ふと空を見上げると、
どこから湧いて出たのか白くて厚い雲がもくもくとしていて、
さらにその向こうを見れば色は青く、
ほんの2週間前とは違う空が広がっていることに気付きます。
 
 
 
本当の、夏ですね。
 
 
 
窓の外を見れば、夏休みなのでしょうか。
後ろに女子を乗せて、男子は自転車を漕いでいきます。
焼けた肌を露出した女子は男子に可愛く見られたいのでしょうか。
男子の腰に腕をまわしてしっかりとしがみついています。
ダボダボの服を着た男子は女子に逞しく見られたいのでしょうか。
股を開いてゆっくりとペダルを漕いでいきます。

そして、ふたりはわらっています。

その姿はなんだか楽しそうで、
太陽に照らされたふたりの姿を会社の窓から見ていたオレは、
なんとなく、こころの中でこう思うのです。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「ブッとばしてぇ」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
っつーか、負けんな、オレ!!

人生あきらめんな、オレ!!

「孤独死する覚悟はできている」とか言わない!!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
しかし、アレですよね。

なんかこう、夏って焦りますよね。

だってさ、なんつーか、
夏の楽しい時間って短いじゃないですか。
ウカレ気分っちうか、開放的な気分っちうか。
そんな、夏特有の気分になれる時期って短いじゃないですか。
 
だから、焦る。
 
いや、ベツに、
今年の夏に、何かを期待しているワケではないんです。
夏のウカレ時期になったら
急に運命的出会いをするとも思いませんし、
突然彼女ができるとも思えません。

だけど、
せっかくの夏のウカレ具合をみすみす逃すのは、なんか、悔しい。

だから、焦る。

目の前にある書類の束を見れば尚更ですわ。
尚更焦りますわ。
 
 
 
「あれ?この書類が片付く頃にはすでに秋じゃね?」、みたいな。

「鈴虫鳴いてね?」、みたいな。
 
『ガラス越しに消えた夏』、みたいな。

『何も言えなくて・・・夏』、みたいな。
 
 
 
今のオレ、完全に出遅れ気味。
 
 
 
しかも明日、地元でお祭がありまして、
県外から通勤してるナミを、
ソレに連れていく約束をさせられたもんだから、
今日も今日とてひとり、会社に残って残業してるワケですが。

っつーか、連れてってほしいなら手伝えよ、あの女!!
 
 
 
まぁ、そんな感じでこれからまた、仕事にもどります。
 
 
 
会社のパソコンから愛をコメテ。

アデュー。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
会社のパソコンからこんばんは。ゲルタです。
 
 
 
 
 
いやぁ、もう、ここんとこすっごい忙しくてですね、
ワタクシ、こうして今も会社に残って残業とかしてるワケですが。

しかもワタクシ明日、病院に行かなきゃいけないんで
会社を休まなければいけないのですね。
なもんで、「明日に仕事を残すワケにもいかん!!」ってことで、
こうして薄暗い事務所にひとり残って、残業してるワケですが。
 
 
 
 
 
しかしアレですね。
会社に一人でいるってのはなんとも気持ちの悪いモノですね。

なんだかもう、不気味でしょうがないから
歌を歌って自分をごまかしたりしてるんですが(←怖がり)、
いつのまにかその歌が、「♪来〜る、きっと来る〜」だなんて
リングの歌になっちゃったりしてね、
ますます気持ち悪くなっちゃったりしています。

事務所のテレビでもつけようかと思ったりもすんですけど、
テレビっつーとなんか、貞子を思い出してしまってですね、
あんまし近づきたくないワケで(←ホント怖がり)、
なもんで、こうしてひとり、モヤーと仕事しちょるワケです。
 
 
 
 
 
いやぁ、それにしてもですね。
何度も言いますけどワタクシ、残業してるワケですが、
会社の他のヤツらは今日、飲み会なんですよ。

オレ以外、みんな飲み会行ってんの。

オレもはじめは飲み会に行くつもりだったのですが、
仕事を終わらせなくちゃだから、飲み会をパスしたのです。
ひとりで残業することを選んだのです。

えらイですね、オレ。

オレがこうしてる間にみんなが飲み会で盛り上がってても
ベツに寂しくなんかありませんよ。
ほんとだもん。寂しくないもん。

寂しくないったら。
 

 
 
 
っつーかね、オレがいないとこでみんな、
盛り上がってんのかなーっておもったら、
オレ、だんだん腹が立ってきましてね。

しかもさっき、残業中のオレに、
飲み会中のナミから電話がありまして。
「まだ仕事してんの〜?」なんて電話がありまして。
そのバックでですね、
みんながスゲー笑ってる声がきこえたワケですよ。

もうオレ、ますます腹が立ってきまして。

なもんでですね、みんなのイスをですね、
レバーをクイッとやって、イスの高さを変えてやったんですよ。

微妙にね。

なんつーの?
「座った時にいつもと高さが微妙に違う気がして気持ち悪い」
そんな時ってあるじゃないですか。
なんかしっくりこなくて気持ち悪いの。

あんな感じあんな感じ。
  
明日全員、
「イスがなんだか気持ち悪いなー」と、
そう思いながら一日を過ごせばいいんだ。へっへっへ。
 
 
 
 
 
いやぁ、しかし、
残業なんつって遅くまでいても、
仕事は案外はかどらないもんですね。

 
 
 
 
っつーか、こんなことしてる場合じゃないですね。
 
 
 
 
 
仕事するとします。

でわ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
会社の飲み会のあと、
女子7人の中にオレ1人だけが男、というメンツで
カラオケに行ったのですが、
ちうか、「行くよね?」なんて誘われて、

「おおお、女子7人の中にオレが1人!!ラッキー!!」

そんなん思いながらウキウキして行ったワケなのですけれど、
行ってみれば案外、この顔ぶれは
ラッキーのようでたいしてラッキーではないものです。
ウレシイようでたいしてウレシクはないものです。
 
 
 
 
 
まず、雑用係にさせれます。
 
 
 
 
 
さすがに女子が7人もいると、
その圧倒的なパワーに押されてしまって男のオレは自然、
集団の端っこ、つまり、カラオケルームのインターホンの
すぐ近くに座ることになってしまうのですが、そうすると

「ゲルさん、梅酒頼んで〜」

「あ、ゲルさん、こっちはモスコミュールお願い〜」

しまいにゃ、
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「ゲルさん、なんか食いもん」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
テメェコラ、オレは母ちゃんか!?
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
しかしまぁ、
そんなん思いつつも母ちゃん役をやってしまうワケですが。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
そして、肩身が狭い思いをします。
 
 
 
 
 
なんせ、相手は女子が7人もいますから、
女子たちの間ではあけっぴろげなガールズトークが、
男子のオレには踏み込んで行けないようなトークが始まって、
男のオレは非常に淋しい思いをします。

生理の話とかね。

ナプキンの話とかね。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ヘイ、オレはここにいるんだぜ?
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
もはや男がいることさえ忘れている、
ちうかオレ、すでに男として認識されていないという。

なんか、聞いてはいけない話のような気がして、
聞かないように聞かないように、カラオケルームの隅で独り、
食いもんのメニューを黙々と見てたりします。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
そしてさらに、オレの歌に女子たちはノッてきません。
 
 
 
 
 
女子が歌う歌に対して女子はあんなにノリノリなのに、
オレが歌う歌に対して女子は、非常にノリが悪いのです。

しかも順番を散々抜かされて、
やっとこさオレの順番になったときに一応オレも、
そういう場では女子ウケがいい曲を歌いたいと思うのですが、
そういうのが歌えなくて、何を歌うか迷って、
「あー、何歌おう・・・」とか言うと、
女子たちはみんな口々に、 
「EXILE歌ってー」とか
「スキマスイッチ歌ってー」とか言うワケですが、
 
 
 
 
 
ごめん!そういうのは全然歌えません!!
 
 
 
 
 
そうすると今度、

「好きなの歌いなよー」

「なんでもいいから歌いなよー」 

そう言うものですから、オレが実際、好きな曲を歌ったりすると、
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
わぁ。みんな、歌本見てますね。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
歌本とかね。
あと、ペンでピッピッてやって曲を探すアレとかね。
中にはハングルの歌本見てるヤツとかもいて、
 
 
 
 
 
「へい、こっちこっち!!」
 
 
 
 
 
わかる!!
キミたちがオレの歌にたいして興味ないのはわかる!!

だけどいちおう、歌ってるんですよ!!
ノらなくてもせめて、歌を聴いてください!!
せめてモニタの画面を見てください!!

顔をあげてください!!
伏せないでくださーい!!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
・・・・・・
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
カラオケルームの狭い部屋に大勢でいた夜。

大勢でいたはずなのに、僕はなぜか、孤独を感じていたのです。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
グラグラッと揺れ始めた時には
「落ち着け落ち着け」と自分にいいきかせるも、
ソレがやがてガタタタタッと尋常ではない揺れにまで発展すると、
 
 
 
 
 
「おい、オレ!!
 こんなとこで落ち着いてる場合じゃないぞっ!!」
 
 
 
 
 
すると瞬時に頭の中には選択肢が浮かんできて、
まず、Tシャツを着ようか、
それともまず、ズボンを履こうか(←パンツいっちょで寝てた)、
いや、もし、ここで屋根が崩れてきて
オレが下敷きになって瓦礫の下に生き埋めになって、
そのうち自衛隊が来て救出活動を始めて、
オレが奇跡的に救出された感動的瞬間をTVカメラが捉えた時に、
オレがもし、パンツいっちょたったら感動も半減するだろう、
ちうか絶対笑われる、だからここはズボンだぜ、
そう思ってまずはズボンを履いて、次はTシャツだぜ、
と思ったら部屋には姉のエジプト土産の前にも後ろにも
思いっきし「EGYPT」って書いてあるTシャツしかなくて、
うおおお、これはこれでキツイですな!!なんて思ってたら、
揺れがいよいよ破滅的になってきて、
部屋にあったガンプラが次々に落下、
エヴァンゲリオン初号機のプラモも落下、弐号機も落下、
あああ、零号機まで!!
そんなんなったらもう、「EGYPT」どころの問題ではないから
とりあえず「EGYPT」Tシャツを片手に部屋を脱出、
と、2階にあるオレの部屋を脱出したら足を滑らせて
階段をケツでズダダダダと滑り落ちてしって、今。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ワタシのケツは幼児でもないのに青くなっております。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
しかも割れております(←ソレは生まれた時からじゃないかな)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ソレにしても最近、地震が多いですね。多すぎですね。
地震があるたびに、地震に対して強い恐怖心を持つワタシは
パニックになってしまいます。
昨日の夜もなんか知らんけど左手に「EGYPT」Tシャツ持って、
右手にはナゼかテレビのリモコン持ってたもんなぁ。
相当のパニック。
 
 
 
 
 
きっと、こういうワタシみたいなのが地震の時に
中途半端な被害に遭ってしまうのでしょうね。
現に昨日、ワタシも階段落ちてますからね。
こういうのがきっと、
「あわてて家を飛び出した瞬間、車にはねられて死亡」とか、
「地震で落下していたコンクリに
 つまずいて、転んで、側溝に落ちて、死亡」とか。
 
「え?ソレって地震の被害と言っていいの?」
 
そんな感じのヤツに、ね。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ソレにしても、ケツが痛いです。

なんせ、割れてますので。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
カズ:「あのさー、オレ、すごいことに気づいたんだけど」

マサ:「へー」

ゲル:「あ、そう」

カズ:「あれ?聞きたくない?」

マサ:「ベツにどーでもいいけど」

ゲル:「じゃー、聞いてやるから言ってみな」

マサ:「でも、しょーもないことだったら肩パンチな」

カズ:「あー、ダイジョブダイジョブ。
    スゲーから。スゲー大発見だから。
    いや、ジツはさ、オレ気づいちゃったんだけどさー」

ゲル:「おお」

カズ:「ジブリ作品ってあるべ?」

ゲル:「おお」

カズ:「ジブリ作品について大発見しちゃったんだけどさー」

ゲル:「何を?」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
カズ:「ジブリ作品ってさ、
    タイトルに全部、“の”が付いてんだよ」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ゲル:「・・・・・・」

マサ:「・・・・・・」
 
カズ:「あれ?」

ゲル:「・・・・・・」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
マサ:「ブシッ!!」(←肩パンチ)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
カズ:「痛っ!!なんで?
    これって大発見じゃねぇの?」
 
ゲル:「全然大発見じゃねぇけど」

カズ:「だってよ、
    タイトルにみんな“の”が付いてんのよ?
    あれ?このこと気づいてた?」

マサ:「ブシッ!!」(←肩パンチ再び)

ゲル:「そんなのな、数年前から知っとるよ」

カズ:「え?そうなの?」

マサ:「オレなんか、ナウシカん時から知ってるっつーの」

ゲル:「ソレは早ぇよ」 

マサ:「ナウシカの公開直後に
    次も“の”が付くなって思ったっつーの。
    次に来るのは
    『なんとか“の”なんとかラピュタ』だなって
    思ったっつーの」

ゲル:「あー、ナウシカの公開直後にすでに
    次はラピュタであることまで予想してたんだ」

マサ:「おう」

ゲル:「さすがだね」

マサ:「おう!!」

カズ:「あ、そうなの?
    これってみんな知ってることだったの?」

ゲル:「ジブリのタイトルに“の”が付くのはたぶん、
    みんな知ってんじゃね?」
 
カズ:「あー、そうなんだー。
    オレ、スゲー大発見したと思ってたよー」

マサ:「気づくの遅ぇよ」

ゲル:「テレビでもそのこと散々やってた気するしな」

カズ:「あ、そうなんだ」

マサ:「風の谷のナウシカだべ?
    天空の城のラピュタだべ?」

ゲル:「いっこ多いね、“の”が」

マサ:「あとなんだ?
    千と千尋とハウルもか?」

カズ:「あ、でもさ、アレは“の”が付いてないよね」

ゲル:「何?」

カズ:「ゲド戦記」

マサ:「あ、ホントだ」

ゲル:「いや、アレはさ、
    ジブリ作品だけど駿作品ではないから」

マサ:「あ、そうなの?」

ゲル:「そうだよ?
    アレは宮崎駿の息子が監督してっから」

マサ:「あ、そうなんだ」

カズ:「だから、タイトルに“の”が付いてないのかね?」
 
ゲル:「そうかもね」

マサ:「ゲド戦記もよ、
    タイトルに“の”付ければよかったのにな」

ゲル:「何?
    ゲドの戦記?」

カズ:「なんか、マヌケな感じがするねぇ」
 
マサ:「いや、そうじゃねぇな」

ゲル:「じゃ、何?」

マサ:「例えば・・・」

ゲル:「???」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
マサ:「駿の息子のゲド戦記」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
カズ:「うわぁ、ますますマヌケになったねぇ」
 
ゲル:「そんなタイトルで大ヒットする感じはしねぇよな」

マサ:「そう?」

ゲル:「ソレはハナからヒットを拒否したタイトルだよ。
    これっぽっちも観たいと思わねぇもん」

マサ:「そう?」

ゲル:「うん」
 
カズ:「そういえばさ、今やってるヤツあんじゃん」

ゲル:「ポニョ?」

マサ:「あー、ポニョな。
    あの歌、頭に残っからやめてほしいんだよ」

ゲル:「あー、確かに。スゲー残るよな。
    ポーニョポーニョポニョっつって、
    いつの間にか歌ってるよな」

マサ:「そそ」

ゲル:「で?そのポニョがどうかした?」
 
カズ:「いや、あのポニョもさ、
    タイトルに“の”が付いてるよね?」
 
ゲル:「あー、たぶん」

マサ:「それが?」

カズ:「いや、なんだったかなーと思って」

ゲル:「あー、そういえば、なんだっけ?」

カズ:「なんとかのなんとかのポニョだよね?
    “の”、2個だよね?」

ゲル:「たぶん、そう」

マサ:「じゃ、あれか?風の谷のポニョか?」

ゲル:「また風の谷かよ」

マサ:「ポニョって魚だべ?
    風の谷の近くに海あったじゃん」

ゲル:「酸の海ね。ポニョ死んじゃうね」
 
カズ:「いや、確かさ、
    なんとかの上のポニョだったよね?」

マサ:「あー、そうだ」

ゲル:「ポニョ、なんかの上だわ」

カズ:「何の上のポニョだっけ?」

ゲル:「散々CMで観た気するけど覚えてねぇのな」

マサ:「なんか、忘れちゃうのな。ポニョは覚えてんのに」

カズ:「何の上のポニョだっけ・・・」

ゲル:「・・・・・・」

マサ:「・・・・・・」

カズ:「・・・・・・」

マサ:「あ、でもさ、ポニョって魚なんじゃん」

ゲル:「おお」

カズ:「魚だね」

マサ:「そしたらさ、
    魚が上に乗るようなのを考えればいいんじゃね?」

ゲル:「魚が上に乗るようなの?」

マサ:「そう、ポニョはその上にいんだよ。
    そこの上のポニョなんだよ」
 
カズ:「魚が上に乗るようなヤツねぇ」

ゲル:「・・・・・・」
 
マサ:「・・・・・・」

カズ:「・・・・・・」

マサ:「あ、わかった」
 
カズ:「何?」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
マサ:「皿?」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
カズ:「皿の上のポニョ・・・」
 
ゲル:「なんか・・・観てもないのに悲しいねぇ・・・」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
お久しぶりでございます。ゲルタでございます。
 
 
 
 

やー、ワタクシここ2週間ほど、日記をお休みしておりまして、
その間、たくさんの方に
お見舞いのお言葉や励ましのお言葉をいただきました。

お言葉をくださった方、本当にありがとうございます。
そして、ご心配をおかけしてしまい本当に申し訳ありません。

ワタクシゲルタ、再び、くだらない日常を
ぼちぼちとここに記していこうかと思っちょりまして、
これからもどうぞ、
よろしくお願いいたしますという所存であったりなんか
しちゃったりしちゃってるワケですが。

ちうか、これからもどうぞ、よろしくお願いします。
 
 
 
 
 
さて、ワタクシがそんな感じで2週間、
地球の隅っこで何も考えずにボーと過ごしております間にも
世の中は常に動いておりますもので、
世界中には毎日、たくさんの出来事がありました。
世界中では毎日、たくさんの報道がなされていました。
大きい事件から小さな出来事まで。
大きな悲しみから小さな幸せまで。
常にたくさんの出来事が世の中を埋め尽くしておりました。
ここ、日本だけをとってもソレは同様で、
毎日毎日新しいニュースが飛び交います。

相変わらず続く国家中枢の腐敗。
相変わらず続く食糧危機。

一方では毎日のように人の命が他人によって奪われ、
また一方では人を陥れて金を奪う。

他方では動物園のゾウが絵を描いて、
そのまた他方では人気者のペリカンが
ひっそり亡くなっているのが発見される。

心を麻痺させて地球の隅っこから覗き見た世界は、
常に、動いておりました。
毎日毎日、動いておりました。

中にはね、
許容量の数倍の放射性物質を含んだ光る携帯ストラップを
約5000人に売りつけてボロ儲けしたヤツがいた、
なんて報道もありまして、ワタクシ、

「光る携帯ストラップに放射性物質が含まれていた」

ということよりも、

「携帯ストラップを光らせたいと思う人が約5000人もいた」

というその事実に驚愕したりしてたワケですが。
 
 
 
 
 
そんな中、地球の隅っこにある我が家でも事件がありました。

小規模。
とぉーっても、小規模な事件。

ソレは何かといいますと。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
『親父、家出(仮)』
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
はい、家出です、家出。
親父がですね、家出をしたワケです。
ちうか、あくまでも「家出」と言い張るのは本人だけなんですね。
だから、(仮)をつけているワケですが。
 
まぁ、きっかけはくだらないケンカでございますよ。
どうして始まったのかも判らないような夫婦喧嘩でございますよ。

オレが2階の自室におりましたら、
なにやら下の階から喧嘩の声が聞こえてくるワケですよ。
なんか知んねぇけど親父、興奮して大声出している。
オレはソレを「うっせぇなぁ」なんて思っていたけれども、
特には心配はしてなかったワケです。
なんせ、今まで一緒にやってきた夫婦でございますから。
だからオレ、「うっせぇ」と思いつつもベツにね、
喧嘩の仲裁に入るとかそういうことはしなかったのですね。

そしたらしばらくしてですね、
親父の一際大きい声が聞こえてきたのですね。
 
 
 
 
 
「出てってやる!!」
 
 
 
 
 
そんで玄関がガラガラガラと開いて、
ガラガラガラ、ピシャ、と閉まった音がする。
 
 
 
 
 
(え?マジで?)
 
 
 
 
 
ワタクシ、焦りましたよ。
なんせ両親共60歳をゆうに超えておりますから。
その60を超えた親が今更出ていってしまったのですから。
で、オレ、さすがに焦りまして、母親に「おいおいおい」と。
「おいおいおい、何やってんだよ」と。

しかし母親は堂としたモノで、「たいしたことじゃぁない」と。
「ほっとけ」と。

 
 
 
 
(マジで?親父、出てっちゃってんのに?)
 
 
 
 
 
母親が言うには、
オレがまだ幼い昔、
35年ほど前にも一度、こんなことがあったのだそうです。
親父が「出てく!!」と、
家を飛び出したことがあったのだそうです。

なんでもその時は、親父がバイクで怪我をして、
ソレを母親が注意したところ、親父が家を飛び出した、と。

しかし親父、結局2時間ほどしたら家に戻ってきたらしく、
その間、どこに行ってたのかと問うてみたところ、
 
 
 
 
 
「物置に隠れてた」
 
 
 
 
 
家の横にね、物置があるワケですよ。
100人乗っても大丈夫ですよ。

親父、その物置に隠れていた、と。

そんな過去があるから母親、「ほっとけ」と。
「そのうち帰ってくるから」と。
 
 
 
 
 
で、1時間が過ぎ、2時間が過ぎ・・・
 
 
 
 
 
しかし、3時間も過ぎるとさすがに心配になってくる。
息子としては、さすがに心配になってくる。

なのでオレ、母親は「ほっとけ」と言うけれど、
探しに出ることにしたワケです。
 
 
 
 
 
で、手始めにまず、家の横の物置。
 
 
 
 
 
昔に一度、ここに隠れてということがあったのだから、
さすがにね、今回はこの物置に隠れてることはないだろうとね、
ウチの親父でもそんなまさか、
35年前をそのままそっくり再現はしないだろうとね、
オレ、そう思っていたワケでして、
「たぶん、いないだろうけど一応・・・」と思って
物置の扉をガラリと開けてみたワケですが。

そしたら。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
親父:「よーぅ」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
いた。
親父、いた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
(うわ〜、親父、進歩無ぇ〜・・・)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ゲル:「何?ずっとここにいたの?」

親父:「おお」

ゲル:「こんなとこにいてもしょーがないからウチに入ったら?」
 
 
 
 
 
っつたら親父、
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
親父:「ダメ。オレは家出中だから」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
(えー、出てない出てない)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ゲル:「親父さ、なんか悪いんだけどさ、
    この物置じゃぁ家出にならないでしょ」
 
親父:「なんで?家出だべ」

ゲル:「だってここ、ウチの敷地じゃん」

親父:「敷地内でもウチから出たら家出だろ」

ゲル:「いや、敷地の外に出ないと家出は成立しないと思う」

親父:「そうか?
    じゃ、前のワタナベさんちの敷地に行ったら家出か?」

ゲル:「んー、そうかもしんないけど、不法侵入でしょ」

親父:「じゃ、ワタナベさんにちゃんとおことわりして」

ゲル:「家出中なので泊めてくださいって?」

親父:「そう」

ゲル:「んー、ソレはただのお泊りじゃないかな・・・」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
と、オレと親父がそんなことをやってましたら、
そこに母親がやってきまして。

「家出中だから」と言って
オレに対してウチに入るのを散々拒んでる親父に対して、
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「いいから、早く入りなっ!!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
そしたら親父、
「へへへ」と照れくさそうに笑いながら、
ウチん中に入っていきました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
んー、小規模。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
結局、親父の家出(仮)の原因、
夫婦喧嘩の原因はなんであったのかは判らないという。
 
まぁ、知りたくもないですがね。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
親父:「野茂だよ」
 
ゲル:「は?」
 
親父:「オレが野茂のことをハリケーンっつったら笑ったんだよ」

母親:「笑ってないでしょー。
    トルネードだよ、って教えたんでしょー」

親父:「いや、笑った」

母親:「いや、笑ってない」

親父:「笑った」

母親:「笑ってない」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
(・・・どーでもいいよ)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
困りごとがたくさんあって、困ります。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
今までの人生で、今回が2度目である。
 
同じ「2度目」でも、ソレが恋ならば
少しは上手に愛のメッセージ伝えたいところだけど、酒。

酒を飲んで記憶が無くなったのが2度目だってぇんなら、
もう、何も伝えることは無い。

なんせ、記憶が無いのだから。
 
 
 
 
 
 
 
 
初めて酒を飲んで記憶が無くなったのは、
情けないお話だけれど中学を卒業してすぐ、
高校に入学する直前の休みのことである。
(↑よい子はマネしないでね)

その日はウチに幼稚園からの友人イズミ君が
ナゼか焼酎とコーラを持って遊びにきた。
で、2人でコークハイなんつってソレを飲んでいたワケだが、
そしたら今度、食べ物が欲しくなった。
っちうことで、やはり同じく幼稚園からの友人のノリに
「なんか食いもん買ってきてー」っつって呼びだしたところ、
ノリはナゼだかボンカレーと白米を買ってきやがった。
 
 
 
「カレーが食べたくて・・・」
 
 
 
そんなことを言うノリに
オレらはぎゃぁぎゃぁと文句を言ったワケだが、
まぁ、カリーも悪くないよね、っつーことで
ノリにボンカレーを調理させ(温めさせ)、
オレらは3人で酒を飲みながらカリーを食った。

そしたら今度、酔ったオレらは男3人では面白くなくなってきた。
 
 
 
「女子呼ぶべ女子!!」
 
 
 
なんせオレら、思春期真っ只中。
いろんなことに胸を膨らませ、
“オレが当時好きだったコ”を含む、女子3人をウチに呼び、
オレらは3on3状態で酒を飲んでいたのだが。
 
 
 
 
 
 
 
 
しばらくすると、頭が重くなってきた。

どーにもこーにも頭が重い。
オレの首は、たいして重くもないであろう
オレの頭を支えることができないのだ。
 
 
 
「え?オレの頭ってこんなに思いの?」
 
 
 
胡坐をかいて座っていたのだけれど、頭ばかりが下に垂れさがる。
どんどんどんどん頭が畳に落ちそうになって、
あわてて頭を持ち上げるのだけれど、
すぐにまた頭が畳に落ちそうになる。

その時オレは、ちょっと酔っぱらったという感じだけで
特に泥酔してるという意識も
気持ち悪いという意識もなかったのだけれど、
頭ばかりがどんどん下がっていって、背中が丸くなっていって、
ついには自分のヘソ付近を自分の目で眺めているような
そんな状態になってしまった。
 
 
 
「あー、なんか不思議な感じだ・・・」
 
 
 
なんというか、自分のまわりに薄い膜が張ったようだった。
薄い膜がオレの体を包んでいる。
その膜の外側でイズミ君やノリ、
そして女子たちが楽しそうにお話しをしていて、
その話声は聞こえるのだけれど
オレのまわりの膜が邪魔して何をしゃべってるのだか
うまく聞き取れない。

だから、みんなに近づいて
その楽しい会話に参加したいと思うのだけれど、
オレのまわりの膜がオレの身体を押さえつけていて
全然チカラが入らず、みんなに近づくことができない。
特に、友人ノリが、オレの好きなコと
なんだか楽しそうに喋ってる声にどうにも腹がたって、
ソレを邪魔したくて、オレは動こうとするのだけれど
どうにもこうにも身体が動かない。
 
 
 
「オレばっか仲間外れだ・・・
 ここ、オレんちなのに・・・」
 
 
 
オレはなんだか悲しくなってきて、
自分が情けなくなってきて、
そして気がついたら、いつの間にか口からなんか出てきた。
 
 
 
「あれ?あれ?」
 
 
 
全然吐き気などはないのだけれど、滝から水が落ちていくように
オレの口からなんかが落ちていく。
そして、ソレを止めることができない。
滝から落ちる水を止めることができないように、
オレから出るなんかも止められないのだ。
爽やかな日曜の朝に申し訳ない話だけれど。
 
 
 
 
 
 
 
 
で、オレが最後に見たのはオレの口から出ていくなんかだった。
そこからオレは、ほとんど記憶が無く、
気がついたらいつの間にかベッドの上に寝かされていたワケだが。

そういえば、なんか目の前がぼやぁと見えなくなってきた時、
遠くで女子の悲鳴が聞こえた気がする。

もちろんそこにはオレの好きだったコの声も聞こえた。

オレのまわりの膜の外で。
 
 
 
 
 
 
 
 
ソレ以来、記憶が無くなったのは昨日で2回目である。

確かに最近、オレはちょっと鬱々としていたから
あんましいいお酒ではなかったのかもしれないけれど、
ソレでも、飲み自体は楽しくやっていた気がする。

友人タケやカズと居酒屋でガーッと飲んだ。
このへんの記憶は完璧にある。

そんでその後、いつものオネイサンの飲み屋に行ったワケだが、
ここの記憶も完璧にある。

で、いい感じで酔って、
カラオケやろうぜーっつって、
店のカラオケで歌を歌った。
ここらの記憶もばっちりだ。

で、パフュームを歌うっつって(オレが)、
『チョコレイトディスコ』歌わせろっつって(オレが)、
そんで、音楽が流れたから踊り始めたら歌えなくなって、
「歌かダンスか、どっちかをとらなけらば・・・」と思って
結局ダンスを選択して、
音楽がかかってるのに誰も歌わない中、
オレが一人、ムキになってパフュームのダンスを踊ってって、
そこらへんの記憶もある。
 
 
 
 
 
 
 
 
ただ、そこからの記憶が一切ない。
 
 
 
 
 
 
 
 
そこからの記憶がまるでない。
 
 
 
 
 
 
  
 
朝、フツーに、
っつーかワリと気持ちよく目覚めてオレ、
「そういえば、昨日飲んでたんだな・・・」
そう思い返したのだけれど、
どうやって帰ってきたのか、
何時に帰ってきたのか、
お金はいくら払ったのかなど、
そこらへんの記憶がまるっきり欠落している。
 
 
 
 
 
 
 
 
ただ、事実として。
 
 
 
 
 
 
 
 
昨日、飲みに行く前にはウチには無かった
PSPのゲームソフトがウチにある。

レシートを見ると、
昨日の夜にコンビニで買ったことになっている。
 
 
 
 
 
 
 
 
そしてもうひとつの事実として。
 
 
 
 
 
 
 
 
エロDVDがレンタルされている。

いつの間にレンタルしたのかわからないのだけれど、
エロDVDがオレの部屋にある。

レシートを見るとやはり、
昨日の夜にレンタルしたことになっているのだが、
ただ、その数が尋常じゃない。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
15本。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
レシートを見るとナゼかオレ、
エロいのを15本もレンタルしている。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「レシート、長っ!!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
・・・・・・
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
まったく、恐るべきは、酒。
 
 
 
いや、酒が恐ろしいのではなくて、
ソレに飲まれてしまった自分に記憶が無いこと、
その記憶が無くなっている間に自分が取っている行動が
まるでわからないこと、これが恐ろしい。
 
 
 
まぁ、だからといって、
特に後悔などはしていないのだけれど。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
とりあえず、日曜の午前中から
エロDVDをプレイヤーにセットしたりしてみる。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
姉さん、事件です。
 
 
 
 
 
ウチの職場に今日、
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
不審者が入り込みました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
不審者です!!
あー、不審者です!!

や、何をもって「不審者」と判断をくだすのか
「不審者であることの基準」は曖昧ではありますが、
セキュリティが厳しくて部外者は入り込めないハズのウチの会社に
なんか知んねーけど入り込んだのですから、
ここは「不審者」と呼んでも差し支えないでしょう!!

不審者です!!
不審者が入り込んだのです!!

しかも、オレが違う階にある余所の部署から帰ってきて
その情報を聞いたとき、その不審者はまだ、
この大きな社内のどこかに潜んでるという情報が!!
 
 
 
 
 
「ぬおおおおおっ!!」
 
 
 
 
 
そんな情報を聞いて、
このオレの血が騒がないハズがなく。
 
 
 
 
 
「ヘイ!!オレが見つけ出して必ずお縄にしてやるぜ!!」
 
 
 
 
 
そんなん言ってオレ、
小銭を投げるマネをしていたワケですが。

そこで、同じ職場の女、ナミ。
 
 
 
 
 
「銭形平次っすか」
 
 
 
 
 
そう、1円玉しか投げないけど。
 
 
 
 
 
「えー、1円玉じゃ効かないよね?
 1円玉じゃ当たっても痛くないよね?」
 
 
 
 
 
だってしょうがないじゃーん。
財布に、
504円しか入ってなかったんだからしょうがないじゃーん。
 
 
 
 
 
「500円玉あるじゃん、500円玉!!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
投げられるワケねぇだろうがっ!!
500円玉をっ!!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
まぁ、そんなことを言いつつオレ、
完全に不審者をお縄にしてやる気まんまんだったワケですが。
 
しかし、いくらお縄にするっつったって、
相手の人相がわからなくちゃお話にならない。

なんせ、大きな建物の中にたくさんの人がいるワケですし、
出入りの業者もいるワケですから、
その容姿などを知らなければいけない。

っつーことで、「どうなんだ?」と。
その、不審者と思われる人物は「どういった姿なのか?」と。

で、伝わる話を聞いてみたワケですが。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
【証言1】「どうやら、中年の男らしい」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ふむ、中年男か。
っつってもまぁ、オレも年齢からすれば軽い中年だから、
なんだか漠然としすぎた話だな。

もっとこう、具体的な証言はないものか。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
【証言2】「白髪まじりらしい」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
なるほど。
その情報は侵入者を絞り込むのにはだいぶ有益な情報だ。

だがしかし、もうちょっと具体的な証言はないものか。

そう、たとえば服装。
侵入している不審者の服装とか。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
【証言3】「どうやら、青いジャージの上下を着ているらしい」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
なるほど、青いジャージか・・・
 
 
 
 
 
・・・・・・
 
 
 
 
 
ん?青いジャージ?
青いジャージの中年男?
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
さっき階段ですれ違いましたけ・・・ど?
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
えー!!アイツ!?
アイツが不審者!?
 
 
 
 
 
「えー、ゲルタさん、不審者見たの?」
 
 
 
 
 
おう、見た見た!!
今の話からすると、たぶんアイツが不審者!!
 
 
 
 
 
「なんで捕まえないんですかー」
  
 
 
 
 
だってわかんねーじゃん!!
不審者だってわかんねーじゃん!!
 
 
 
 
 
「でも青いジャージでしょ?
 入館バッジしてなかったんでしょ?
 おかしいと思わなかったの?」
 
 
 
 
 
いや、そう言われればそうだけど・・・
 
 
 
 
 
「何にも思わなかったの?」
 
 
 
 
 
えー、長そで着てて暑くねーのかなぁっては思ったけど・・・
 
 
 
 
 
「でもフツー、そこで捕まえないにしろ、
 怪しいと思ったら話しかけなきゃダメじゃーん」
 
 
 
 
 
いや、話しかけたよ?
怪しいとは思わなかったけど、オレも一応話しかけたんだよ?
なんか、シカトぶっこかれたけど!!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
・・・・・・
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
その後、ウチの会社に無断で侵入した不審者は
屋上につながる階段の下に隠れてるのを見つかり、
まったく抵抗する様子もなく、警察に連れていかれました。

それはソレでよかったのですが、
ただ、ウチの会社でおきた今回の「不審者侵入事件」は、
社内にたくさんのお金が置いてあって、
厳重なセキュリティ網をしいていたはずのウチの会社にとって、
ソレはソレは大きな問題を、残しました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
・・・・・・
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「そういえばゲルタさん、不審者に話しかけたんでしょ?」
 
 
 
 
 
うん、話しかけたよ。
 
 
 
 
 
「なんて話しかけたの?」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「こんにちはー」って。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「フツーに挨拶だね」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
髪の毛を伸ばそうとするとどうしても一度は、
イヤになる時期があるってもんです。

もっさーとなってしまったり。
髪のまとまりがなくなったり。
前髪が目に入ってチクチクなったり。

そういうのがどうしてもイヤになって、伸ばしかけた髪を
「切ってしまおうか」
そう思う時期が訪れちゃうってもんです。
 
 
 
オレ、そんな状態。
 
 
 
髪を伸ばしはじめたのだけれど
どーにもこーにもセットが巧くいかなくて、もっさーなって、

「フハハハハ、
 オマエを丸坊主にしてやろうか!!」(←BGM『蝋人形の館』)

鏡の中の自分に言っちょったワケですが、
しかしソレでも、せっかくここまで伸ばしたのだし、
ここで髪を切ってしまったら後で後悔しそう。

なものですからワタクシ、ソレの解決策として、
ここで髪を伸ばすのを諦めない為の緊急避難措置として、
パーマネンツをあててみました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
モジャモジャに。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
モジャモジャでございます。

あーあー、ワタクシ、
そりゃぁもうグリングリンのモジャンモジャンでございます。

なんかもー、
ドリフのコントの「爆発後ヘアー」みたいでございます。
「♪ブッパッパブッパッパ」
「次行ってみよー」的ヘアーでございます。
 
しかし、ソレでもやはりパーマネンツはこの、
「伸ばすのがイヤになってきた」次期には非常に有効で、
パーマネンツをあてる前は
髪のセットに10分以上かかっていたのに、
パーマネンツ以後は頭を洗ったら
ソレにスプレーして、
ソレをワッシャワッシャやって、乾かして、
ざっくりした感じでセットするだけで良いのですから非常に楽。
もともとモジャモジャなのですから
セットに「失敗する」ということが無くて非常に楽。

なのでワタクシ、
このモジャモジャヘアーを気に入っているワケですが。
 
 
 
ですが。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
マワリには、大変不評の声をいただいております。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
聞こえてきたのです。

パーマネンツをあてた次の日のお昼休み、
社食で後ろの席から、女子のひそひそ話が聞こえてきたのです。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「ゲルタさんの髪型、見た?」

「え、まだ見てない」

「ほら、すぐそこにいるじゃん」

「え?あのモジャモジャの人?」

「そう」

「どこのおばちゃんかと思った」

「ちょっとアンタ、声大きいよ!!聞こえちゃうでしょ!!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
(おいおいキミたち、じゅうぶんに聞こえてるよ?)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「なんであの髪型なんだろうね」

「イメチェンしたのかね」

「イメチェンに失敗したのかね」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
(おいおいキミたち、これは失敗ではないのだよ?)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「家、燃えたのかね」

「雷にあたったとか」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
(おいおいキミたち、オレは被災者ではないのだよ?)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「てか、キムタク意識してんじゃない?」
 
「あー、最近のね。やりそー」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
(おいおいキミたち、
 オレはキムタクさんを意識するほどおこがましくはないぞ?)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「案外、大泉洋かもよ?」
 
「あー、好きそうだよね」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
(おいおいキミたち、
 オレはベツに大泉さんを意識してるワケじゃないぞ?)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「もしかするとあの人かも」

「誰?」

「ちょっちゅねーって言うボクシングの人」

「亀田?」

「えー、亀田じゃないよー」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
(おいおいキミたち、
 ソレは具志堅だね?全然意識してないけど)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「意外なとこではアレかもよ?」

「誰?」

「ベートーベン」

「あー、音楽室の!!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
(おいおいキミたち、音楽室ベートベンは
 そんなにモジャモジャじゃないと思うのだが?)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「あと、バッハとかね」
 
「あー、わかるー」 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
(おいおいキミたち、
 音楽室バッハは全然違うね?ホントはわかってないよね?)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「案外人間じゃないかもね」

「何?」

「ブロッコリー」

「いやぁー、もうブロッコリー食べられなーい」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
(おいおいキミたち、オレは野菜かね?)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「カリフラワーとかね」

「たいしてかわんないけど」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
(だから、オレは野菜かね?)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「案外、焼きそばだったりして」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
(おいおいキミたち、オレは炭水化物かね?)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「かた焼きそばだよね」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
(堅くないよ?そんなに堅くないよ?)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「ペヤングじゃない?」

「あー、近いよね」

「お湯、入れる前だよね」

「そう、お湯入れる前だよね」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
(おいおいキミたち・・・・・・お湯入れる前て・・・・・・)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「カップヌードルかもよ」

「やっぱりお湯入れる前だよね」

「チリトマトだよね」

「どうしてチリトマなの?」

「チリチリしてるし」

「うまーい」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
(キ、キミたち・・・・・・)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
・・・・・・
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
殺ス。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「おいおいキミたーちっ!!
 さっきからオレの髪型をいろいろ言ってるキミたーちっ!!」
 
 
 
 
 
 
「は、はい?」

「あれ?聞こえてたの?」
 
 
 
 
 
「あー、聞こえてたね!!
 もう、めちゃくちゃ聞こえてたね!!
 全部聞こえてたからホントはブッとばしたいとこだけど、
 安心しろ、オレは男だから女子はブッとばさん。
 
 しかし!!
 
 そのかわりと言っちゃぁなんだが、
 キミたちにはオレから、こんな言葉を贈ろう!!」
 
 
 
 
 
「・・・・・・」

「何?」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「死んじゃえ」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「・・・・・・」

「・・・・・・」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「しかも、ひどい死に方しろ」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  
アナタは、「徒歩暴走族」をご存じだろうか。
 
 
 
「徒歩暴走族」である。
しかし、「暴走族」だが「徒歩」でもある。
 
 
 
 
 
 
 
 
(ごめん!!オレには意味がさっぱしわかんねぇ!!)
 
 
 
 
 
 
 
 
TVのワイドショーで彼らの存在を観た時、オレは咄嗟に謝った。
何に対して、誰に対してかはよくわかんないけど
とにかく咄嗟に謝った。
思うにそれはきっと、彼らの行動を
理解してやれないことに対する謝罪なのかもしれないけれど、
考えてみりゃぁ、理解できるはずもない。
 
 
 
なんせ彼らは、「徒歩暴走族」なのだ。
 
 
 
その徒歩暴走族は札幌や姫路に多く見られるらしい。
徒党を組んでは町を闊歩し、
近隣住民に迷惑をかけているという。

TVで観たのは姫路の徒歩暴走族だった。
姫路で行われる「浴衣祭り」という風情のあるお祭に彼らは現れ、
特攻服を身に纏い、大声をあげながら街中を闊歩するのだ。
 
 
 
 
 
 
 
 
『ドンキホーテ バリバリ〜!!』
 
 
 
 
 
 
 
 
いや、聞き間違いではない。
彼らは明らかに『ドンキホーテ バリバリ〜!!』と言っている。
TVの画面にも『ドンキホーテ バリバリ〜!!』のテロップが
浮かんだから耳の遠いおじいちゃんにも
彼らが何を言っているのかは明らかだ。意味はわかんないけど。

そして、先頭の少年が
『ドンキホーテ バリバリ〜!!』と叫ぶと、
後続に列を成す少年たちが、一斉に声をあげるのだ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
『ドンキホーテ バリバリ〜!!』
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
(ナ、ナゼにドンキホーテがバリバリ?)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
やがてTVの画面には顔をモザイク処理された少年が映し出され、
インタビュアーの
「どうしてこんなことをしているのか?」との問いに、
「チームの名前を売りたいから」と、そんなことを答える。

その口調はどこか軽々しく、オレは、
そのモザイク処理の下の顔を容易に想像することができた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
(きっと、アホづらだ)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
そしてTVにはさっきのアホづら少年(想像)とは違う、
ベツのモザイク少年が映し出される。
インタビュアーは、
さっきのアホづら少年(想像)と同じ質問をしたようだったが、
そのモザイク少年は、その問いにたいして、
こんなことを答えていた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「目立ちたいから暴走してんす」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
暴走・・・・・・
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
だからキサマ、「徒歩」だっつってんだろうが!!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
オイ!!
オイ、キミ!!
「徒歩」で「暴走してる」と言ったキミ!!
キミは気づいているのか?
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「徒歩暴走族」という言葉の大きな矛盾に。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
そしてソレが、嘲り笑われる為に生まれた名前だということに。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
・・・・・・
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
そんなキミ、
自らを「徒歩暴走族」と名乗るキミには
『湘南爆走族』をオススメする。
吉田聡氏の漫画、『湘南爆走族』を読むことをオススメする。
 
この漫画を読んで、
「カッコイイ不良」と「カッコワルイ不良」というものをキミは、
そして「徒歩暴走族」のキミたちは学ぶべきだろう。
そこには、永遠に色褪せることのない
「カッコイイ不良」の姿が描かれているのだ。

自分たちを不良と思うのならば、キミたちはソレを学ぶべきだ。
 
 
 
しかし、それでも。
もし、それでもまだ、そこに何かを学びとれないその時は。
 
 
 
オレはキミに、こんな言葉を贈るよ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「一生歩ってろ」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
オレが、ウォーキングシューズを買ってやる。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
・・・・・・
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
かつて、森田健作氏は
「恐れ知らない、それが若さだ、それが青春だ」
そう歌い上げたものである。

確かに、「恐れを知らない無鉄砲さ」というのは
若さゆえのものかもしれないし、
そしてソレは、若者の特権といってもイイのかもしれない。
 
 
 
しかし。
 
 
 
キミよ。
若さゆえに「徒歩」で「暴走」しているキミよ。
 
 
 
若いうちは確かに恐れなどは知らなくていいのかもしれないが、
それでもひとつ、知っておいてほしいことがあるのだ。
恐れなど知らなくとも、
それでもひとつ、知っておいてほしいことがあるのだ。
 
 
 
ソレは。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「恥」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
はい、どーもー、ゲルタですー。

やー、僕もこうして日記を書かせていただいておりましてー。
まー、頑張っていかなあきませんな言うとるワケですけどもー。
 
まぁ、そんなことよりアレですわ。
 
僕、今日の朝いつものように会社に行ったのですけど、
今はこうして、家から日記なんか書いてるワケですよー。

どうして?って思います?
どうして?って思うでしょ、奥さん。

いやー、ジツはですねー、
僕、蕁麻疹が出ちゃいまして。
身体にボツボツボツボツ、蕁麻疹が出ちゃいまして。

これがもー、痒くて痒くて。

でも、掻いちゃいけないってんでまー、
掻かないように
頑張っていかなあきませんなー言うとるワケですけどー。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
って、やめぃっ!!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
そのノリやめぃ。
ちょっと日記書くの間があいたからって、そのノリやめぃ。
迎合すんな、オレ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
まぁ、そういうワケでオレ、蕁麻疹なワケです。
蕁麻疹でボツボツ男になっちょるのです。
 
やー、ジツは今日の朝から調子が悪かったのですよ。
なんか身体がムズ痒い。
身体どころか顔までムズ痒い。

で、オレ、なんか痒いなーとか思ってたワケですが、
そしたら、会社の同僚のナミがオレの顔を見て言うワケですよ。
 
 
 
 
 
「ゲルタさん、顔になんかボツボツできてるよ?」
 
 
 
 
 
なにぃ?
オレのフェイスにボツボツだと?
この、紅顔の美少年といわれるオレのフェイスにボツボツだと?
 
 
 
 
 
で、トイレに行って鏡を見たら
オレのフェイスにオン・ザ・ボツ。
アイハブボツボツ、オンマイフェイス。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
うおおっ!!
なんすかコレ、蕁麻疹!?
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
で、トイレのウンチコーナーに入って、
オレ、服を脱いでみたワケですわ。
シャツも脱いでズボンも下ろしてみたワケですわ。

そしたら身体じゅうにオン・ザ・ボツ。
アイハブボツボツ、オンマイボディ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
うおおおおおっ!!
なんすかコレ、めちゃくちゃ痒いんですけど!!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
で、とくにね、
とくにオン・ザ・ボツなのが太ももなのですね。
なんつーの?
内股?
この、足の付け根あたりにいっぱいボツなワケですわ。
もー、かぃーかぃー。

でもオレ、まぁ、痒いくらいなら仕事だってできるさ、
そんなん思って仕事場に戻ったワケですが、
そしたらなんか、
いつの間にかに掻いちゃうんですね。
なんか、無意識のうちに痒いとこを掻いてしまう。
無意識のうちに痒いとこに手が伸びてしまう。
 
で、ポリポリ、と。
 
 
 
 
 
そしたらナミ。
ナミが、オレに向かって言うワケですよ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「ゲルタさーん、
 いちおうアタシ女なんでー、
 アタシの隣で、露骨に股間さわんのやめてくんないですかねー」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
バ、バ、バカ言っちゃイカンよ!!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
おい、ナミ!!
キサマは大きな勘違いをしているぞ?

これはさわってるんじゃなくて掻いてるんだから!!
痒くて、いつの間にか掻いてるんだから!!

つーかコレ、股間じゃないからね?
いや、股間っちゃぁ股間だけども、一応足だから!!
この、足の付け根んとこにボツがいっぱい出来てるから、
ここんとこが一番痒いのさ!!

なんなら見るか?
オレの内股、見るか?

よし、見せてやる!!

あ、でも勘違いすんな?
これはあくまでも内股のボツを見せるのであって、
ベツに股間を見せるというワケではなくて、
でも、すっげぇ近い部分にオン・ザ・ボツだから
「やっべぇ、近いよ・・・」って
ちょっと緊迫感が生まれちゃうような感じかもしんないけど
あくまでも内股のボツを見せるのであって
ソレ以外の意図はないワケなんだけど、
でも、キミからのリクエストがあれば
ソレに答えないワケにはいかない
オレであることはキミも承知してると思うんだけど・・・
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「見なくていーです!!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
あ、ボツ以外は夜の話だよ?
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「余計に見ない!!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
・・・むぅ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
・・・・・・
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
まぁ、そんな感じでオレ、
ボツができて痒い痒い、
お股んとこが痒い痒い、
でもお股っつっても足だかんね!!
そんなん言いながらも仕事してたワケですが、
そしたらなんか、
時間が経つにつれよりいっそうボツができてくる。
いっぱいいっぱい、ボツができてくる。

そしたら、そんなオレを見てナミは言うのです。
 
 
 
 
 
「ゲルタさん、なんか顔にボツボツ増えてるよ?」
 
 
 
 
 
お、おお・・・
 
 
 
 
 
「鼻のよこにもできてるし、口のよこにもできてるし」
 
 
 
 
 
お、おおお・・・
 
 
 
 
 
「なんか、ボツボツが腫れて大きくなってきてるよ」
 
 
 
 
 
お、おおおお・・・
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「まぶたんとこも腫れちゃってる!!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
あ、ごめん。
ソレはオレのまぶたが腫れぼったいだけだわ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
・・・・・・
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
まぁ、そんな感じでオレ、
朝っぱらから蕁麻疹が出来たってことで、
会社を早退してきました。
 
 
 
 
 
っつーことで、本日のオレ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
9時出社!!10時退社!!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
昔から「○○タ」というあだ名で呼ばれております。

「タ」の前にある○○には4文字あるオレの本名のうちの
前の2文字が入り、「○○タ」。
まぁ、ここでなのっている「ゲルタ」もそこから来てるわけで、
このあだ名とたいして変わりはないのだけど、
幼稚園の時から今まで、およそ30年間、
このあだ名で通っています。
もはや、この30年の間呼ばれ続けたあだ名は「第2の本名」。

ちうか、高校時代なんかは本名よりもあだ名の方で有名になって
他校のヤツに本名を言っても誰もわかんないのに
「ゲルタだよ」って言うと、「え?オマエが?」みたいになって
だいぶ複雑な気持ちになったりしたものです。

まぁ、このあだ名、キライじゃないからいいんですけど。

そんな感じでオレは今まで、このあだ名でとおってきたワケで、
これから先もこのあだ名でとおっていくのだと思いますが。
 
 
 
 
 
 
 
 
でも、この30年の間には、
突発的に違うあだ名で呼ばれることもありました。
ずーっと呼ばれていた「○○タ」とは違う呼び方。
 
 
 
 
 
 
 
 
たとえば、「もんもん」
 
 
 
 
 
 
 
 
オレをこう呼んだのは昔付き合ってた彼女で、
彼女は、なぜだか知らないけれどオレのことを
「もんもん」と呼びました。
しかし、オレはこの呼ばれ方があまり好きではなく。
だってなんだか、モンチッチみたいだから。
 
 
 
「どうしてオレはもんもんなの?」

「えー、なんとなーく」

「もんもんって呼ばれんのイヤなんだけど」

「いーじゃーん。もんもんってカワイイじゃーん」
 
 
 
オレはベツにかわいさをウリにしていたワケではないから
この呼ばれ方に不満を持っていたワケですが、
まぁ、彼女がそう呼びたいならしょーがねぇってんで4年間。
別れるまでの4年間、彼女にはそう呼ばれ続けたワケです。
待ち合わせの時なんか、
幼さが抜けきれない元気いっぱいの彼女が
 
 
 
「やー、もんもんっ!!」
 
 
 
そう、大きな声で人の多い待ち合わせ場所にあらわれるのには
だいぶ閉口したものです。
 
 
 
 
 
 
 
 
あと、イヤだったあだ名と言えばアレ。
 
 
 
 
 
 
 
 
「ロダン」
 
 
 
 
 
 
 
 
これはアレ。
昔、会社のトイレ、
ウンチコーナーの洋式便座に座っていた際、
オレはドアのカギをかけるのを忘れておりまして、
同僚にドアを開けられたワケです。

で、ちょうどその時のオレは、
便座に座りながら前かがみになって膝に肘をたて、
頬杖をついてたもんだから、
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「ゲルタくんが便所で考える人みたいになってた!!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ドアを開けた同僚がソレを職場中に言いふらした結果、
オレについたあだ名が、「ロダン」。

若干、知性のカオリがしますけど、
でも、トイレがきっかけのあだ名ってのはなんか、ねぇ。
 
 
 
 
 
 
 
 
あと、イヤだったあだ名といえば、アレ。
 
ちうか、これが一番イヤかもしんないんですけど。
昔、仲間につけられたあだ名。
 
 
 
 
 
 
 
 
このあだ名が生まれたきっかけは、ゲップでした。
 
 
 
 
 
 
 
 
むかーし、コーラをガブガブ飲んでいた時に
友人に急に話しかけられたのですね。
 
 
 
「ねぇ、ゲルタ」
 
 
 
そう言われてオレ、
 
 
 
「なに?」
 
 
 
そう答えようと口を開いた瞬間、ゲップが出たワケです。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「あ?なにゲフゥゥゥゥゥ〜」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
腹の底から思いっきり、ゲップが出たワケです。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「なんだオメー、キタネーな!!」
 
「コーラ飲んだんだからしょーがねぇべ!!
 誰だってコーラ飲んだらゲップ出るだろ!!」
 
「それにしてもオメー、品がなさすぎんだろ!!」

「ゲップに上品も下品もあるかこのげフゥゥゥ〜」
 
「またかよ!!キタネーな!!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
こんなことがあり、それからオレは
「ゲップをする人」という意味なんだかどーだか知りませんが
しばらくの間、こう呼ばれました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「 ゲッパー 」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 

 
 

・・・ゲッパーて。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
毎度毎度アホみたいな話ばっかで申し訳ないですが、
今日の話は尿検査のお話です。
 
尿検査です尿検査。
きっと誰もが経験しているであろう、
あの、尿を検査するヤツです(←そのまんま)
 
 
 
 
 
 
 
 
っつっても、尿検査といってもいろいろありますね。
検査までの過程、
とくに、尿を採取する方法にいくつかの種類があるようですが、
その中でも、オレがとくに問題にしたいのは、あの、
「コップの中に一度尿を溜めて、
 その後ソレをスポイトで吸い上げて、ソレを提出する」という
あのパターンの尿検査です。
きっと、多くの方が経験してるかと思われますが。
 
 
 
 
 
 
 
 
じゃ、そのタイプの尿検査のどこに問題があるのか、
という話になるワケですが。

オレが問題にしたいのは、あのスポイト。

コップに溜めた尿を吸い上げる、あのスポイト。
なんか、駅弁のソース入れみたいなカタチしたあのスポイト。

あのスポイトを横から見て、
その表面の上の方にはですね、
一本のラインと共に、こんな言葉が書いてあるのですね。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
『 ここまで入れてください 』
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ワタシたち検査を受けるモノは、
コップに採った尿を、スポイトをしゅこしゅこやって、
あの『 ここまで入れてください 』ラインに
少しでも近づけようとするワケですが。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
無理じゃね?
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
『 ここまで入れてください 』まで入れられなくね?
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
どーですか、みなさん!!

あのタイプの尿検査をやったことあるみなさん、
あの、『 ここまで入れてください 』まで入れられますか?

尿を!!
あの!!
『 ここまで入れてください 』まで!!

はたして、入れることができますか!?
 
 
 
 
 
 
 
 
はっきりいって、至難のワザです!!
 
 
 
 
 
 
 
 
スポイトをしゅこしゅこやってあの、
『 ここまで入れてください 』ラインまで
尿を吸いあげるのは至難のワザです!!
 
 
 
 
 
 
 
 
ハードルが高すぎます!!
 
 
 
 
 
 
 
 
思いっきりスポイトを潰して尿を吸い上げても、
あのラインは越えられない!!
 
 
 
 
 
 
 
 
いや、きっと、アレは目標なのだと思います。
きっとあの、『 ここまで入れてください』ラインは
ひとつの目安なのだと思います。
ひとつの目安なワケですから、
吸い上げる尿が、あのラインにある程度近づけば
オッケーなのだと思います。
 
 
 
 
 
 
 
 
しかし!!
 
『 ここまで入れてください 』なんて書いてあったらそこまで、
尿をそのラインまで、
入れたくなるってのが人情ってもんでしょう?(←そうでもない
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
・・・・・・
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
今日、会社で健康診断があったのです。

そしてその中で、あのタイプの尿検査があったのです。

オレは、トイレのウンチコーナーに入ってコップに尿を採り、
そして、ソレをスポイトに吸い上げる作業をしたワケですが、
これが、どーにもうまくない。

どーしても、『 ここまで入れてください 』まで入らない。

いや、さきほどもいったとおり、
アレはきっと目安でしょうからある程度、
ある程度、そこに近づけばいいのだと思うのですけれど、
ソコはなんせ、オレ。
ミスター・パーフェクト。
尿検査まで完璧じゃないと気が済まない。
どーしてもその
『 ここまで入れてください 』ラインに到達しなければ
気に入らない。

「こんにゃろ、こんにゃろ」っつってスポイトを
思いっきり潰してあのラインまで吸い上げようとして、
何回も何回も吸い上げて捨ててを繰り返しまして。
 
 
 
 
 
 
 
 
そんなんを15分くらい繰り返してやってまして(←バカ
 
 
 
 
 
 
 
 
でも、結局あの『 ここまで入れてください 』ラインを
越えることができなかったという。
 
 
 
 
 
 
 
 
あのライン、
『 ここまで入れてください 』ライン、
はたして、越えれる人はいるのでしょうか。

しかも毎回。

尿検査するたびに
あのラインをオーバーできるひとはいるのでしょうか。
 
もしいたら、
その人のことは尊敬の念をこめてこう呼びたいですね。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「尿採り名人」、もしくは、
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「匠」と。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
新しいパソコン、買いました。
 
新しいパソコン買ったら
もっとウレシイ気持になんのかと思ってたけど
意外とそうでもなく、
逆に、約10年近く使い続けたパソコンを想うと
寂しい気持ちでいっぱいになります。
 
あのパソコンで何回日記を書いたのだろう。
あのパソコンのキーボードを何回叩いたのだろう。
何回、TとIとNとKとOを押したのだろう。
おかげで、TとNとOのキーはふにゃふにゃになってしまいました。

思えば、全部あのパソコンから始まったワケで。
あのパソコンがあったからたくさんの人と交流を持てたワケで。
オレがオレであることを
あのパソコンからたくさんの人に知ってもらえたワケで。
あの小さな箱にはもはや、
電気的な信号以外の何かが入ってるように思えるワケで。

ソレを思うとなんだか寂しくなります。

最後の方にはもうエラーばっかだし
画面はすぐに固まるし
ネット開くのに10分くらいかかるし
メール見れないし
電源落とそうとしても落ちないし
熱をもってものすごく熱いし
そりゃぁもう散々だったワケですが、
それでもなにか、寂しい気持ちになります。

ただの機械だったはずなのに、
ただの機械とは思えなくなるんです。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
なんですか、あの揺れは。
 
 
  
なんかいきなりブワーッて、
なんかいきなり家ん中が
ガタガタガタガタ揺れはじめやがったもんだからもー、
オレはてっきり王蟲が群れをなしてやってきたと思っちゃって
巨神兵で対抗しようとしたんだけど巨神兵がすぐ死んじゃったから
大婆様に「巨神兵死んじゃった」っつったら大婆様が 
「王蟲の怒りは大地の怒りじゃ」っつったって、ゥオィッ!!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
大婆様なんていねぇぞ?
頭を冷やせ、オレ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
まぁ、それはソレとして。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
あらためましてコンニチワ。
ゲルタでございます。
 
それにしても今日の岩手・宮城を中心におきた地震、
モノスゲー揺れたワケですが東北地方にお住まいの皆様は
ご無事でしたでしょうか。オレも東北ですけど。
ご被害に遭われた方には心よりお見舞いを申し上げます。

オレんとこもだいぶ揺れたワケですが、ワタシは無事でございます。

お見舞いメールをくださった方、ありがとうございます。
たまにおちこんだりもするけど、ワタシは元気です。
 
 
 
 
 
 
 
 
まぁ、そんな感じで大きな地震だったワケですが。
 
 
 
 
 
 
 
 
地震といえば、ちょっと前から導入された緊急地震速報。
気象庁で、大きな地震を予測して発表するヤツですね。
導入後、地震がないのに発表されたり
発表されたのが地震の後だったりして
なかなか不評だったりしますが。
 
 
 
その緊急地震速報。
 
 
 
今日の地震でも出ましたね。
出ましたね、緊急地震速報。
 
なんかですね、今日の地震、
1回目にすっごい揺れた時にオレはアイロンかけてたんですが、
アイロンかけてたオレ、すっげぇ焦ってTVつけたワケですよ。
そしたらしばらくして
TVは一斉に地震の番組に切り替わったんですけど、
ソレを観てたらTVのアナウンサーが、
いきなり興奮した口調でこう言うワケですよ。
 
 
 
 
 
 
 
 
「ただいま、緊急地震速報が出ました!!」
 
 
 
 
 
 
 
 
もう、緊急ですわ。
緊急感アリアリですわ。
 
なんかもー、アナウンサーがあまりにも緊急感アリアリなもんだから、
ソレを観てたオレもなんだか緊急感アリアリになっちゃったりして。 
「ヤベェんじゃね?なんかものすっごいヤベェんじゃね?」って。
  
で、アナウンサーは言うワケですよ。
緊急感アリアリに言うワケですよ。
 
 
 
 
 
 
 
 
「緊急地震速報が出ました。
 数秒後に大きな揺れが来る可能性があります。
 ただちに身の安全を確保してください。
 繰り返します、ただちに身の安全を確保してください」
 
 
 
 
 
 
 
 
なにコレ?
なにこの緊張感?

なんかもー、ソレを聞いたらさすがに焦んの。
学校の避難訓練で「机の下にもぐりなさい」とか
散々やってきたワケですが、
あの緊張感の中ではそんなことも忘れてしまう。
 
 
 
 
 
 
 
 
(身の安全っつったって、どうすんのよ!?)
 
 
 
 
 
 
 
 
そしたらアナウンサーは言うワケですよ。
 
 
 
 
 
 
 
 
「ただちに身の安全を確保してください。
 近くに座布団がある場合は座布団を頭に被ってください」
 
 
 
 
 
 
 
 
おおお、座布団か!!
座布団だな!?
座布団、頭に被ればいいんだな!?
 
 
 
 
 
 
 
 
オレ、頭に座布団のっけたら、さらにアナウンサー。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「近くにもぐれる場所がある場合、すぐ下にもぐってください」
 
 
 
 
 
 
 
 
おおおお、もぐんのか!?
もぐればいいんだな!?
どっかにもぐればいいんだな!? 

えーと、もぐれるところ、もぐれるところ・・・
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
・・・・・・
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
あのぅ、アイロン台しか無ぇんですけど・・・
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ダイジョブ?
アイロン台ダイジョブ!?

や、ダメだろ、身体が全部隠れねぇもん!!

でもヤベェぜ!!
ことは緊急を要する!!
 
 
 
 
 
 
 
 
「繰り返します。
 近くに座布団がある場合は座布団を被ってください。
 近くにもぐれる場所がある場合はすぐにもぐってください」
 
 
 
 
 
 
 
 
ほら、アナウンサーも「すぐにもぐれ」って繰り返してるぜ!!

とりあえず、アイロン台に隠れる部分だけでも隠す!!
アイロン台の下に隠れる身体の部分だけでも隠す!!
ソレは頭か身体か足かチンコか?
や、ここは断然頭だぜ!!
頭が潰れたら死んでしまう!!
まず、優先的に隠すべきは頭!!
ちなみにその次は、えーと、チンコ?

や、そんなことはどうでもいいのさ!!
とりあえず頭だけをアイロン台の下に!!
 
 
 
 
 
 
 
 
仰向けになって頭だけアイロン台の下に入れ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
あ、そうだ!!
一応、チンコの上にも座布団のっけとこう!!
 
 
 
 
 
 
 
 
腰の上にも座布団をのっけて、
オレは緊急地震速報で報じられた
「大きな揺れ」に対して備えたワケですが。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
・・・・・・
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
・・・・・・
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
・・・・・・
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ゥオィッ!!
全然揺れないじゃないかゥオィッ!!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
まぁ、そんな感じで
オレにとっての緊張の時間は過ぎていったのですが。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
・・・・・・
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
しかしアレですね。
地震ってのはほんとコワイですね。
日本では過去に大きな地震がいくつもあって、
ソレがどれほどのを爪痕を残したかも知っているから、
オレは、地震に対してものすごい恐怖を感じます。

例え地震が突発的に起こるモノであって、
地震が起きた時にどれほどの対応がとれるかはわかりませんが、
それでも、
個人個人、なんらかの対策や準備はしておいた方がいいのでしょうね。
  
オレは今日、この大きな地震を体感してつくづく思いましたよ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
だって、アイロン台で命が助かるとは思えないもん。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
病院のトイレのウンチコーナーでふと思ったのですけどね。

便器にレバーついてるじゃないですか。
和式のね。
ヤンキー座りするタイプの便器のほうね。
あの和式の便器って、公共の場なんかにあるヤツだと
便器の前んとこにレバーがついてたりするじゃないですか。
で、用事が終ったあと、
そのレバーをグイッとやって水を流すワケですが。

で、そこでふと思ったのですが。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
あのレバーって、手でやるの?足でやるの?
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
や、なんか今日、ふと思ったワケですわ。
水を流す段階にきて、ふと思ったのですわ。

オレはそん時手でグイッとやろうとしたワケですが、
なんか躊躇しちゃったのですね。
「なんか・・・触りたくねぇ・・・」って。
ほら、病院ってこともありますし。
で、足でレバーをグイッと押し下げようかと思ったのですが、
それはソレで、なんだか気が引ける。
足でやるってことは靴底でやるってことですからね。
もしかすると次に使う人が手でやるかもしんないワケですし、
ソレを思ったらなんだか気が引ける。
そしたらやっぱ手で・・・
でも、それはソレで触りたくない。
だから足かっつーと、
中には、ウンチしながら水を流す人もいるワケですし、
そしたらその人は、完璧に手でグイッてやってるってことですからね。
ソレを足でやるのはなんだか気が引ける。
でも、海水浴場のトイレとかだったら確実に足でグイッなワケで・・・

で、そこで思ったワケですよ。
「便器のレバーは手でやるの?足でやるの?」って。

はたして、世の中の統計的にはどっちが多いんだろう。
手でグイッ派か足でグイッ派か。

今までの自分はといえば、
特に意識していたワケなんで曖昧なんだけど
手でグイッとやったり足でグイッとやったり
いろいろだったような気がするんですが、
はたして、一般的にはどっちなんだろう。

中には、トイレットペーパー巻いて、
直接触らないようにして手でグイッて人もいると思いますが、
はたして、世の中としてはどっちなのだろう。
オレは、ウンチコナーナーで悩んだワケです(←早く流せよ)
 
 
 
 
 
 
 
 
なもんでですね。
これはですね、ちょっとですね、あのレバーの使い方を
明確にしていた方がいいんじゃないかと思いまして。

なもんですから。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
トイレとかそこらへん関係の
某会社のショールームに問い合わせてみました。
 
 
 
結果。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「一応、手で押していただくことになっています」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
なんかですね。
対応してくれたオネイサンの話ではですね、
あのレバーってのは一応、手でやるモノらしいです。
足だとですね、
体重とか余計な力が加わって破損の原因になるらしいんですね。
ですから、正式にはあの和式トイレのレバーは
本来ならば手でグイッとやるものらしいです。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
っつーことで決定!!

「和式トイレのレバーは手でグイッ」!!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
いやぁ、こんなくだらない質問に
ちゃんと答えてくださったッショールームのオネイサンに感謝ですね。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ついでに、
「オネイサンも手ですか?」っつったらオネイサン、
 
 
「ハイ」
 
  
そんなん答えてくれて、
オレはなんかちょっと、ワクワクしちゃったワケですが。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

COLOR。

2008年6月10日 日常 コメント (5)
 
 
 
 
 
 
 
オレの絵の具を使って姪っ子のエリと遊んでやったりしてるワケですが
エリは昔から英語を習っているせいか
 
 
 
 
 
「ゲルちゃん、ィェーロゥとってー」
 
 
 
 
 
色を英語で言うのでなんかちょっと、ムカッときます。
 
 
 
 
 
「あー、黄色ね」

「うん、ィェーロゥ」
 
 
 
 
 
オレが日本語で言ってんのに
わざわざ英語で言いなおすのでなんかちょっと、ムカッときます。
 
 
 
 
 
「あー、イエローね」

「違う。ィェーロゥ」
 
 
 
 
 
ガキンチョのクセにオトナのオレの発音を
注意しやがるのでなんか結構、ムカッときます。
 
 
 
 
 
でも、まぁまぁまぁ、と。
オレ、まぁまぁまぁ、と。
 
 
 
 
 
相手はガキンチョでございますから
いちいちムカッとくんのもオトナゲ無いというものですし、
ここは逆に、
逆に、そんなエリを褒めて伸ばすことを考えるのが
オトナっていうものではないのかと考え、
「エリは英語が上手だねー」なんつって褒めてやるワケでございますが
するとエリ、
 
 
 
 
 
「ベツにたいしたことないけど」
 
 
 
 
 
ガキンチョのクセにクールなリアクションをとったりして
なんかちょっと、ムカッときます。
 
 
 
 
 
しかし、それでもやっぱりガキンチョ、
褒められるのはやっぱりウレシイとみえ、
「これはレッダ」
「これはブゥー」
なんつってエリはオレの絵の具を指さしながら
チョーシにのるワケでございますが、
するとそのうち
「これはなーんだ?」
なんつって、オレに質問してきまして、オレが
「白はホワイトだね」
なんて答えると
 
 
 
 
 
「違う。ワィト」
 
 
 
 
 
やっぱりなんか、ムカッときます。
 
 
 
 
 
しまいにゃエリ、
 
 
 
 
 
「ゲルちゃんて英語ヘタクソだね」
 
 
 
 
 
なんかかなり、ムカッときます。
っつーかめちゃくちゃムカッときます。
 
 
 
 
 
なのでオレは、1つの絵の具を指して、エリに
「じゃ、この色はなーんだ」と質問しましたところ、
エリは「そんな当たり前のこと訊くんじゃない」とばかりに
冷めた目つきをして

「グゥィーン」

そう答えましたので、
オレは、そんなエリに対して、こう言ってあげました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「残念、これはビリジアンって言うんだよ。へっへっへ」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
マサ、タケ、そしてオレの3人で、
「たまには映画でも観よう」ということになった。
 
ヒマな時間をだらだら過ごすよりも、
「ここは映画でも観て有意義な時間をすごそう」
ということになったのだ。
 
しかし、観る映画が決まらない。
オレら3人、観たい作品が異なるのだ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
マサ:「ゲルタは何が観たいの?」

ゲル:「オレは、『相棒』」

マサ:「えー!!
    『相棒』なんてテレビでいっつもやってんじゃん!!」

タケ:「わざわざ映画館で観なくても、
    来年の正月あたりにテレビでやるだろ」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
やる。
多分、やる。

しかし、2時間ドラマ枠から『相棒』を観つづけてるオレは、
映画館でも『相棒』を観たいのだ。
映画館で観なければ、
「相棒ファン」を名乗れないような気がするのだ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
タケ:「だったら来年まで待つべよ」

ゲル:「待てねぇから今行くんだべよ」

マサ:「だってよー、『相棒』ってアレだろ?
    僕の先生はフィーバーだろ?」

タケ:「そうだよ、フィーバーだよ」

ゲル:「フィーバーじゃねぇよ。水谷豊だよ」

マサ:「お金出して観たいか?フィーバーを」

タケ:「そのうちドラマだってまた始まるべ。
    はぐれ刑事みたいに何回もやるべ」

マサ:「だいたいあそこのテレビ局は刑事ドラマ好きだよな」

タケ:「いっつもやってるよな」

マサ:「『はぐれ刑事』だべ、『相棒』だべ、
    『おみやさん』だべ、あと、『富豪刑事』だべ」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
タケ:「あと、『宇宙刑事ギャバン』もあそこのテレビ局だぞ」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
マサ:「そーだよな!!
    っつーことは『宇宙刑事シャリバン』もだかんな!!
    どれだけ好きなんだよ、刑事が」

タケ:「まったく、日本にはまともな刑事はいねーのかって話だよ」

ゲル:「『ギャバン』と『シャリバン』は関係ねーだろ。
    っつーか、アレだからね?
    今度の『相棒』はテレ朝50周年記念だから。
    ここはやっぱ、映画で観ておかないと」

マサ:「そーなの?
    50周年記念って『スシ王子』じゃねーの?」

ゲル:「わかんねーけど!!
    『スシ王子』もそうかもしんねーけど!!
    どっちか言うとやっぱ、『相棒』なんじゃね?」
 
タケ:「え〜、『相棒』が50周年記念かよ〜。
    あんましグッとくるものがねぇよなー」

マサ:「フィーバーがギャバンに変身したら観てやるよ」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
むむむ・・・
オレが推薦する『相棒』、人気薄である。
水谷豊がギャバンに変身することはまず有り得ないことだから、
コイツらの口から進んで「観たい!!」と言わせるのは
まず不可能なことなのかもしれない。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ゲル:「じゃ、マサは何が観てーんだよ?」

マサ:「そうだなぁ、オレはアレだな」

ゲル:「やっぱ『相棒』か」

マサ:「違うっつーの。
    やっぱここは、『ランボー』じゃね?」

タケ:「え〜、オレ、戦争モノとか苦手なんだよ」

マサ:「アレは戦争モノじゃねーよ?ゲリラモノだよ?」

ゲル:「同じだろ」

マサ:「同じじゃねーよ。
    っつーか、『ランボー』がキライな人っているの?」

タケ:「はい、俺」

ゲル:「あー、ここにいたね」

マサ:「だからオメーはなよっちいんだよ!!
    オメーも『ランボー』を観て男を磨け!!
    『ランボー』のように強くなれ!!」

タケ:「でもオレら、山ん中でゲリラ戦する機会ないからね」

ゲル:「軍隊と戦う機会も無いしね」

マサ:「そーいうこと言ってんじゃねーから!!
    逞しくなれって話だから!!
    っつーか、
    『ランボー』がキライな人がいるのが信じられねーわ。
    オレなんか『ランボー』好きすぎて
    ウチの猫にランボーって名前つけたからね」

ゲル:「そういえば、オメーんちの猫、ランボーだったな」

タケ:「な、あのバカ猫な」

ゲル:「っつーかよ、
    猫にランボーって名前つけるヤツの顔が見てぇよな」

タケ:「ホントに」

マサ:「ごめん、こんな顔だよ」

ゲル:「ってか、オメーんちのランボー、相変わらずバカ猫なの?」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
マサ:「いや・・・
    何年か前に帰ってこなくなったまま・・・」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ゲル:「あ、ああ、そう・・・」

タケ:「・・・」

マサ:「・・・」

ゲル:「ってかさ!!ランボーってさ!!
    一作目はすっげぇ面白かったんだけどさ!!
    その後がすっげぇつまんなかったじゃねー」

マサ:「そう?オレは好きだったけど?」

ゲル:「マジで?アレ、面白かったか?
    だって、なんだアレ。
    『ランボー 怒りの脱出』ってなんだアレ。
    “怒ってんなら脱出すんなよ!!”って話だろ」

マサ:「あれは邦題をつけたヤツのセンスが無ぇんだよ」

ゲル:「一作目は面白かったんだけどなー。
    最後なー、“ヤツの腸が止まらないんだー”とか言ってなー」

マサ:「いや、今回のも面白いらしいよ?
    最初のくらいに面白いらしいよ?」

ゲル:「ホントにー?」

タケ:「えー、オレはイヤなんだけどー」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
最後に、タケである。
タケは何が観たいのか訊いてみた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
タケ:「ん〜、『少林少女』」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ゲル:「却下!!」

マサ:「誰が観るんだ、『少林少女』を!!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
タケ:「えー、だって、柴咲コウだよ?」

ゲル:「知ってるよ!!
    だったらオレだって水谷豊だよ!!」

マサ:「オレなんか世界のスタローンだ!!」

タケ:「柴咲コウがカンフーだよ?」

ゲル:「だからどーした!!
    柴咲コウがカンフーでだからどーした!!」

マサ:「オレらは
    ああいう映画を面白いと言えるほど若くはねーんだよ!!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
話し合いはまとまらない。
オレらはいつも、こうだ。
いつも「ワレがワレがワレがワレが」ってなって、
なかなか話がまとまらない。

だからいつも最後は、
“最も簡単で公平”な勝負で決めることになる。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ゲル:「じゃ、ジャンケンだな」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ジャンケンで勝負。
観たい映画をかけて、ジャンケン勝負。

オレが勝ったら『相棒』。
マサが勝ったら『ランボー』。
タケが勝ったら『少林少女』。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
マサ:「いいか?負けても文句ナシだかんな?
    それでも自分推薦の映画が観たいってんなら、
    違う日に飲屋のオネイサンでも誘って観に行け」

タケ:「オレが勝ったら観るんだろ?」

ゲル:「観てやるよ。『少林少女』観てやるよ。
    そのかわり、オレが勝ったら『相棒』だかんな?」

タケ:「わかってるっつーの」
 
マサ:「じゃ、いくぞ?」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
そして始まる、『観たい映画』を賭けた勝負。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
はい、じゃーんけーん、ポン!!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
パー!!
パー!!
グー!!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ゲル:「よっしゃぁ!!」

タケ:「よしっ!!」

マサ:「マージーでー!!」

ゲル:「ふははは、残念だったなマサくんよ!!
    『ランボー』がベツの日に観にいきたまえ!!」

マサ:「うわー、ショック!!すげぇショック!!」

タケ:「はい、『ランボー』消えたー」

マサ:「いーよ。ランボーは今度観るよ。
    つーかよ、俺、『少林少女』だけは観たくねーんだけど!!
    だったら『相棒』のほうがいいわ!!」

ゲル:「だろ?
    だったらオレを応援しろ」
 
マサ:「おう、応援するわ!!」

タケ:「バーカ、応援したってどうしようもねーべ?」

ゲル:「じゃ、マサが審判で」

マサ:「オッケー、俺が審判!!」

タケ:「オメー、ズルすんなよ」

マサ:「しねーよ。
    ゲルを応援はすっけど、ズルはしねぇ。
    じゃ、決勝戦いくぞ?」

ゲル:「よっしゃこい!!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ハイ、じゃーんけーん、ポン!!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
グー!!
チョキ!!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
タケ:「うぉっしゃーっ!!勝った!!
    はい、『少林少女』ねー!!」

マサ:「オメー、何やってんだよ!!
    どー考えても今はパーだろ!!パーを出すところだろ!!」

ゲル:「そんなの知らねーよ!!
    あ、つーか、ちょっと待って!!」

タケ:「なんだよ?俺はズルしてねーぞ?」

ゲル:「あー、そーだけどさ。
    っつーかさ、決勝戦はアレだよな?」

タケ:「なんだよ」

ゲル:「決勝戦って、あっち向いてホイじゃなかった?」

タケ:「なんだそれ!!」

ゲル:「いや、そーじゃね?おい審判、そーだよな?」

マサ:「え!?」

ゲル:「そーだろ?あっち向いてホイだろ、決勝戦は!!」

マサ:「あ、ああ、そうだ!!決勝戦はあっち向いてホイで!!」

タケ:「なんだそれ、キタネーな!!」

ゲル:「しょーがねーじゃん、ルールだから」

マサ:「そーだな。
    決勝戦はあっち向いてホイってのが国際ルールだ」

タケ:「国際ルールったって日本人しかいねぇじゃん!!」

マサ:「でも、ソレがルールですから」

タケ:「っつーか、外国にあんのか?
    あっち向いてホイが外国にもあんのかよ?」

ゲル:「あるよ?当たり前じゃんなー」

マサ:「おお、あるある」

タケ:「じゃ、やってみろ。
    外国のあっち向いてホイやってみろ」

ゲル:「おお、いいよ?
    やってやれ、マサ、やってやれ」

マサ:「え?オレ?」

ゲル:「おお、やってやれ」

マサ:「おお・・・」

ゲル:「・・・」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
マサ:「フンフンフン、フフフフフン!!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
タケ:「言えてねーじゃん!!
    言葉になってねーじゃん!!」

ゲル:「いーんだよ!!言葉じゃねーんだよ!!」

マサ:「気持ちだ気持ち!!気持ちで伝わるの!!
    つーか、今度こそ行くぞ!!本当の決勝戦行くぞ!!」

タケ:「オメーらキタネーかんね!!
    つーか、あっち向いてホイだな?
    今度は絶対に変えんなよ!!」

ゲル:「っつーか、ソレがルールだから。
    ベツにズルして変えたワケじゃねーから。なぁ?」

マサ:「おお、そーだよ。
    じゃ、いくぞ?決勝戦!!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ハイ、じゃーんけーん、ポイ!!あっち向いてホイ!!
じゃんけんポイ!!あっち向いてホイ!!
じゃんけんポイ!!あっち向いてホイ!!

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ゲル:「ラァーッ!!」

マサ:「よし、よくやった!!ナイス!!」

タケ:「キタネー!!オメーらキタネー!!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
そしてオレらは、『相棒』を観に行ったのである。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
タケ:「キタネー。オメーら絶対にキタネー」

ゲル:「しょーがねーよなー」

マサ:「国際ルールだかんなー」

ゲル:「なー」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
テツ:「なんかさー」

ゲル:「あー」

テツ:「なんかで読んだんだけどさー」

ゲル:「あー」

テツ:「女の子ってさ、夢を語る男にぽわーんとするタイプと
    夢を語る男にひくタイプにわかれるらしいよ」

ゲル:「へー」
 
テツ:「・・・・・・」
 
ゲル:「・・・・・・」

テツ:「・・・・・・」

ゲル:「・・・・・・」

テツ:「語ってみたら?」

ゲル:「あ?」

テツ:「だからよ、知り合った女子に夢とか語ってみたら」

ゲル:「なんで」

テツ:「ぽわーんてなっかもしんねぇべ」

ゲル:「なんねーだろ」

テツ:「なっかもしんねぇべ。
    ゲルタさんステキーとか言うかもしんねぇべ」

ゲル:「そんなん、恥ずかしいから。
    っつーか、女子を口説く為に夢を持つんじゃないからね」

テツ:「まぁ、そーかもしんねーけど」

ゲル:「そういうのは姑息だろ」

テツ:「んんー。
    じゃ、今のオマエの夢は何だ?」

ゲル:「ベツにねぇよ」

テツ:「いっこくらいあんだろーよ。
    じゃ、やりたいことって何だ」

ゲル:「SMプレイ」

テツ:「他に!!」

ゲル:「女家庭教師と生徒プレイ」

テツ:「プレイ以外で!!」

ゲル:「じゃー、強いていえば・・・」

テツ:「強いて言えば?」
 
 
 
 
 
 
 
 
ゲル:「デニーズのメニューを全部制覇してみたい」
 
 
 
 
 
 
 
 
テツ:「・・・それ、オマエの夢なの?」
 
ゲル:「んー、夢っつーかなんつーか・・・」

テツ:「やりたいことなの?」

ゲル:「うん、まぁ」

テツ:「小っちゃ」

ゲル:「オメー!!
    人の夢に向かって小っちゃって何だ小っちゃって!!」

テツ:「だって、もっとあるべよ、フツー。
    それが何だよ、その黄金伝説みたいな夢は」

ゲル:「ベツにいーべよ、オレがやりたいことなんだから。
    ソレにアレよ?
    デニーズのメニュー制覇ってすっげぇ大変だかんね?」

テツ:「知らねーよ」

ゲル:「言っとくけどアレだから。
    サイドメニューも行くからね?
    パンも行くから。
    カンパーニュとかクロワッサンとかいろいろあるべ?
    アレも含めての制覇だから」

テツ:「へー」

ゲル:「うわ、人の夢を訊いておきながら冷たいね」

テツ:「だってさー、なんかショボイんだもん」

ゲル:「ショボくねーよ。壮大なスケールだろ。
    全米が涙するっつーの」

テツ:「しねーよ。
    っつーか、それはあくまでデニーズなの?
    ガストじゃダメなの?」

ゲル:「あー、ガストはダメだ」

テツ:「何で?」

ゲル:「こないだ、暴れたから」

テツ:「また?」

ゲル:「またじゃねーよ?久しぶりよ?」

テツ:「どうせまた、店員が気にくわねーとかだべ?」

ゲル:「だってよ、おかしいんだもん!!」

テツ:「何が」

ゲル:「いや、こないださ、あそこでメシ食ってさ、
    950円とか、そんくらいだったワケよ」

テツ:「あー」

ゲル:「で、1000円出すべ?
    んで、細かいのありますーってレジの女に言って
    小銭探してたら、レジの女、
    1000円おあずかりしますって会計始めちゃったのよ。
    オレが小銭探してんのに。
    えー、小銭ありますって言ったじゃーん、みてぇな」

テツ:「あー」

ゲル:「で、小銭あるって言いましたよねーって。
    でもその女、なんかスッゲェ態度が悪くてさ
    スッゲェふてくされた顔して“あ、はーい”とか言ってさ。
    あなんかムカムカしたもんだからさー」

テツ:「だから?」
 
 
 
 
 
ゲル:「壁にパンチ」
 
 
 
 
 
テツ:「パンチすっことねーじゃん!!
    オメー、そのうち捕まっかんね?」

ゲル:「だってしょーがねーじゃん」

テツ:「っつーかオメー、ほんと、短気な」

ゲル:「んー」

テツ:「高校ん時から、おしっこが出る回数より
    手が出る回数のほうが多いってな、言われてたよな」

ゲル:「つーかソレ、前から納得いってねんだけど、
    なんで比較対照がおしっこなの?」

テツ:「知らね」

ゲル:「誰だよ、言い出しっぺ」

テツ:「さぁ?
    っつーか、何?ソイツもブッ叩く?」

ゲル:「何言ってるんですか。叩きませんよ。
    もう、大人ですから、大人」

テツ:「大人は、
    デニーズのメニューを制覇するのが夢ですとか
    言わねぇと思うけどな」

ゲル:「いや、ソレは大人だからできることだからね?
    子供にはそんな経済力は無いから。
    っつーか、子供はそういう夢は持たないから」

テツ:「じゃ、何だった?子供んときの夢」

ゲル:「んー」

テツ:「ほら、卒業文集とかに書いたべ?
    大きくなったら何になりたい、とか」

ゲル:「あー、書いたなー」

テツ:「何て書いた?」

ゲル:「幼稚園の時は何にも知らなかったからさ、
    銃が撃ちたいってだけで自衛隊になりたいって書いた」

テツ:「撃ちたいってだけでな」

ゲル:「で、小学校1年のときはねー、“孫悟空になる”って書いた」

テツ:「なんで、歳をとったのに夢は現実味がなくなってんの?」

ゲル:「いやー、オレ、
    そん時はマチャアキが大好きだったから」

テツ:「あー、西遊記な」

ゲル:「っつーか、スゲーと思わね?
    “孫悟空になりたい”じゃねーの。
    オレは“孫悟空になる”って断言してんの。カッケーよな」
 
 
 
 
 
テツ:「せっかく人間に生まれたのに、猿になりたかったんだ」
 
 
 
 
 
ゲル:「猿じゃねーから。孫悟空だから」

テツ:「で、なれましたか?」

ゲル:「いいえ」

テツ:「じゃ、その後は?」

ゲル:「中学校んときは、“先生になる”って書いた」

テツ:「オマエ、図々しいね」

ゲル:「なんで?」
 
テツ:「だってオメー、テストで0点とったべ」
 
ゲル:「あー、数学ね。何回かとったね」
 
テツ:「オレ、0点とった人、のび太以外で初めて見たもん。
    っつーか、オメーの0点を見て、
    “あ、0点てほんとにあるんだー”って思ったもん」
 
 
 
 
 
ゲル:「よかったじゃない、
    オレのおかげで本物の0点が見れて」
 
 
 
 
 
テツ:「そんなヤツが先生になりたいってか」

ゲル:「“なりたい”じゃなくって“なる”な。なってねーけど」

テツ:「じゃ、高校ん時は?」
  
ゲル:「そりゃ、アレだろ。AV男優だろ」
 
テツ:「あー、そうだな!!
    みんな言ってたよな、“AV男優になる”って」

ゲル:「みんな言ってたよな」
 
 
 
 
 
テツ:「“3Pの現場で会うかもしんねーから、
    そんときはよろしく”とか言ってたよな」
 
 
 
 
 
ゲル:「言ってた言ってた!!」

テツ:「言ってたよな!!」

ゲル:「んじゃ、オメー、アレ知ってる?」

テツ:「何?」

ゲル:「ユキいるべ、ユキ」

テツ:「おお」

ゲル:「アイツさ、先生にさ」

テツ:「うん」
 
 
 
 
 
ゲル:「“AV監督になりたいんだけど、
    どこの学校に行けばAV監督になれんの?”って訊いてた」
 
 
 
 
 
テツ:「アイツ、バカだな!!」

ゲル:「バカだろ!!
    でもアイツ、大学に行ったかんな」

テツ:「オレらの仲間ん中で大学に行った、
    たった3人のウチの1人な。スゲーよな」

ゲル:「だけどさ、アイツ、こないだ会った時に、
    “未だにAV監督の夢は捨てられない”って言ってた」
 
テツ:「捨てろよ!!」

ゲル:「いや、オレも未だに
    “男優になりたかったなー”とか思うことあっけどな」

テツ:「あー、男は思うでしょ」

ゲル:「だよな」

テツ:「でも、その夢は絶対に女子に語っちゃダメだな」

ゲル:「まぁな」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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