぎてるあまり、
そのまつ毛以外の顔の部分に気が回らなくなってしまって、
そんで、ミョーッて。
アレアレ、あの顔。
ワタクシ、あのミョーッて顔が大好きでございます。
あの顔に妙に惹かれます。
もう、そんな顔見ちゃうとですね、
「伸びてるよ!!
鼻の下がミョーッて伸びてるよ!!
でもそのミョーッが大好きー!!」
ワタクシ、そう興奮してしまうのであります。
そんな顔見ちゃうとね、こう、後ろから・・・みたいな。
あ、後ろから・・・っつってもエッチな話じゃないですよ。
抱きしめたくなる、という話です。
考えてみりゃ、ソレはとっても興味深いことで、きっと女の子は、
よりキレイになろうとお化粧をするのだと思うのですが、
その“キレイになる”直前に、ミョーッて、
気の抜けた表情になってしまう。
キレイになる為のプロセスの中に、
より完璧になる為のプロセスの中に、一瞬、
キレイとは逆の、気の抜けた表情をつくってしまうという。
もちろんこれは、女性の方全てに言えることではなく、
あくまでもオレの知ってる範囲の女性で、の話ですが。
なんつーか、
「キレイになろうと努力してる時の顔が一番面白い」みたいな。
キレイになりたいが為に起きる、一瞬の油断。
でも、オレに見せるその油断した顔をナゼか、
オレは、とてもイトオシイと感じてしまうのです。はい。
もちろんソレは、女性にとってイヤなことだと思うし、
そんな顔を見られたくないとは思うのですが、
その顔を見ると、なんだか嬉しくなってしまうのですね。
「あ〜、この子は努力してるんだなぁ」って。
「あの顔になる為にはこういう努力があるんだなぁ」って。
まるで、舞台裏を見たような。
と、友人らにこんな話をしたら、
「もう、付き合って18年だけれど、オマエのツボが一向にわからん」
そう言われてしまいましたー。
姪っ子のエリ(4歳)は最近、お絵かきが好きらしい。
以前は、オレを相手にドラゴンボールごっこばかりしていて、
ピッコロ役のエリは、クリリン役のオレに魔貫光殺砲ばかり
撃っていたのだけれど(オレはいちいち死ななければならない)、
どういう心境の変化か、最近はお絵かきばかりしている。
昨日の夜も、「う〜ん」といっちょまえに
巧く描けないと悩んでるような唸り声をあげながら、
チラシの裏に何やら描いていた。
ゲル:「お、エリちゃん、お絵かきしてんの?」
エリ:「・・・・・・」
ゲル:「何描いてんの?」
エリ:「・・・・・・」
エリは答えない。
ゲル:「あ〜、人を描いてるんだ。
パパ?ママ?お兄ちゃん?誰を描いてんの?」
エリ:「・・・・・・」
やはりエリは、答えない。
(なんだよ、完璧無視かよ!!)
オレはそう思ってエリを離れる。
と、しばらくしたらエリ、
満足する絵を描きあげたのか、
絵を描いたチラシを持ってオレのところに寄ってきた。
エリ:「ゲルちゃん、できたよー」
オレは、「どれ、見せて」とチラシの裏を見た。
エリは「上手?」と訊く。
ゲル:「うん、上手!!
(何を描いたかわからないけど)すっごい上手!!
で、これは誰を描いたの?」(←とりあえず褒めとく大人)
するとエリはにこにこしながら、
なんだか照れくさそうにしている。
ゲル:「人だよね?
あ、でも、ツノが生えてるから人じゃないのかな?
あ、わかった!!
バッファローマンだ!!
じゃなかったら悪魔将軍だ!!」(←んなワケない)
するとエリは、
自分から「見てくれと」言ったクセに、
恥ずかしそうにしながら、答えた。
エリ:「ピッコロ」
あ・・・、ピッコロなんすか、コレ・・・
ゲル:「あ〜、やっぱりピッコロか!!
指がね!!ギザギザしててね!!」
エリ:「上手?」
ゲル:「うん、上手上手!!
エリはお絵かきが上手だね〜。
ピッコロにそっくりだ!!」(←手のひらを返すように)
オレは、内心、
「どこがピッコロじゃ!!靴履いてねぇし!!」
そう叫びたい気持ちを抑えながら、自分に言い聞かせた。
(若い芽を摘んではイカン!!
若い芽を摘んではイカンよ、オレ!!)
(※上の画像は、エリ画伯作『ピッコロ』)
ブルマ。
ブルマー。
ブルーマー。
確か、ブルーマーさんという女性が開発したから
そういう名称になったのだと記憶していたのだけれど、
ここでは、ブルマーと呼ばせていただく。
そのブルマー。
最近、このブルマーというヤツをとんと見なくなった。
オレがまだ学生のころ、
少なくとも、高校を卒業する時までは、このブルマーという運動着は、
女子が運動する時に着用する衣類としてまだ現役であった。
きっと女子生徒はイヤだったのだろうけど、
ソレは、運動着としてまだ現役であった。
男子生徒は短パン、女子はブルマー。
しかし、オレが高校を卒業して数年経ったくらいから、
このブルマーというものは徐々に消え始めたように思う。
思えば、何もあんな厚手のパンツみたいなのを履いて
運動をしなくても良いワケで、
ソレを履くことを余儀なくされた女子の方は、
大変イヤだったのだろう、と思う。
しかも、そこにきて、例の「ブルセラショップ」などという
如何わしい店が次々に登場したものだから
ブルマーのイメージは「性の対象」として一気に悪くなり、
徐々に消え始め、
今では、多くの学校で膝丈くらいのハーフパンツなどを
着用するようになったように思う。
もはや、ブルマーは過去のモノ。
今では、ソレを見るのはエロビデオの中で、くらいになっている。
と、こんな話を友人看護婦である
マサコ(育児休暇中)としていたのだが(←どんな話してんだよ)。
その、マサコの話。
マサコのいうところによると、
マサコもまた、ブルマーを履いた1人であったそうだ。
マサコはオレより4つか5つ年下だから、その運動着が
ブルマーからハーフパンツに切り替わるか切り替わらないか、
そんな感じの時代に学生をやっていたワケだったのだけれど、
それでもマサコの学校では、まだブルマー着用だったそうだ。
「アタシ、女子高だったから」
きっと、ソレも原因の一つであろう。
男子生徒がいない女子高のぶん、男子生徒の視線もないワケだから、
きっとそういうことには鈍感だったのかもしれない。
マサコはまだ、ブルマーを履いていた。
しかし、女子高といっても男性がまるっきりいないワケではない。
男の先生もいるし、用務員のおじさんも男、である。
しかもマサコが高校2年だか3年の時、
体育を受け持つ先生が女性教諭から
30代やそこらの男性教諭に代わったものだから、
マサコとしては、視線が気になって、
体育の時にブルマーを履くのが非常にイヤだったそうである。
しかし学校は厳しく、体育の時はブルマー着用を定めている。
マサコはブルマーがイヤでイヤで、
あの、お尻にピッタリとした、太腿丸出しの、
殆ど下着のようなブルマーがイヤでイヤでたまらない。
そこでマサコは、こう考えたのだそうだ。
「大きいサイズを履こう!!」
マサコの考えでは、
自分にジャストサイズなブルマーではなくて大きめのブルマー、
大きければ大きいほどいい、
1サイズも2サイズも大きなブルマーを履いてダボダボとさせれば
お尻にピッタリとすることもなく、
お尻のカタチも出ないのではないかと思ったのだそうだ。
「名案だと思うでしょ?」
確かに名案かもしれない。
そして、その「名案」を思いついたマサコは、
学校内に設置された購買部へ行く。
「一番大きいサイズのブルマーください!!」
大きいのを、と。
とにかく一番大きいのを、と。
一番大きいサイズのブルマーを購入するマサコ。
そしてマサコは、その日あった体育の時間、
これで安心、とばかりに、
今まで履いていたブルマーに替えて、
購入したブルマーを履いたのだそうだ。
だが、どうしたことだろう。
買ったばかりのブルマー、
買ったばかりの一番大きいサイズのブルマー、
それを履いても、お尻にピッタリとするではないか。
「なんで?」
困惑するマサコ。
大きいサイズのブルマーなのに。
一番大きいサイズのブルマーなのに。
ダボダボすることなくお尻にピッタリとしている。
お尻のカタチがクッキリハッキリ、である。
そこでマサコは、試しに、
今まで履いていたブルマーと新しいブルマーを重ね合わせ、
その大きさを比べてみたのだそうだ。
すると、あろうことか、そのブルマーの幅自体はたいして変らない。
伸縮性があるのは承知のうえだが、それでも、
お尻にピッタリするかしないかの重要なポイントとなる横幅は、
たいして変らないのである。
しかし。
しかし、である。
縦が。
横幅は変らないけど、縦が。
・・・・・・
つまり、こういうことである。
マサコは一番大きいサイズのブルマーを買った。
しかし、そのブルマーはと今までのブルマー、
たいして横幅はたいして変らない。
しかし、横幅はたいして変らないのだけれど、
新しいブルマーと今までのブルマーには1つだけ大きな違いがあって、
それが、縦の長さ。
結局そのブルマーの「一番大きい」たる所以は、
お尻にピッタリするかしないかの重要ポイントの横幅ではなく、
縦の長さにあったワケだ。
「ほら、お父さんのパンツ。
お父さんが履くブリーフって、なんかデカイじゃない?
お腹のあたりまで隠れちゃうような。あんな感じだよ」
試しにマサコは、
その一番大きいブルマーを履いて、
そのブルマーが、マサコの身体をどこまで覆うかを試したそうだ。
本来ならば腰のあたりに来るはずのゴムが、
どこまで来るのかを試したそうだ。
すると。
「いやぁ、胸の下まで隠れたね」
そしてその後、マサコは、よせばイイのに
その胸の下まで隠れるブルマーを履いて、体育を行ったそうである。
もう、アホとしか言いようがないのだが、
マサコ、胸の下まで隠れる
ジャンボブルマーで体育を行ったそうである。
すると、クラスの友人たちは、
そんなアホなマサコにあだ名をつけたのだそうだ。
「なんてつけられたかわかる?」
いや、わからない。
「ジャイアント馬場って」
レギンス & スパッツ。
2007年8月14日 日常 コメント (4)街を歩いてるとよくみかける、
女子がスカートなんかの下に履いてるヤツを「スパッツ」と呼んだら、
「あはははは!!スパッツ!!」
友人看護婦マサコ(←この春、できちゃった結婚)に大笑いされた。
何を笑う!?
何がオカシイ!?
アレはスパッツではないのか!?
「アレはレギンスっていうんだよ」
何ぃぃぃぃ、レギンスだと!?
スパッツじゃん!!
あんなんスパッツと一緒じゃん!!
わかんねーぞー。
違いが全然わかんねーぞー。
おい、マサコ!!
キサマ、言ってみろ!!
レギンスとスパッツの違いを言ってみろ!!
「う〜ん。なんだろう。
よくわかんないけど、
レギンスはオシャレな感じで、
スパッツはオシャレじゃない感じ、かな・・・」
なんだと〜?
レギンスがオシャレでスパッツはオシャレじゃないだと〜?
確かにレギンスがオシャレなのは解る。
ラメが入ってたりなんだりするものもよく見るし、
横っちょがあみあみみたいになってるのも見かける。
そしてソレが、オシャレなのはわかる。
だが、しかし!!
昔、オレがまだ中学生だったか高校生だったかの頃、
スパッツがオシャレアイテムとして流行った時期があったのだ。
こんな田舎町にあっても、
ちょいとオシャレにうるさい女子はスパッツを履いていたものである。
中には、
上はお尻が隠れるくらいのダボダボのTシャツ、
下はスパッツオンリー、という、
今では到底考えられないような
ギリギリのファッションをしている女子もいて、
オレは、コンサート会場などで
何度かそういうのを見かけたことがある。
かなり引いたけれど、
同時にソレは、当時の「オシャレ」でもあった事も確かなのである。
言わば、スパッツというのは、
その当時のオシャレアイテムとして取り入れられていたワケだ。
スラムダンクを読んでくれ。
あの名作マンガ、スラムダンクを読んでくれ。
そして、湘北高校バスケ部マネージャー、
アヤコさんのファッションを見てくれ。
彼女も部活中はTシャツにスパッツである。
流行やファッションなど、時代というモノを映し出すマンガにおいて、
その登場人物がスパッツを履いているということからも、
ソレが当時のオシャレアイテムだったことが伺えるのだ。
ソレが今、「オシャレじゃない」と言われた。
「スパッツはオシャレじゃない感じ」と言われた。
おい、マサコ!!
キサマ、謝れっ!!
アヤコさんに謝れっ!!
スパッツがオシャレじゃないと言ったことを取り消せーっ!!
「じゃ、わかった。
スパッツっていうのは古くて、
レギンスってのは新しい呼び方なんだよ。
昔スパッツって呼んでたのが今はレギンス、みたいな」
なるほど・・・
いや、しかし、どうだ。
古いのがスパッツで新しいのがレギンスというのなら、
あの人の場合はどうなるのだ。
「あの人って?」
木の実ナナ。
木の実ナナはな、今でも履いてるんだよスパッツを!!
上は豹柄のジャケット、
そして下は、スパッツオンリー!!
ソレが彼女のオシャレアイテム!!
呼べるか?
キサマは木の実ナナが履いているアレを、レギンスと呼べるのか?
「いや、木の実ナナのはレギンスとは呼べない・・・」
そうだ!!
木の実ナナのアレは、今も昔もスパッツだ!!
・・・・・・
結局この日、
オレとマサコの間でスパッツとレギンスの線引きについて
明確な答えが出ることはなかった。
スポーツ的なモノがスパッツ?
そうでないモノがレギンス?
漠然としか、答えは出なかった。
だが、しかし。
ただ1つだけ、ハッキリしたこともあった。
ソレは。
「木の実ナナは、時間が止まっている」
ジツはつい先日、失恋しました。
あれ?失恋なのか?コレは。
こういうのは失恋っていうのか?
や、なんかね、ちょっと前に1人の女性と知り合ったのですよ。
まぁ、入院中の話なんですけど。
で、退院してから、彼女から毎日電話が来てたワケですよ。
毎日ですぜ、毎日。
毎日夜の10時になると、彼女から電話が。
んで、オレは、彼女と時々会ったりしてたワケですよ。
で、そんな毎日が続くとですね、
初めはその電話に対しても「めんどくせぇな」とか思ってたのに、
いつの間にか、その電話を待ってたりする自分がいるワケです。
10時になっても電話が来ないと、
「あれ?今日は電話来ないのかな?」なんて思っちゃう。
「何かあったんだろうか」なんて心配になってしまったりする。
その時、オレは気付いたのです。
「あれ?オレは彼女の事好きになってるんじゃないか?」
いや、わかんねぇ。
彼女のことが好きだったのかわかんねぇ。
でも、正直、
オレは彼女と付き合うのかもしれないな、
なんて思ったりしてたワケですよ。
ところが先日、電話の中で、彼女は言いました。
「やっぱりワタシは、ゲルタくんとは付き合えない」
・・・・・・
あれ?オレ、フラレちゃったの・・・かな?
つーか、アレだからね?
まだ、告白とかしてないからね?
しかし飛び出た「付き合えない宣言」。
いや、まだ付き合ってたワケじゃなかったよね?
確かにオレ、かなり心が動いてた。
毎日毎日電話で喋るうちに、彼女のことがかなり気になってた。
でもワタシャ、
「付き合ってくれ」とか「付き合おう」とか、
そんなん一言も言ってないのですよ!!
それなのに!!
嗚呼それなのに!!
「やっぱりワタシは、ゲルタくんとは付き合えない」
アレでしょ。
もう、アレでしょ。
例えるなら、
「美味しいエサがあるよ〜」って言われてのこのこ出てったところを
鉄砲でズドーン!!みたいな。
例えるなら、
「いらっしゃいいらっしゃい」って
呼び込みしてる店に入ろうとしたら、
入り口に「ゲルタお断り」と張り紙がしてあったような。
なんにせよ、
この「告白してもいないのにフラレた」という現実。
これは、オレにとって、相当ヨックなものでした。
オレは、そこまでダメな人間なのか、と。
オレは、告白する前にフラレるほどボンクラなのかと。
ワタクシ不肖ゲルタ、
そんな感じで近頃、塞ぎ気味だったのですが。
が。
そのオレの現状を知って、そんなオレに、先輩が
「落ち込んでもしよーがねぇぞ」とを声をかけてくれました。
そして先輩は、オレに言うのです。
「オレが、ゲルタが一発で元気になる所に連れてってやろう」
は?一発で元気になる?
ソレはどこですか?
「那須ハイランドパーク」
那須ハイランドパークってのは、栃木県にある遊園地です。
なんでオレが遊園地なんぞに行かなきゃならんのか。
めんどくせぇ。
つーかめんどくせぇ。
ちなみに聞くけど、他には誰が行くんですか?
「いや、オレとゲルタの2人でだけど」
だったら余計に行きたくないんですけど!!
なんで34歳と36歳の男2人が
仲良く遊園地なんかに行かなきゃならんのだ!!
行くか!!
そんなもん行ってたまるか!!
しかし先輩は、
「そう言うと思ったよ」と言って、そして、続けました。
「でもね、この情報を聞いたらゲルタは、
絶対に那須ハイランドパークに行きたくなると思うよ?」
なんすか?
「実は今、那須ハイランドパークでは・・・」
那須ハイランドパークでは・・・
「ガンダムワールドってのをやってるらしい!!」
ガ、ガ、ガンダムワールド・・・
え?何ソレ!?
ガンダムワールド?何ソレ!?
ガンダムなワールドなワケですか?
「うん、そうだね」
もちろん、ガンダムがいっぱいあるんですか?
「うん、そうだね!!」
うおおおおっ!!
チョー行きてぇっ!!
「ちなみにガンダムワールドには、
Zガンダムのコックピットがあって、乗れるらしいよ?」
Zガンダムのコックピット・・・
行くっ!!
絶対行くっ!!
オレ、Zガンダム、行きまぁ〜す!!
っつーことで、昨日、その那須ハイランドパークの
ガンダムワールドに行ってきたワケですが。
いやぁ、素晴らしいね、ガンダム。
いやぁ、最高だね、ガンダムワールド。
入り口を入るとすぐ、
フルスケールのガンダムとシャアザクの頭部があってね。
で、中には歴代のガンプラが飾られていて、
んで、結構マニアックな問題が出る
ガンダムのクイズコーナーとかがあってね。
ええ、全問正解ですよ。
もちろんワタクシ、全問正解でございますよ。
画面に映ったシャアも、「やるっ!!」って言ってましたよ。
で、最後まで進んでいくとですね、あるワケですよ。
Zガンダムのコックピットが。
Zガンダムの操縦席があるワケですよ。
もう、並んだね。
もうオレ、操縦席に座りたくて子供達の行列に並んだね。
で、オレの番が来たらもう、オレ、操縦席から叫びましたね。
「ゲルタ、行きまぁ〜す!!」
ギャハハハハハハハ!!
先輩は恥ずかしいからやめてくれって言うけど、
そんなん関係ねーっつーの!!
もう1回言っちゃうもん、「オレ、行きまぁ〜す!!」
ギャッハハハハハハハッ!!(←テンション最高潮)
っつーことで、
遊園地に行ったクセにガンダムワールド以外には見向きもせず、
他の絶叫マシンなどには
一切乗ってこなかったワケですが(←動くパンダの乗り物には乗った)
オレにとって、それはそれは楽しい出来事でした。
いつの間にか彼女のことも忘れ、
っつーか、どーでもよくなり、
オレは、ボンクラはボンクラなりに生きていきましょうと、
そう思ったのでした。
・・・・・・
でも、一つだけ。
でも、実は一つだけ、彼女に対して後悔してることもあったりします。
おっぱいぐらい触っておきゃよかった、なんて(←ボンクラ)
【※上の写真は、パンダで遊園地内を爆走するゲルタさん(34)】
森の中に一匹の美しい蝶と、一匹の醜い蛾がいました。
蝶は、木の隙間から射す光に照らされて、
ひらひらと美しく羽ばたきます。
その姿はまるで、美しい物語の1頁のように優雅で、高貴で、
それでいて圧倒的なもので、
蛾は、その美しい蝶の姿に目を奪われ、
いつしか心までも奪われてしまいました。
蛾は、醜い自分を呪いつつも、
少しでも蝶に近づきたいと、
陽の光を浴びながら、美しく羽ばたこうとしました。
少しでも近づきたい。
少しでもアナタの傍に行きたいと。
しかし、陽の光に羽が焼けてしまいそうで、
蛾は、美しく羽ばたけません。
あきらめきれない蛾は、薄暗く湿った地面の上から、
その羽に白く陽の光を反射させている蝶を見上げて、言いました。
「ワタシは、アナタの一部になりたいのです。
ワタシはアナタという物語の一頁になりたいのです。
アナタという物語にワタシの名前が刻まれたのなら、
どんなに嬉しいことでしょう」
すると蝶は、陽の光を背にひらひらと舞いながら、言いました。
「ワタシが紡ぐ物語の中に、アナタが登場する頁はありません。
ワタシが紡ぐ物語の中に、アナタは登場しません。
ワタシは陽の光を浴びて、空を求めます。
アナタは月の光を浴びて、空を求めます。
ワタシという物語とアナタという物語は、
永遠に交わることはないのです」
それを聞いた蛾は、悲しくてしかたがありませんでした。
だから、蛾は、
せめてその美しい蝶の姿を心の中にしまっておこうと、
薄暗く湿った土の上で、目を閉じました。
目を閉じると、瞼の裏に、
陽の光を浴びながら舞う蝶の姿が浮かぶのです。
蝶の美しい物語が浮かぶのです。
蛾は、薄暗く湿った土の上、いつまでも目を閉じていました。
何べんの朝陽が昇っても、何べんの月が昇っても、
いつまでも目を閉じているのでした。
そしていつしか、蛾は、羽ばたくことを忘れてしまいました。
夏ガ来レバ思イ出ス。
2007年8月11日 日常 コメント (6)へっへっへ。
ダルビッシュ、来シーズンはきっとダメだぜ?
きっと来シーズンのダルビッシュは、いまいち成績がパッとしないぜ?
いやいやいや。
プロスポーツの世界では、よく、家庭を持ったら
成績がよくなったとか成績が悪くなったとかあるけれど、
そういう話ではなくてね。
家庭をもったから成績がどうこうといった話ではなくてね。
オレ、ダルビッシュに呪いをかけといたから(←チョー陰湿)
だぁってよぅ!!
オレ、サエコが好きだったんだよ!!
ピザーラのCM見るたびに、
ズッキンドッキンしてたんだよマイハート!!
それなのによぅ。
サエコ、ダルビッシュと結婚て。
しかも、すでに赤ちゃんが、って。
そしたらもう、呪うしかないじゃない!!(←悪あがき)
ヘイ、ユー、ダルビッシュ有!!
オレはもう、キサマのことはダルビッシュ有とは呼ばないぞ!!
ダルビッシュ有とは決して呼ばないぞ!!
鮪だ!!
オレはキサマのことを「ダルビッシュ鮪」って呼んでやる!!
へっ。
勝手に魚偏つけといてやったぜ。
オレに感謝するこったな!!
ちうか、サエコを泣かすような真似したらオレが許さねぇ。
もしそんなことをしたら、オレは、
オマエを模した藁人形に五寸釘を打ち込む!!(←重ね重ね陰湿)
覚えておくがいい!!
そして!!
絶対に!!
サエコと生まれてくる子供を幸せにするんだぜ!!
オレの願いはソレだけだ!!
あ、あと、将来、FA資格とってもジャイアンツにだけは行くな!!
ソレもオレの願いだ!!
まぁ、それはソレとして。
夏真っ盛りですね。
みなさま、いかがお過ごしですか?(←急にトーンダウン)
すでに夏の思い出はお作りになられましたか?
海には行かれましたか?
海で、楽しい一時をお過ごしになられましたか?
そして、若いカップルは人目を憚ることもなく
互いの身体にサンオイルなんぞを
塗りっこしちゃったりなんかしちゃったりしちゃったのですか?
いちゃいちゃいちゃいちゃ、日焼け止めのオイルを
塗りっこしちゃったりなんかしちゃったりしちゃったのですか?
アホかっ!!(←急にヒートアップ)
キサマらなど焼けてしまえっ!!
そしてお風呂で地味〜にシミてしまえっ!!
何がサンオイルじゃコノヤロウ!!
キサマなんぞサラダ油でじゅうぶんだ!!
塗っとけ!!
サラダ油塗っとけ!!
リセッタ入りまーす!!
だいたいオレは、海ってヤツにイイ思い出がないんだ。
思い返してみても、
海ってヤツに関してイイ思い出が浮かんでこねぇのさ。
まず、『海に行く時事故った事件』。
これはアレ。
海に行く最中、友人が運転する車の助手席に乗ってたら、
前の車にモーレツに追突して、オレ、
フロントガラスを頭で突き破ってしまったという。
血だらけですよ。
もちろん頭、血だらけですよ。
警察が来てね。
救急車も来てね。
オレ、「救急車に乗りなさい!!」って言われたんだけど、
きっぱり断ったのですよ。
「海に行きたいからいいです!!」って。
そんで頭から血を流しながら海に入ったんだけどね、
なんせ塩水ですもん。
傷口にシミてシミて、痛いったらありゃしませんでしたよ、ええ。
あと、『テトラポットから落下事件』。
まぁ、海を見にいったとき、
その名のとおり、テトラポットから落ちたワケですが。
落ちただけならまだ良かったんだけど、
海に落ちたオレが車の座席に座ることで座席が塗れるのを嫌った友人、
オレをトランクに押し込めましてね。
オレ、2時間近くトランクに入れられたまま、帰宅したという。
あと、『やくざにボコボコにされた事件』とかね。
『シャワーの順番を抜かされて
ボコボコにしてやったらソイツは地元の族だった事件』とかね。
これらは題名そのまま、といった話なんですけど。
いくつもの忌まわしい記憶が蘇ってくるんですよ、海ってヤツァ。
そんな中でも、最も忌まわしいのが、アレ。
あの事件。
『オレ、国道沿いノーパン事件』。
こいつは忌まわしい。
オレにとって、最も忌まわしい記憶ですよ、ええ。
多分まだ、オレが20歳になる前の話です。
海に行ったのですね、当時勤めてた会社の、
仲のイイ先輩とか、同期の仲間とかと。
もちろん、女の子もおりましたですよ。
で、海でさんざん遊んで、
さて、着替えて帰ろうかと思って更衣室で海パンを脱いで、
フツーのパンツを履こうと思ったらですね。
濡れてんですよ、パンツが。
バッグも濡れてないし、
バッグに入ってた他の荷物も濡れてないのだけれど、
ナゼか、バッグに入れておいたパンツだけはグショグショ濡れてんの。
ナゼに?
ナゼにパンツだけがグショグショ?
今思えば、きっと先輩のイタズラだったのでは、と思うんですよ。
なんせ、イタズラとか遊びとかが大好きな先輩だったもんで。
今でも仲がイイんですけど、オレの今の性格は、
この先輩によって方向付けられたと言っても過言ではないほど、
オレに影響を与えた先輩なんです、その人。
高校時代、昼は卓球部の部長。
夜は暴走族のリーダー。
そんな人だったんだけど、性格は飛びぬけて明るかった。
オレたちも自然、その先輩に惹き付けられたモノです。
で、オレ思うに、犯人はその先輩じゃないか、と。
先輩が、オレのパンツをイタズラで濡らしておいたのではないか、と。
本人は違うと言ってましたけど。
で、パンツが濡れてしまったオレは困った。
濡れたパンツを履くのもイヤだし、
一度脱いだ海パンを履くのもなんかイヤだ。
だいいち、車を出した先輩が、
「濡れてるヤツは車に乗せねぇ」って言ってたし。
ってことでオレ、
腰にタオルを巻きつけた状態で海を去ることになったのです。
ノーパンですよ。
もちろんタオルの中身はノーパンですよ。
でも幸い、海の近くの国道沿い、
相馬っていう「相馬野馬追い」って祭が有名なとこでの話なんですが、
その相馬の国道6号線沿いにコンビニがありましたから、
途中、そのコンビニにパンツを買いに寄ったのですね。
腰にタオル巻いただけのノーパンで。
で、コンビニに入るとですね、
やっぱ、他の客みんながオレを見るワケですよ。
まぁ、中身がノーパンだとは思いもしなかったと思いますけど、
なんせ、腰からタオル巻いてますから。
「なんかヘンなヤツが来たぞ」ってな感じでオレを見る。
と、見られてオレはですね、
「おぅおぅ、何見てんだコラ」と。
や、今となってはお恥ずかしい話なのですが、
なんせ当時は若かったですから。
無鉄砲的なところがありましたから。
「何見てんだコノヤロウ!!ブッ殺すぞっ!!」と。
まぁ、凄んでみたところで
タオルの下はノーパンなワケですが(←マヌケ)
で、オレ、無事にパンツを買ってですね、
そのコンビニを出て駐車場に戻ろうとしたらですね、
背後から突然。
ええ、まさしく背後から突然ですよ。
先輩が音もなく近づいてきてイキナリ。
「フ〜ルチ〜ン!!」
オレの腰に巻いたタオルを奪って逃げていったのですね。
オレ、コンビニで買ったパンツはまだ履いてなかったものですから、
完全に露出ですよ。
シャイなアンチクショウもコンニチハ、ですよ。
あ、シャイなアンチクショウってどこだか判ります?
まぁ、医学的、生物学的にに言えばチンコなワケですが。
キャァァァァァァッ!!
一緒に行った女の子たちもキャァァァァァァッ!!
しかも国道沿いですからね。
海から帰ろうとする車で渋滞してる
国道沿いのコンビニの駐車場ですからね。
ソレに、国道から見えるならまだしも、
つい先ほど、
オレが「ブッ殺す!!」息巻いてたコンビニからも丸見えですから。
さっきまでチョーシこいてたヤツが3分後には丸出しですから。
ああっ!!
ヤバイッ、隠さなきゃ!!
アンチクショウを隠さなきゃ!!
うああああ!!
アンチクショウを両手で隠すとケツが丸見えにっ!!
隠さなきゃっ!!
ケツも隠さなきゃっ!!
で、両手で前と後ろを隠しながら、
オレ、急いで車に乗りこもうとしたワケですね。
そりゃぁそうです。
なんせ、国道で渋滞してる人からは丸見えですから。
見られて恥ずかしくないようなモノは持ってませんから。
で、車に乗り込もうとしたら。
ドアがロック。
ぬおおおおおっ!!
ドアを開けてぇっ!!
今すぐ車に入れてぇっ!!
つーかもう、勘弁してくださいって!!
今考えると、もう、完璧にイジメですよね。
もう、イタズラの範疇を超越しまくりですよね。
まぁ、すぐに車に入れてもらえましたけど。
ソレからのことですよ、オレが海に入らなくなったのは。
ソレからのことですよ、オレが相馬に近づかなくなったのは。
夏が来れば思い出すのです、この忌まわしき出来事を。
プレイ in 美容室。
2007年8月10日 日常 コメント (5)入院中は、モヒカンでした。
ええ、モヒカンですモヒカン。
オレ、入院中、髪形をモヒカンにしてたんです。
ソフトモヒカンじゃなくてね、バリバリにモヒカン。
頭の真中だけに髪を残して、残りは真っ青っていう。
外出した時に、友人美容師にやってもらったんです。
パンキッシュオレ、イェアッ!!
イイ歳ブッこいてんのにどうしてモヒカンなのかってぇと、ね。
いっぺんやってみたかったんです、モヒカン。
昔から憧れてたんです、本当のモヒカン。
でも、勤め人になっちゃうと、いろんな制約があるから、
そんなパンクな髪形なんか、なかなかできない。
チャレンジする機会がほとんどない。
しかしこの度オレ、長期の入院。
「だったら今だろ!!
だったら、
モヒカンにするチャンスは入院してる今しかねぇだろ!!
ナ〜ウ、ゲッタ、チャンスッ!!」
っつーことで、
入院中、モヒカンだったんです、オレ。
でも、退院すると、そうはいかない。
いつまでもそんな髪形にしてるワケにはいかない。
職場に挨拶に行ったりしなきゃイカンですし。
なんせウチの職場はお堅い職場、
体制側のド真中に位置を置く組織なモノですから、
反体制の象徴みたいな髪形でそんな組織の中に入って行くのは
とうてい許されるモノではない。
ということで、前置きがだいぶ長くなりましたが、
昨日、髪を切りに美容室に行ってまいりました。
で、オレ、いつも思うんですけどね。
オレ、美容室に行くたびにいっつも思うんですけどね。
仰向けになって髪を洗う時に顔に乗せる、あの、ガーゼみたいなの。
ほら、髪を洗う時に乗せるでしょ?
顔が濡れないようになんだか視線が合わないようになんだか、
ガーゼで目隠しされるじゃないですか。
アレって、プレイだよね。
や、なんつーの?
ほら、大人になると、いろんなプレイがあるじゃないですか。
主に夜の話で。
コスチュームプレイだったり、赤ちゃんプレイだったり、
緊縛プレイだったり。
アレアレ、アレと一緒。
美容室で髪を洗う時にされる目隠し、アレは目隠しプレイ。
だぁってさ、アレ、なんかちょっと興奮しないですか?
目隠しされるとちょっと、興奮しないですか?
なんか、急に視界を遮断されて。
視界を遮られると急に、不安になって。
「どこから来るんだ?どこから来るんだ?
ヤツはどこから責めてくるんだ?
うおおおお、そこから来たかぁーっ!!」 みてぇな。
「おおお、責められてるぅ!!
無防備なオレが責められてるぅ!!
こんな恥ずかしいワタシをもっと見て!!」みてぇな(←バカ)
まぁ、責めるっつっても髪を洗うだけなんですけど。
でも、その責める美容師さんが
美容師見習いみたいな若い異性だったりするともう、
興奮の度合いも更にヒートアップですわ。
興奮の度合い、1.5倍ですわ。
「オレ、今、あんな若い子にいいように弄ばれてる!!
何!?この屈辱感!!でも、ちょっと嬉しい・・・」みてぇな。
ガーゼで視界を遮られているという普通じゃない世界に、
ちょっと興奮してしまうという。
オレ思うに、
目隠しされてると、相手の動きが把握できない。
相手の動きが把握できないと、緊張と不安が高まる。
と、同時に、その緊張と不安の裏返しには独特の感情があって、
その緊張と不安を楽しんでしまうという心理も働く。
人は、そこに喜びを感じる心を持っているんじゃないか、と。
ソレは、夜も美容室も一緒なんじゃないか、と。
美容室に行く度、オレ、いっつもそんなこと考えてるワケです。
つーか、もう、アレだね。
なんつーか、もう、アレ。
「美容室は髪を切るところであると同時に、プレイゾーンでもある」
そう言っても過言ではないね。
・・・・・・
ソレにしても。
オレ、自分はドSもドS、もう、XSだと思っていましたが、
もしかすると自分、Mの気もあるのかもしれないと思ったり。
だって、目隠しされて興奮するとか言ってんだから、
オレ、Mっ気もあるんでしょうかね。やっぱり。
そしたらアレだよね。
そしたらオレ、SもMも1人で同時にプレイできてお得だよね。
「へっへっへ、いじめちゃうぜ、オレ!!」
「ああ、やめてください、オレ!!」
まぁ、全然つまんないワケですが(←対戦相手募集中)
ドーデモイイ話。 〜 イルカ in ロサンゼルス 〜
2007年8月9日 日常 コメント (4)どーでもいい話。
シンガーソングライターのイルカは、
レコーディングをする時、
ロサンゼルスのスタジオでレコーディングするらしいよ。
イルカ in ロサンゼルス。
♪いま〜春がきて〜君〜は〜綺麗に〜なった〜
♪み〜ん〜な〜 お〜な〜じ〜 生きているか〜ら〜
・・・・・・
なんか、イルカの曲を思い出しながら口ずさんでみると、
その、ロサンゼルスでレコーディングするということに対して、
こう思っちゃうよね。
「ソレって、必要?」
入院中、研修としてオレを担当することになったとして、
主治医が、1人の医学生をオレに紹介した。
マキちゃん。
小柄な女子学生である。
「今日から担当させていただくことになりました!!
ご迷惑をかけることもあるかと思いますが、
よろしくお願いします!!」
“元気な女子”、というのがオレが彼女に持った印象。
しかし、オレが「あ、どーも」とぶっきらぼうに返事をすると、
その返事の印象がよくなかったのか、
彼女が作った笑顔は、どこか引き攣っていたようであった。
挨拶が終ってしばらくすると、彼女は、
「失礼しま〜す」とオレのところに1人でやってきた。
オレに好印象を持っていないのかやはり緊張しているようで、
その挨拶もどこか、おっかなびっくり、といった感じ。
オレが最初に持った“元気な女子”といった感じも完全になりを潜め、
声も少し、小さい感じになっていた。
彼女は、片方の腕に電動の血圧計を抱えていた。
「あの、もしよろしければ、
血圧を計らせていただいてもいいですか?
あの、もし、お時間があればで結構なんですけど・・・」
なんせこっちは入院中の身。
時間などはほぼ無限にある。
「ああ、構わないですよ」とオレが言うと、
彼女は、「じゃ、失礼します」と、
やはり少し“おそるおそる”といった感じで
血圧計の腕に巻く例のアレ、
空気が入ると膨らむ例のアレ(名前わからん)を
オレの腕に巻きつけた。
そして彼女は「失礼します」と言ったっきり無言のまま、
電動の血圧計のスタートボタンを押す。
ウィ〜ンと機械がうなり、
腕に巻いた例のアレが膨らんでオレの腕を締め付けた。
しばらくすると、測定値がデジタルの数字になって
血圧計の画面に表れる。
しかし、彼女は、その結果を見てしきりに
「あれ?あれ?」と呟いていた。
オレが「何?どうかしたんですか?」と訊くと、
「あ、いや・・・」と彼女の返事は煮え切らない。
オレは少しイラッとして
「血圧いくつ?」
そう訊くと、彼女は、酷く狼狽した感じで、言った。
「30なんですけど・・・」
血圧30。
オレは少し面食らった。
そんな血圧の測定値であったら、オレ、
そこにそうしていることがオカシイことになる。
「え?30ってソレ、上?下?」
「上です」
ソレを訊いて、オレの口からは反射的に、言葉が出た。
「え?もしかしてオレ、瀕死!?」
ソレを聞いて彼女は、ブーッと噴出し、
そして、「アハハハ」と大声で笑った。
「瀕死って!!アハハハハ!!」
その声にオレは、「おっ」と思う。
ちょっと緊張がほぐれたのではないだろうか。
「あの、ワタシが聞くのもなんですけど、瀕死じゃないですよね?」
「うん、オレ、多分瀕死じゃないと思う・・・」
ちなみに、下の数値も訊いてみた。
「下も30ですね・・・」
上が30、下も30。
血圧測定値、30の30、である。
オシャレ30・30である。
早い話が器械の故障。
オレは一応「何ソレ!?」と大袈裟に驚いてみせて、さらに、続けた。
「オシャレ30.30みたいだよね」
すると彼女は、また、「アハハハハ!!」と大声で笑った。
そして、「あ、大きい声出してすみません!!」と言い、
続けて、
「ワタシ、違う血圧計持ってきます!!」
そう言って元気に部屋を出ていった。
しばらくすると、彼女は、
電動ではない、手動でスコスコやる血圧計を持ってきた。
手元のポンプをスコスコやると、
腕に巻いた例のアレが膨らむ手動式の血圧計である。
「違うの持ってきました!!」
次にオレのところにやってきた彼女は、
初めと違って“元気な女子”という感じに戻っていた。
彼女は早速、腕に巻く例のアレをオレの腕に巻いて、
血圧測定に取り掛かる。
手元のラグビーボールのようなポンプを、スコスコ始める。
スコスコスコスコ―
「きつくないですか?」と彼女はオレに訊くのだが、
まだスコスコ始めたばかり、きついはずもない。
オレは、「ダイジョブです」と答えると、
彼女は、その間を埋めるがごとく、
スコスコやりながらオレに向かって次々と話始めた。
初めの時とは人が変ったように話し始めた。
「入院って、退屈じゃないですか?」
スコスコスコスコ―
「研修って言っても、血圧計ることと、
患者さんのお話を聞かせてもらうことくらいしかできないんですよ」
スコスコスコスコ―
「ワタシ、埼玉出身なんです」
スコスコスコスコ―
「ワタシ正直、この血圧計苦手なんですよねー」
スコスコスコスコ―
スコスコスコスコー
スコスコスコスコー
スコスコスコスコー
スコスコスコスコ―
スコスコスコスコー
スコスコスコスコー
スコスコスコスコー
根が話し好きなのだろう、
彼女は、尚もスコスコやりながら話続ける。
オレは、その彼女の話にうなずいたり返事をしたりしながら、
心の中で、思った。
(あのぅ・・・スコスコやりすぎじゃないですか?)
痛い。
痛いのだ、腕が。
彼女が話しをしながらスコスコやりすぎている為に、
腕に巻く例のアレがギュウギュウにオレの腕を締め付けて、
ハンパなく痛いのだ。
しかし彼女は、もう、話に夢中になっていて
スコスコの存在などは忘れかけている。いや、忘れている。
口が動くのと同時にスコスコを握る手も動き、
そして、厄介な事に、彼女の脳はきっと、
2つを同時に、そして、
まったく結びつけることなく指令を出しているのだ。
スコスコスコスコ―
スコスコスコスコー
スコスコスコスコー
スコスコスコスコー
スコスコスコスコ―
スコスコスコスコー
スコスコスコスコー
スコスコスコスコー
(痛い!!痛いよ!!
つーか、腕が腐るわ!!腕が壊死してしまうわっ!!)
しかし彼女は、休むことなくスコスコスコ。
すると彼女は、スコスコやりながら、言った。
「ワタシ、患者さんを担当させていただくの、
ゲルタさんが初めてなんですよー」
オレは、半分くらい
「痛ぇなコノヤロウ!!」という気持ちになっていたのだけれど、
そんなこと言われちゃとても言えず、
「やー、そうなんですか」
と返事をすると、
(とりあえず、
彼女がスコスコの存在を思い出すまで痛いのを我慢しよう)
そう、心の中で決めた。
今でも、右腕にくっきりと残った
腕に巻く例のアレのカタチについたアザを見ると思い出す、
入院中の出来事である。
・・・・・・
ちなみにマキちゃんは、その後毎日、血圧を計りに来た。
彼女もだんだん血圧計の扱いに慣れてきたようで、
スコスコもやりすぎることもなくなった。
血圧を計るのはほんの1分くらいの時間で終るのだけれど、
それから30分くらい、毎日のように喋る。
病気の話からどーでもいい話まで。
マキちゃんの学校の話からオレのアホな話まで。
いや、喋るだけではなくて、
オレがガンプラ(Zガンダム ver2.0)を作るのを、
手伝ってくれたりした。
もはや、血圧を測定してもらうというのは
体のいい口実、といった感じで、
オレはいつの間にかソレが、
何も無い入院生活の楽しみになっていた。
時には、オレが新撰組が好きだと言うと、
休日に本屋に行って、
「お見舞いです」と新撰組に関する小説をたくさん買って
持ってきてくれたりした。
持っている小説ばかりだったけど、
オレはなんともソレがうれしくて、「ありがとう」と受け取った。
しかし、2週間もすると、マキちゃんは、
「来週から、次の研修先に行かなきゃならないんです」
そう言った。
もう、来週からは血圧を計りにこれなくなるという。
オレが今までのお礼を述べると、
彼女は、オレの気のせいでなければ少し涙ぐんでいたようで、
最後に、こう言ってくれた。
「医者になりたいと思って学生になって、一番最初に
担当させてもらった患者さんが、ゲルタさんで、よかったです」
そう言われてオレは、
自分が少し、涙ぐんでることに気付いた。
こんにちは。
手術前、手術室に入って全身麻酔をする直前に、
『麻酔で眠らない宣言』をしたゲルタです。
オレは麻酔なんぞで眠らないぞ、と。
大自然より生まれしこのオレが、
化学の力になんか負けやしないぞ、と。
「言っとくけど、オレに麻酔は効かないぜ!!
オレは麻酔に勝つのだ!!
眠らせてみろ!!
悔しかったらこのオレを麻酔で眠らせてみろ!!」
「はいはい、わかったわかった。
じゃ、薬が入るからねー。
だんだんボーッとして眠くなるからねー」
「だから、眠らないって言ってるだろう!!
オレはそう簡単に麻酔ごときに眠・・らさ・・・れ・・・」
スコ〜(←瞬殺)
結局その後、10時間ほど眠らされてたワケですが(←完敗)
まぁ、それはソレとして。
入院中困ったこと。
それは、イビキ。
酷いワケですわ。
イビキが酷いワケですわ、隣のジイサンの。
「グガガガガガ〜、グガガガガガ〜」って、
全くものすげぇ音をたてやがる。
や、オレ、入院中、
手術後のしばらくの間だけ個室に入ってて、
ソレ以外は4人部屋に入ってたのですけど、
その4人部屋にいた時に、隣のジイサンのイビキが酷かったのですよ。
もうオレ、毎日のように睡眠不足ですわ。
すいみんすいんみんすいみんすいみんすいみんぶっそっく♪ですわ。
ふざけんな、と。
おい、ジイサンふざけんな、と。
ジイサン、ワリと静かな人なんだけど、
日中は静かなのに、夜になると「グガガガガガ〜」。
轟音を轟かせるという。
キミはアレかね?暴走族の一味かね?
しかもその、ジイサンのイビキ。
ときどき止まるんですね。
なんつーの?
無呼吸症候群ってヤツ?
途中でいきなり、ピタッて止まんの。
「グガガガガ〜」ってイビキかいてると思ったら、
突然、「グガッ!!」っつって突然止まんの。
そうなるとさ、隣に寝てるオレも、
なんか知らないけど息が止まっちゃうのね。
なんつーか。
息を飲むっつーか。
聞いてるオレも、
緊張のあまり息をすることさえ忘れてしまう、というか。
ジイサンの呼吸が止まると、
ソレを聞いてるオレの呼吸も、ナゼか止まってしまうという。
ジジ:「グガガガガガ〜
グガガガガガ〜
グガガガガガ〜
グガガガガガ〜・・・グガッ!!」(←無呼吸、入りました)
ゲル:「ハゥッ!!」(←つられて無呼吸、入りました)
ジジ:「・・・・・・」
ゲル:「・・・・・・」
ジジ:「・・・・・・」
ゲル:「・・・・・・」
ジジ:「・・・・・・」
ゲル:「・・・・・・」
ジジ:「・・・・・・」
ゲル:「・・・・・・」
ジジ:「・・・グガ〜!!」(←呼吸、再開しました)
ゲル:「・・・プハァ〜!!」(←つられて呼吸、再開しました)
おい、ジイサン!!
死んでしまうわ!!
オレが死んでしまうわ!!
息を引き取りそうになったわ!!
しかもさ、先ほども申しましたとおりオレ、
大部屋に入っておったワケですが、その大部屋。
狭いワケですよ。
大部屋とは言うけれど、結構狭い。
自分のベッドと隣のベッドの間もね、
カーテンで仕切られているとはいうものの、ものすごく近いワケです。
人が1人、入るくらいの隙間しか開いてない。
だから、ジイサンのイビキ、
オレのほとんど耳元なワケですよ。
耳元で「グガガガガ〜」なワケですよ。
おいおいおいおい、勘弁してくれ、と。
添い寝してくれる女子も久しくいないというのに、
今、隣にいるのはジイサンか?
そして、聞かされているのは甘い言葉ではなくイビキなのか?と。
おいおいおいおい、勘弁してくれ、と。
だからオレ、ジイサンのベッドをこっそり移動してたんですね。
や、ちょっとしたイタズラみたいな感じですわ。
ジイサンがいない隙にジイサンのベッドを押して、
オレのベッドとの距離を、少しずつ離していたんです。
や、一気にグワッと離しちゃうとバレちゃうからね、
ちょっとずつちょっとずつ、
ジイサンがベッドから離れた隙に、ちょっとずつ動かしてたんです。
いつバレるかな〜?
いつバレちゃうかな〜?
そんなこと思いながら、ちょっとずつ移動させてたんです。
ジイサンのベッド。
そしたら、最終的には2メートルくらい動かしてしまったという。
もう、あからさまに移動してんですね、ベッドが。
昨日と今日で、あからさまにベッドの位置が違うんです。
しかし、ジイサンは気付かず。
おいジイサン!!
意識をしっかり持て、ジイサン!!
その異変に、一番最初に気付いたのは看護婦さんでした。
看護:「あれ?
○○さんのベッドの位置、なんか変じゃない?
誰か動かしたのかな?」
ゲル:「さぁ?」(←犯人はここにいます)
入院中、看護婦さんに内緒で
こっそりと病院の敷地の裏手の方に抜け出して
タバコをプカプカとやっていると、やはり、オレと同じように
入院しながら隠れてタバコをプカプカやっていた若い女の子、
おそらく、20歳前後と思われるいかにも今時、といった感じの女の子、
「入院してんのになんでそんなに派手なんだよ」と、
思わず思ってしまうような感じの感じの女の子に、
「入院って暇ですよね」と話し掛けられた。
入院中、病院の中をフラフラしてる時に何度か見かけた顔である。
女の子もオレを見かけたことがあるのか、
オレは、その女の子に話し掛けられた。
「アタシってじっとしてるのダメな人じゃないですかー。
だから病室にいるのとか耐えられないんですよねー」
オレは、イキナリ話し掛けられて
なんだか「メンドクセェな」と思いつつも、
せめてタバコを吸い終わるまではその話につきおうか、と思う。
すると女の子は、ほぼ一方的に、
オレに向かって馴れ馴れしく話始めた。
次から次へと繰り出されるマシンガントーク。
オレは、女の子の話をほぼ一方的に、聞かされる。
「抜け出して映画でも観にいこうかなー。
ほら、アタシってこう見えて
意外と映画とか好きな人じゃないですかー」
「なんかオススメの映画とかないですかー?
ドランクモンキー酔拳?何ソレ知らねー。」
「あ、ジャッキー・チェンはフツーに知ってますよー。
ってゆーかアタシって、
アクションモノとかダメな人じゃないですかー。
だからあんまりそういうの観ないんですよねー」
「ってゆーかアタシって泣ける映画が好きな人なんですよー。
セカチュー観ました?
アタシって映画観て泣きたい人じゃないですかー。
ああいうの観て泣くのが好きなんですよー」
その後も女の子は、話を続ける。
「アタシって涙もろい人じゃないですかー」
「アタシって本とかも読む人じゃないですかー」
「アタシって魚とか食べられない人じゃないですかー」
「アタシって肉の方が好きな人なんでー」
「アタシって炭酸とか飲めない人じゃないですかー」
「アタシって―」
「アタシって―」
「アタシって―」
「アタシって―」・・・
・・・・・・
「アタシって○○な人じゃないですか〜」
ソレは、今時の若者の仲間意識が生み出す特有のモノなのだろうか。
それとも、自分を知ってもらいたいという淋しさの表れなのか。
自らを省みることなく膨れ上がった自意識!!
相手が自分を理解しているだろうと思っている認識の甘さ!!
ソレは、現代が生み出した病理の1つなのだろうか。
・・・・・・
女。
おい、女よ。
キミがどんな人なのかはよくわかった。
だが、女。
ワタシは、そんなキミに、この言葉を贈るよ。
キサマの事など、知るか。
夏。
焼け付くような日差し。
蚊取り線香。
セミの声。
夏。
夏休みに遊ぶ子供たち。
熟れたスイカ。
高校野球。
夏。
飛び散る水しぶき。
海なのにスクール水着。
Tシャツからスケてるブラジャー。
そして、どこからか聞こえてくる花火の音。
花火。
ソレは日本の夏には欠かせないモノ。
人は、
ドンドンという打上の音に心を躍らせ、
夜空にパァッと広がる光に酔いしれる。
果たして、花火が嫌いだという人はいるのだろうか。
いや、みんなきっと、花火が好きだ。
ウチの母親も、花火が好きである。
そりゃぁもう、花火が大好きである。
どこかでドンドンと打上の音が聞こえれば
「あ、花火なってる!!」とウチの裏窓から夜空を眺め、
遠くで上がった小さく見える花火を見つけては、喜んでいる。
昨日の夜もそうだった。
晩飯時、
ウチの裏手の方のどこかからドンドンと花火の音が聞こえた。
ソレに気付くと母親は食事中にも関わらず箸を置き、
ダッシュで裏窓に張り付いて、遠くを眺めた。
しかし、昨日打ち上がっていた花火は、
市町村などが開催するドンドンドンドンと次々に打ち上がるような
大きな花火大会のモノではなかったらしい。
きっと、スケールの小さい、町内会とか、
どこかの工場や施設とか、
そんな感じの夏祭りかなんかの花火だったのだろう。
ドンと花火が打ち上がってから、しばらく間があく。
そしてまた、ドン。
打ち上げる人の数が足りないのか要領が悪いのか、
打上と打上の間に、中途半端な間が開く。
母親は、打上の音が聞こえると慌てて裏窓に張り付いたのだけれど、
次の打上がしばらくないと、
「あれ?花火もう終っちゃったのかねぇ」と
また晩飯の続きを食べに戻ってくる。
と、そこに、ドン。
花火が打ち上がる。
母親はまたダッシュで裏窓に張り付くのだけれど当然花火は見れず、
また、しばらく打上がないものだから、
「今度こそ終ったかねぇ」と母親は、ご飯を食べに戻ってくる。
だいたい、花火の音というのは
花火が上がってから数秒後に聞こえてくるのだから
音が鳴ってすぐに駆けつけても遅いのだし、
そんなに気になるのなら
裏窓にずぅっと張り付いてりゃいいようなモノだけれど、
母親にしてみりゃ晩飯の方も気になるらしい。
母親は、花火を気にしながらいちいち戻ってくる。
と、ドン。
昨日の夜は、これの繰り返しであった。
ドン。
母親ダッシュ。
見れずに帰ってくる母親。
・・・と、ドン。
母親ダッシュ。
帰ってくる母親。
・・・と、ドン。
母ダッシュ。
帰ってくる母。
・・・ドン。
ダッシュ。
帰る―
ソレを見てオレは、息子ながら「なんだろう?この人」と思う。
そういや昔、まだオレが若かった頃、
母親がイナズマを写真に撮ろうとしたことがあった。
オレは雷が大の苦手で
ピカリッと光っても、ガガガンと音がしても、
小さくなって「クワバラクワバラ」言ってるのだけれど、
母親はワリと平気らしく、
のん気に「イナズマってキレイだよねぇ」なんて言っていた。
そこで、ソレをカメラに収めようと思い立ったらしいのだけれど、
いかんせんイナズマ、である。
光、である。
ピカリッと光ってから急いでパシュッとシャッターボタンを押しても、
とうてい間に合うモノではない。
しかし、母親は努力する。
ヘンなところに努力家の一面を見せるのだ。
ピカリッ
パシュッ
ピカリッ
パシュッ
ピカリッ
パシュッ
ピカリッ
パシュッ
当然、現像されて戻ってきた写真には
イナズマなど写ってるハズもなく。
写真には、
ただただ雲に覆われた暗い空が写しだされているだけ。
その、ただの曇り空が写し出されている写真を見て母親は
大変残念だ、という顔をし、
そして、その残念顔をしている母親を見て、父親は、
「あのな。
目で見たものの情報は一端、脳に行って、
そして脳がシャッターを押せって指令を出して、
それから指がシャッターを押すんだから。
“あ、光った”って思って急いでシャッターを押しても
稲光には間に合わないんだから」
ウチの父親にしてはかなりマトモな意見を述べた。
ソレを聞いて母親は、父親に、
「じゃ、どうすればイナズマは写せるのかね」と訊く。
すると父親は母親に、大真面目な顔をして力強く、こう言った。
「頑張れっ。」
ソレを聞いてオレは、「なんだろう?この人たち」と思った。
スターバックスデビュー。
2007年8月4日 日常 コメント (12)スターバックスコーヒー。
スターバックスが苦手だ。
スターバックスが恐い。
なぜなら、スターバックスはオレたち田舎ボーイズにとって、
とってもオシャレな場所に感じてしまうから。
言わば完全アウェー。
だからオレは、生まれてこのかたスターバックスに入ったことがない。
オシャレ者の巣窟に入る勇気など無いのだ。
ウチの街にはスターバックスが無いから、
他の街でソレを見かけると「うぉぉ、スゲー!!」ってなってしまう。
「スターバックスがあるなんて、なんて都会なんだ!!」
そう思ってしまう。
「田舎モノなオレには、そんな場所にはとても入れねぇ」
そしてただ、遠巻きに眺めてるだけである。
いや、オレだけでは無い。
オレたちの仲間は皆、スターバックスに入ったことが無い。
ゲル:「スターバックスに行ったことある?」
ヒロ:「スターバックス?何ソレ」
マサ:「ああ、スタバ。コーヒー屋だべ?」
そんなレベルである。
田舎ボーイズにとって、スターバックスは
「カフェ」ではなく「コーヒー屋」レベルである。
ヒロ:「そのコーヒー屋、なんかしたの?」
ゲル:「いや、オレ、入ったこと無ぇからさ、
みんなは入ったことあんのかと思って。
オシャレな感じすっから、入れねぇんだよ」
マサ:「ああ〜、スタバな〜。
確かにスタバはこっちで見かけねぇから
入るのにちょっと勇気が要るよな」
ゲル:「何?オメー、スターバックスに行ったことあんの?」
マサ:「いや、ねぇけど」
ゲル:「オメー!!
行った事ねぇクセに“スタバ”とか言ってんじゃねぇよ!!
行った事ねぇクセに“スタバ”とか略してんじゃねぇよ!!
行った事ねぇのに“スタバ”って言うの禁止っ!!」
スターバックスはオレたち田舎ボーイズにとって、
全く未知の世界と言っても過言ではないのである。
と、思ったら。
カズ:「あ、オレ、スタバに1回行ったことあるよ」
マジで!?
意外や意外、オレたちボーイズの中でも、
一番オシャレには縁が無いと思われたカズが、
一度だけだがスターバックスに行ったことがあるという。
ゲル:「マジか!?
どこのスターバックスに入ったんだ!?」
カズ:「東京」
マージーでー!?
東京といったら大都会じゃないか!!
そんな大都会にあるオシャレ者の巣窟スターバックスに、
オマエが足を踏み入れたというのか!?
ゲル:「いや〜、まさか、
カズがスターバックスに行ったことがあるとはな。
オレはオメーをちょっと見直したわ。
つーか、ちょっと尊敬し始めてるわ」
カズ:「いや、ベツにスタバなんてたいしたことねぇよ。
フツーのコーヒー屋だよ」
ゲル:「おおお、さすがにスターバックスに入ったことがあるヤツの
言うことは違うねぇ。で、何を頼んだの?」
カズ:「へ?」
ゲル:「だから、東京のスターバックスで、
オメーは何を注文したんだ?って話だよ」
カズ:「いや、なんかココアを・・・」
ココア・・・
ゲル:「なんでココアなんだよ!!
なんで初めてのスターバックスでコーヒーじゃねぇんだよ!!
コーヒー的なモノじゃねぇんだよ!!」
カズ:「だってよ、メニューの意味がわかんねぇんだよ!!」
スターバックスは、
やはりオレたち田舎ボーイズにとって未知の世界であった。
ゲル:「アレな!!
スターバックスでコーヒーを飲んだこと無いヤツも
“スタバ”って呼ぶの禁止なっ!!」
ところが。
ところが、だ。
7月、ウチの街にもとうとう、スターバックスができた。
ウチの街にもとうとう、スターバックスがやってきたのである。
オープンの日、当然オレは入院していたワケなのだが、
看護婦さんたちの間でも、当日はその話題で持ちきりであった。
「スタバに行ってきた?」
看護婦さんと患者の間で、そんな会話が成されるのを、
当日はよく耳にしたものであった。
実際オレも、看護婦さんに「スタバ行った?」と訊かれた。
や、普通なら、
看護婦さんが入院してる患者に「スタバ行った?」などと訊くのは
有り得ないことなのだが、オレが入院していた病院では、
ソレが有り得ることだった。
ナゼならソレは、スターバックスができた場所が、
オレが入院していた病院の中だったから。
オレが入院していた病院の中に、スターバックスが出来たのである。
オレが入院していたのは
県内でも1、2を争うほどの大きな病院なのだけれど、
その病院の正面玄関、ロビーの一角に、
小さいながらもスターバックスができたのである。
ウチの街で一番最初のスターバックスは病院の中に、
というマヌケな現実。
ソレは、異様な光景だった。
病院というある種独特の雰囲気がある空間に、
これまた独特の雰囲気を持つスターバックスが混ざりこんだのである。
病院のロビーの一角にイスとテーブルが置かれ、
そこで医学生や病院を訪れた患者、
さらには、点滴をぶら下げてる
パジャマ姿の患者などがコーヒーを飲んでるのだ。
ソレは、異様な光景だった。
ソレを異様な光景と捉えながらも、
入院していたオレは、早速スターバックスに行くことにした。
スターバックスデビューである。
東京のスターバックスには恐くて入れないけど、
仙台のスターバックスにはドキドキして入れないけど、
病院の中のスターバックスならオレも入れる!!
そしてオレは、スターバックスを“スタバ”って呼ぶ!!
しかし、やはり初めての場所に一人で行くのはドキドキだから、
とりあえずオレは、仕事上がりの看護婦さんに
「一緒にスターバックス行くべ」と声をかけ、
一緒にスターバックスに行くことになった。
もちろんオレは、点滴をぶら下げている。
病院の中のスターバックスは物珍しさかとても混んでいて、
すごい行列ができていた。
医学生、入院患者、さらには外来に来たばあちゃんとかも並んでいる。
その行列の後方に並ぶと、店員が、
メニューを持って「よろしかったらどうぞ」と渡してきた。
オレはとりあえず、
並んでる間い注文するのを決めようとソレを見たのだが。
「何コレ?意味がわかんねぇ・・・」
キャラメルマキアート
コーヒーフラペチーノ
タゾチャイティーラテ・・・
まるっきり意味がわかんねぇ。
キャラメルマキアートって何?
コーヒーは判るけど、フラペチーノって何?
タゾチャイティーラテに至っては、タゾもチャイもラテもわからん!!
一体、何が出てくんのさ!!
そういや、カズも言っていた。
仲間内で唯一、スターバックスに行ったことがあるカズも言っていた。
メニューの意味がわかんねぇと。
意味がわかんねぇからココアを頼んだ、と。
と、一緒に行った看護婦が、
「ゲルタくんは何を注文するの?」と訊いてきた。
「せっかくだから、普通のコーヒーとかじゃないの頼みたいよね」
ま、まぁね・・・
オレは、
「こりゃぁ、普通にコーヒーとかは頼めねぇな」と思いつつ、
メニューを見ながら答える。
「この、キャラメルマキなんとかいうのを・・・」
すると、看護婦さんは言った。
「一応言っとくけど、キャラメルマキ・アートじゃないからね?
キャラメル巻きじゃないんだから」
え?そうなの!?
(↑キャラメルマキアートという文字を見て、表面に、
キャラメル的なモノがぐるぐるうず巻いてるモノを想像してた人)
・・・・・・
そうこうしてるうちに行列は進み、オレが注文する番になった。
店員:「ご注文をお伺いします」
オレは、相変わらず意味のわからんメニューを見ながら、
か細い声で力無く答えた。
ゲル:「こ、ココアで・・・」
オレはまだ、スターバックスを“スタバ”とは呼べない。
ハァイ。
入院中、
10以上も歳の離れた看護婦さんと好きなタイプの話をしてて、
看護婦さんに「好きな有名人は?」って訊かれたので、
「星ありす。
まぁ、AV女優なんですけどね」
そう答えて、その若い看護婦さんとの間に微妙な、
しかし、決して埋めることのできない溝を作ってしまったゲルタです。
こんにちは。
さらにその後看護婦さんに、
「看護婦さんはSかMかでいったらどっち?
オレはS!!XS(エックスエス)!!」
そう言ったらその後、
看護婦さんとの溝は広がるばかりでしたー。
・・・・・・
まぁ、それはソレとして。
イェェェアッ!!
ワタクシ不肖ゲルタ、
本日無事、退院いたしました!!
イェェェェェェェェェアッ!!
退院ですわ!!
退院してきましたわ!!
尾崎的に言えばこの支配からの卒業ですわ!!
闘いからの卒業ですわっ!!
いやぁ、長かった!!
長い入院生活だった!!
ソロモンよ、ワタシは帰ってきたぁぁっ!!
やー、その間にはいろんなことがありました。
長い入院生活の間には、ジツにいろんなことがありました。
絶食したりね。
手術したりね。
リハビリ中にぶっ倒れたりね。
なんか、抗生物質がなかなか効かないウイルスに感染したりね。
あと、尿道炎になったりね。
尿道炎です尿道炎。
なんか、すっげぇ痛ぇんですよ、オシッコをすると。
アソコが。
もう、オシッコするたびに激痛が走んの。
アソコに。
や、「アソコ」って言えば、
大抵の方はその「アソコ」ってのが
身体のどこを指してるのかは判るかと思いますが、
念のために言っとくと、アレね。
オレが言う「アソコ」って、アレ。
医学的、生物学的に言えば、チンコね。
もう、すっげぇ痛ぇワケですわ、チンコが。
オシッコするたびに「グォォォ」なんて、
あまりの苦痛に声が漏れてしまうほどに激痛なワケですわ。
しかもさ、なかなか言い出せないワケですよ、看護婦さんに。
なんか妙な気持ちが働いて、
チンコが痛いだなんてなかなか言い出せないのですよ。
だからオレ、ずぅっと「グォォォ」だなんて
激痛を堪えながらオシッコしてたワケですが。
でもある日、あまりの激痛にとうとう我慢ができなくなって、
前述の看護婦さんに言ったのですね。
「オシッコをすると痛いんだ」と。
「激痛が走るんだ」と。
若い看護婦さんですよ。
歳もオレよか10以上離れてますよ。
その看護婦さんにね、言ったんです、
「オシッコをすると痛いんだ」って。
するとね、若い看護婦さんは逆にオレに訊くのですね、
「痛いのはどこ?下っ腹?」って。
オレは答えるワケですよ、
「違う、痛いのは下っ腹じゃない」って。
すると、その若い看護婦さんは、言うワケですよ。
「じゃ、痛いのはアソコ?」
痛いのはアソコ。
やー。
なんかオレ、その言葉を聞いた途端、ハートに火が着きまして。
なんかこう、メラメラとくるモノがありまして。
おいおいおいおい、
「アソコ」ってだけじゃ、ソレがどこかは判らないんだよ、と。
「アソコ」っつったって、いろんなとこがあるじゃないか、と。
声に出して言ってごらん、と。
さぁ、「アソコ」ってのがどこなのか、
そのカワイイお口で言ってごらん!!と(←XS)
まぁ、
ソレでその看護婦さんとの溝は決定的なモノになったワケですが。
・・・・・・
まぁ、そんな感じで入院生活を終え、
ワタクシ本日、無事、退院してきました。
入院中、何度も辛いことがあり、
何度もくじけそうになりそうな事もありましたが、
こうしてまた無事に帰ってこられましたのは、何よりも、
こんなワタクシメごときにも関わらず、
たくさんの方がお見舞いのお言葉や励ましのお言葉を
くださったからだと思っております。
みなさまのお言葉に、どれほど励まされたことか。
みなさまのお言葉に、どれほど元気づけられたことか。
この場所に、ほんのちょっとでも
オレのことを気にかけてくれた方がいてくださるという事は、
オレにとって、とても勇気づけられる事でした。
ありがとうございました!!
ワタクシ不肖ゲルタ、心から感謝しています!!
本当にありがとうございました!!
そして、これからもよろしくお願いします!!
ラヴ!!
・・・・・・
それにしても。
復帰してすぐにチンコの話はないんじゃないか、オレ。
皆様お元気ですか?
たまに落ち込んだりもするけど、ワタシは元気です(←病人)
ちうことで、
あらためましてお久しぶりです、ゲルタでございます。
みなさまお元気ですか?
デリケートエリアに痒みなどはございませんか?
デリケートエリアはお大事になさってくださいね。
まぁ、それはソレとして。
ワタクシただいま、入院中の身なワケですが、
本日ワタクシ、病院より外出してまいりました。
イェェェェアッ!!
やー、外出ですよ外出。
何回も言ってるけど、外出って、
「ソトダシ」って読むんじゃないですからね。
「ガイシュツ」です。
「外に出すこと」じゃなくて「外に出ること」です。
何回も言ってるけど。
や、なんかね。
ワタクシ、先月の半ばに手術をしまして。
それはそれは大変な手術だったワケですが。
や、手術っつーか、改造?
手術ってよりももはや改造レベル?
なんか、そんな手術をしたワケですよ。
「変身!!」っつったらベルトの風車が回っちゃうんじゃねーのー、
そんくらいに改造されててもおかしくねぇんじゃねーのー、みたいな。
なんせ、10時間とかかかりましたから。
術後もね、なんかいろいろと
上手く行かなかったりして大変でして。
身体の機能がなかなか回復しなかったり。
リハビリが大変だったり。
ヘンなウイルスに感染してしまったり。
もー、そんな毎日に嫌気がさして
某魔女のようにたまに落ち込んだりもしましたけど、
ワタクシ、やっと、
こうして外出できるくらいまでに元気になりました。
これも、こんなワタクシごときにみな様がくださった、
暖かいメッセージや励ましのお言葉のおかげです。
本当にありがとうございました。
ワタクシ不肖ゲルタ、心から感謝しております。
本当にありがとうございました!!
ちう感じでワタクシ、
ゆっくりゆっくりとですが、着実に回復しております。
退院できるのはもう少し先
(っつってもそんなに遠くはない未来)だと思いますが、
またここに帰ってきましたらば、どうぞ、よろしくお願いいたします
病院でもいろいろありましたから、
ソレを書けることを楽しみにしております。
そして何より、みな様にお会いできることを楽しみにしております。
まずはご報告、そして御礼。
この度は、本当にありがとうございました。
励ましてくださった方。
お見舞いのお言葉をくださった方。
毎日のようにこの日記に足跡を残してくださった方。
休んでるのにお気に入りにしてくださった方。
いつも仲良くしてくださる方。
たまたまこの日記に来ちゃって
たまたまちょっとだけ読んじゃった方。
全ての方に感謝します!!
ラヴュー!!
それではまた!!
近いうちにお会いしましょう!!
この度は、本当にありがとうございました!!
胸いっぱいの愛をアナタに!!
アハン。